あの瞬間キミに恋した

桜川椿

85 ☆櫂斗視点☆

しかし母さんもおばさんもなに考えてるんだ・・・。




そんなに早く結婚させたいのか?




「母さんおばさん、今すぐには無理です」と俺は2人に言った。


「ええ~~~なんでぇ?」と2人は仲良くハモりながら言う。




なんで?じゃないって。


う~ん・・・なんて言おうか考えろ俺!!!




そして考えた結果出てきた言葉は・・・。


「まだ結婚なんてしたくないからです」


「それに紗羅と結婚するかも、分からないので」だった。


もっとマシな答え出なかったのかと、自分自身に呆れた。
しかも結婚するかも分からないとか言っちゃったし・・・。
これじゃあ俺が、紗羅と結婚したくないって思ってると思われるんじゃないか?


今の言葉で紗羅は誤解してるんだろうな。




俺は紗羅を見るのが怖くて
「では僕用事があるので失礼します」と言ってその場から去った。いや・・・俺は逃げたんだ!!!




逃げてどうすんだよ?


紗羅にちゃんと言わなきゃいけねぇのに。


とにかく紗羅と話をしないと・・・。


明日、紗羅は俺を避けないだろうか?


それが不安でたまらない。


そして朝になった。


もちろん俺はほとんど寝てない・・・いや眠れなかった。


早く紗羅に会いたい・・・。




リビングへ行くと母さんが
「櫂斗おはよう」と言った。


「おはよう・・・」


「櫂斗眠れなかったの?紗羅ちゃんと話しなさいよ。あれが原因で紗羅ちゃんお嫁に来てくれなくなったら母さん泣いちゃうから!」




おいおい泣くって大袈裟な。
でも、それは俺も嫌だ。
紗羅が俺以外の男と結婚なんて考えられないし!!!




「うん、わかってる」


「頑張るのよ櫂斗!」と母さんに思いっきり背中を叩かれた。




いってぇ~~~~!!!


そんなに強く叩くなよ・・・。
そして俺は紗羅の家に向かった。




そろそろ来るかな?






「櫂斗おはよう」と紗羅が笑顔でやって来た。




紗羅の笑顔を見て思わずドキッと胸が高鳴った。


紗羅昨日のこと気にしてないのか?


しかも今日はやけに出てくるの早いし。




もしかして紗羅も眠れなかったんじゃ?




「おはよう。今日は早いな紗羅」


「え?あははっ、まあね~~~」と少し戸惑った顔をしながら言った。




やっぱりそうだ。
気にしてないはずがないよな。




「あのさ、昨日のことなんだけどさ」


「うんあれだよね、高校卒業してから結婚って言うのは早すぎるよね。うちのお母さんもなに考えてるんだか」






うん紗羅の言う通りだ!!!
俺達がおかしいんじゃなくて、親達がおかしいんだ。




そして俺は
「紗羅・・・正直に言うけど、俺は当分結婚とか考えられない」と紗羅に言った。

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