条件付きスキル「スキル吸収」を駆使し、冒険者から成り上がれ

ノベルバユーザー538903

10話 魔力操作応用

翌日、アンシャンテ先生の授業となり挨拶を交わした。



その後アスランは思い切ってアンシャンテ先生のステータスを見た。



【名前】アンシャンテ

【種族】エルフ族 【性別】女性 【年齢】※※歳

【称号】アデール子爵家・家庭教師  冒険者Aランク

【レベル】68

【体力】1780/1780

【魔力】1520/1520

【能力適正】B-

【身体適正】C+

【魔法適正】A-

【スキル】 ※※※※ ※※※※ ※※※※ ※※※※ ※※※※ ※※※※ ※※※※ ※※※※

      ※※※※ ※※※※ ※※※※ ※※※※ ※※※※ ※※※※ ※※※※ ※※※※

【固有スキル】 ※※※※ ※※※※



アスランは非常に困っていた。

これはどういうことだ?《鑑定(強)レベル8》で見れない…。通常の隠ぺい系のスキルがあっても見れるはずなのに、スキルが見えないってことは固有スキルがあるのか?それとも通常のレベルも関係しているのか…考えても解らない。ただ言えることは両親や兄様に関しては問題なく見れていたので、アンシャンテ先生が特別なんだろう。しかも冒険者Aランクとは…。



困った顔をしながら考えていると

「アスラン君どうしましたか?昨日伝えた通り、魔力操作の練習はしましたか?」

「はい先生。昨日練習しましたので一度見ていただけますか?」

「ではお願いします」



アスランは誤魔化すように魔力操作を行った。

「昨日よりスムーズですね。素晴らしいですわ。この調子で頑張って下さいね」

アンシャンテ先生は昨日子爵様と話したことにより、驚きを隠しながらも普通に対応することにしたのである。



「魔力操作は魔法に関してとても大切ですので、今後も継続して練習して下さいね。でもせっかくですので、魔力操作の応用を教えますね」



そう言うとアンシャンテ先生は二つの水の入ったコップを持ってきた。

「まあ、応用と言っても魔法を行使する前の準備段階ですわよ」



アスランはキラキラした目をしながら、話に集中している。

「二つのコップには水が半分ずつ入っていますが、このコップの水を移動できるようにするので、聞いていて下さいね」



そう言うとアンシャンテ先生は詠唱を始めた。

「水の精霊よ、舞い上がれ、ウォーター」



そうするとコップの水が移動し、一つのコップが満タンになった。



アスランは、水が移動するのを興奮しながら考えていた。

詠唱は三小節が普通なのか?そう考えると、どの精霊に頼み、現象を表す言葉。そして行使する名前となり、それぞれにイメージをするのかな。



あ~めっちゃ楽しいなぁ~。と考えていると



「アスラン君、何か解りましたか?」

いたずらっ子のような顔でアスランに問いかけてきた。



アスランはゆっくりと考え、

「詠唱は三小節が基本ですか?」

「基本はですね。イメージする内容が拙なかったり、精霊と相性が合わないと詠唱は長くなったり使えなかったりしますよ」



やはり精霊との相性とイメージが大切なのか~。

「先生、ちなみに詠唱はなんでもいいのですか?それと精霊は見えるのですか?」

「詠唱は精霊にイメージと詠唱の言葉の内容が精霊に伝われば何でもいいですよ。一応定型文みたいなものはありますが。また、精霊は極稀に見れる方もいれば、何となく感じることができる方も中にはいますが、ほとんどの方は見えないですよ。もちろんスキルをもっている方は別ですよ」



よし、これなら日本の転生前の知識が役に立つかも。固定観念は無くすが、知識としては役にたつはず。

後は精霊との相性か~、そればっかしはやってみないと解らないかな。

「先生、精霊の相性や使える属性など解ったりしないのですか?」



「エルフは元々精霊との相性が良いと言われています。その中でも風の精霊と相性が良い方が多いのですが、私もすこしなら精霊を感じることができるのですが、アスラン君の周りには精霊様が他の人より多くいますよ」



「ほ、ほんとうですか?」



アスラン君のはしゃぎようを見て、天才とは言っても子供らしいところを見て、アンシャンテ先生は安心し微笑みながら

「本当ですよ。安心して下さい」



アスランは安心して精霊様にお願いするのであった。

「水の精霊様、力を貸して下さい」



何処にいるかわからない精霊様に一礼してから詠唱を唱えた

「水の精霊よ、舞い上がり納まれ、ウォーター」



詠唱が終わると同時に満タンに入っていた水は、カラのコップに移動したのである。



「で、できたぁ~。やったぁ~」

アスランは飛び上がり、喜びを露わにしたあと拳に力を入れガッツポーズをしたのである。



アンシャンテ先生は、驚きすぎてその様子を見ることもなく固まっていた。

二人はしばらくして、我に返り見つめ合った。



「………。」



「あの~先生、できていましたよね?」

「アスラン君。君は何歳でしかね?」

「え、4歳ですが…」

「年を誤魔化していません?」

「え、誤魔化していません。ちなみに年齢が高ければできるのですか?」

「いえ、できませんよ。しかし、知識があり理解力が増えるので多少早くは覚えれるかもしれませんが、一回ではできないですよ」



怖いような笑顔でアンシャンテ先生はアスランを見つめる。

「あはは、何でできたんでしょうかね?」

「こっちが聞きたいわよ」



「………。」

「………。」

「………。」



「いや~、僕に言われても」

「そうよね。まあ、アスラン君が水の精霊と相性がいいのは確かね。他の精霊も試してみる?」

「はい。やりたいです」



他の属性も試し、何回も練習していると本日の授業の終わりになっていた。



結果だけを言うと

・水と風魔法は一回でできた。

・土と火魔法は何回も練習しイメージを修正して、やっと些細な現象が起きる程度だった。

・闇魔法はいっさいできなかった。

・光魔法はできる人がほとんどいないと聞いたので、やり方だけ聞いて練習をしなかった。



アスランは、基本4属性魔法の基礎の基礎を一日で行使できたのである。

水と風に関してはイメージしだいでは魔法を使えるようになるだろうと言われ、アスランは大はしゃぎである。



しかし、逆にアンシャンテ先生は、もう諦め顔で驚くことにも疲れたようで、挨拶が終わるとトボトボと帰っていったのであった。



あちゃ~、やり過ぎとわかっているが、今後を考えると魔法に関しては妥協できないしな~。父様の話ではしばらくすると領地を案内してくれるって言ってたから、万が一にも備えてないと心配だからな~。異世界の命は日本と比べると軽いみたいだからしょうがいと思いながら、自分を納得させるのであった。

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