条件付きスキル「スキル吸収」を駆使し、冒険者から成り上がれ

ノベルバユーザー538903

13話 可愛いは正義?

その後は何事もなくイルミ村に到着し、これと言って変わったこともないので村長と会話してからアーバイン領へと戻ったのである。



「アスラン、もう遅いから明日冒険者ギルドにメイドと一緒に行きなさい」

「はい父様。有り難うございます」

「父様、ホワイトウルフは屋敷の中に入れてはダメですか?」

「獣魔の首輪を付け、お風呂やトイレなどの躾が終わってからなら良いぞ」

「有り難うございます」





そんな話をしていると屋敷に着いた。

アスランはホワイトウルフに向かって、

「こっちにおいで」

そう言うと、屋敷の庭へと歩いて行った。



う~ん、名前がないと呼びずらいな。

「名前を付けるけどいい?」

「ワォン」



鑑定ではメスとなっているが、どうしよう。サクラやミナミが名前的には好きなんだけど、ここら辺にない名前だからな~。白色だからシロ?う~ん、気にせずつけよう。

「よし、今日から名前はハクだ。いい?」

「ワォン」



ハクはよほど気に入ったのか、地面の砂が舞うくらい激しく尻尾を振っていた。



そんなハクをみると、白い毛のモフモフに我慢できずに、ワシャワシャと撫でまわすのであった。

あ、そうだ。

「ハク、サイズ変更できる?」

「ワォン」



ハクは返事をすると、2倍くらいの大きさになった。

ちなみに元の大きさは1.2mぐらいだから、倍の2.4mになると存在感が凄い。



「ハク、逆に小さくなれる?」

「ワォン」

こんどは逆に小さくなると60cmほどになった。



「か、かわいい~~~~~~~。」

アスランは地面に座ると、ハクを抱て膝の上に乗せると、ひたすら撫でまわすのであった。

ハクも嬉しそうに撫でられている。



「………。」

「ワシャワシャ」

「………。」

「ワシャワシャ」



時を忘れて撫でていると。

誰もくることもなく。



「………。」

「ワシャワシャ」



夕食の時間になるまで続くのであった。



メイドにハクを預けて、お風呂に入れてもらう

「ハク、今からお風呂に入れてもらうから、大人しくメイドさんの言うことを聞くんだよ。あ、お風呂はね、水浴びの水が温かくなった感じだからね。わかった?」

「ワォン」



やっぱし言葉がわかっているみたいだ。本当に賢いなと再度考えながら夕食に向かった。





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夕食での会話



「アスラン、今日のホワイトウルフの出来事を正直に教えてくれ?」

「はい。、父様。僕はハクをまず鑑定しました。あ、ハクとはホワイトウルフのことです」



アドリーヌも今日の出来事を簡単に聞いているので真剣に聞いている。

「鑑定した結果、体力がすこしだけ残っているのを確認して父様に瀕死の状況を伝え、その後商人に見られたくなかったので一人になりました。一人になりハクに生きたいか確認し、その後助けることを決意し、光魔法の初級のキュアーを唱え、その後回復薬を舐めさせました」



「ま、まて。アスラン、お前光魔法が使えるのか?」

「アンシャンテ先生にも隠していますが、初級魔法ならなんとか使えます」



両親は驚き、



そして再度驚き、



最後は驚きを通り越して、呆れていた。



「まあ、光魔法はいいとして、それからどうした?」

「はい。鑑定の結果、固有スキルがあり《主従の魂(中)》と《サイズ変更(弱)》でした」

「魔物に固有スキルか。確か特殊個体の魔物には稀に固有スキルがあると言われていたが…」

「そのスキルの内容は解りませんが、もしかしたら主従関係になれば意思疎通ができるのではと考え、意思疎通を試みました。完全には無理でしたが、こちらの言う言葉は解るようなので、態度や行動を見れば簡単な返事の内容が解りますので、父様に飼いたい旨を伝えた次第です」



両親はアスランを見ながら、一言呟くのが精一杯だった。

「そうか」



「………。」

「ち、父様?ハクを呼んでもいいですか?」

「ああ、いいが、どうした?」

「呼べば、言ってる内容が伝わると思いましたので」



メイドに頼みハクを連れてきてもらう。

ハクは尻尾を振りながらアスランの足元にすり寄ってきた。



アスランはよしよしとハクを撫でながら、

「ハク、小さくなって」

ハクはアスランの言葉通りに小さくなり、60cmほどの大きさになった。



アデールもメイドもみんな驚愕していたが、

アドリーヌとセレストだけは

「か、かわいいぃ~~~~」

「ス、スゴイの~~~~~」



目を見開いて、瞬時に駆け寄り可愛がっていた。



「え、えっと~。父様、ハクが言葉を理解し固有スキルがあることが…」

言葉を途中で飲み込むと、アドリーヌとセレストの勢いに負け、可愛がる姿を眺めることにした。



アデールもハクの側まで来ると、ハクに手を伸ばし撫でていた。

ハクはアスランを見ながら、どうしたらいいの?と瞳を通じて伝わった気がしたので、

「ハク。そのまま頑張って」

「クゥ~ン」

いつもとは違う鳴き声で応えるのみだった。



5分経ち…。



10分経った。



そしてアスランは諦めて、食事の続きをしていたら

「アスラン、屋敷の中で飼っていいわよ。賢いからすぐに出来るでしょうから躾だけ教えなさい」

「はい、母様」

「良かったねハク。今日から一緒に屋敷の中で住めるって」

「ワォン」



ハクは言葉を理解し、可愛がるアドリーヌにすり寄り感謝しているのであった。

アドリーヌは、ハクにすり寄られて目がメロメロになっていたのである。



アデールも席まで戻り、

「それにしても、ここまで言葉を理解するとは凄いの」

それにしてもハクも賢いと思うが、やはりアスランの才能は底が知れないな。今後、善悪を中心により一層教えていこうと決意するアデールであった。



え、アドリーヌとセレスト?

食事が冷め、再度温め直すこと数回、やっと満足したのか自分の席の隣に椅子を用意させハクを椅子の上に乗せると再度食事を再開したのであった。



その後、食事が終わるとハクのご飯を食べるのをみんなで温かく見守るのであった。



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翌日、メイドと共に冒険者ギルドに行き、無事に従魔の首輪をつけるのであった。

命令の内容は、正当防衛と誰かを助けるため以外は人間に危害を加えてはならないとした。



それにしても、お風呂に入った後のハクはモフモフで毛並みも素晴らしく、屋敷の中では既にアイドル扱いされているのであった。


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