お見合い相手は大嫌いな同級生だった!

桜川椿

そして私と母はお見合い会場となる料亭の個室の一室で、お相手一行を待っていた・・・。




「なぁお母さん」


「ん?なんや?」


「お父さん仕事で来れん感じ?」


「そうやねん!大事な娘のお見合いの日くらいお休みもろうてって頼んだんやけど、今忙しくて無理やねんて・・・ホンマに残念やわ」


「あのお父さんのことやから、そうやと思ったわ・・・。じゃあ相手の人に謝らなあかんなぁ・・・」


「せやなぁ・・・お母さんが相手の人に説明するから雪乃は気にせんでええで」


「うん。ありがとうお母さん。それにしても相手の人来るんおそくない?」


「ホンマやな・・・こっちに来る途中でなんかあったんやろか?」




母とそんな話をしていたら部屋のふすまが開いた。




「羽山さん偉い遅なってすみません」


相手のお父さんだろうか?60代くらいのダンディなおじさんが、やって来た。




なんか、このおじさん見たことあるような気がするんやけど・・・?
気のせいやろか?






「横山さんええんですよ。それより丈一郎くんはどこに?」




ん?丈一郎?
さっき横山って言ってたやんな?


ってことは私のお見合い相手って
私のことブスって言い、トラウマにさせた張本人の横山丈一郎じょういちろうちゃうん?




それとも同姓同名の別人なんか?






「それが仕事の都合で30分くらい遅れる言うて、さっき連絡あったんですわ・・・。ホンマにすみません」


「仕事やったら、しゃあないやないですか。事故とかやなくて安心しました」




「ありがとうございます。丈一郎ホンマに遅いな・・・。それにしても雪乃ちゃん久しぶりやなぁ。相変わらずべっぴんさんやな。せやけど雪乃ちゃんが丈一郎のお嫁さんになってくれるなんて、おじさん嬉しくて涙出てくるわ」




やっぱり丈一郎のお父さんやったんか・・・。




「お久しぶりですおじさん。べっぴんさんなんて嬉しいこと言ってくれるんですね」




「ホンマのこと言うてるだけやで?雪乃ちゃん」




「ふふっおじさんありがとう」

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品