あの瞬間キミに恋した

桜川椿

79

「紗羅早かったな♪」




「うんあのさ、早く行こうよ」




うわぁ~~~櫂斗すごく機嫌良いみたい・・・。
でも上機嫌なとこ悪いけど
私は一刻も早くこの場を去りたい!




「紗羅、そんなに急がなくていいだろ?」


「いいから早く!」と言いながら櫂斗の腕を引っ張って屋上に向かった。




「わかったって」


そして屋上に到着~~~。




「で、紗羅はなんで怒ってんの?」


「別に怒ってなんかないけど」


「嘘つけ!!」


うっ・・・あっさり櫂斗に見破られた。




「ねぇ櫂斗、これからは屋上で待ち合わせしない?」


「なんで?」




なんで?って櫂斗本当に分かんないの?




「櫂斗のクラスに入りづらいし、みんなに見られるから」


「なんだ!そんなの気にしなくていいじゃん」




気にするって!もう・・・櫂斗は女心ってものが全然わかってない。




「私は気になるの!とにかくここで待ち合わせに決定ですから」


「はいはい分かりました」と言って子供をあやすように、私の頭を撫で撫でした。




「あの~~止めてもらえますかね?私子供じゃないですから!」と言いつつ、櫂斗に頭撫でられるのを幸せに感じた。




「ははっ。紗羅可愛い♪」




カァっ!!!
そんな笑顔で可愛いなんて言われると、ドキドキしちゃうじゃない。
顔赤くなってないかな?ドキドキ・・・。




「もう、ふざけてないでお弁当食べるよ!」


「は~い♪」と櫂斗は子供みたいに手を上げながら言った。




ぷっ!!櫂斗子供みたい・・・。でも可愛いかも♪




「おっ!!紗羅の弁当美味そうじゃん」


「そう?実はね・・・私が作ったんだぁ~~~♪」


「え?マジで?お前料理得意じゃなかったよな?確か・・・」




うっ・・・はいそうですよ。私は料理苦手ですよ~~だっ!!




「うん、だから最近お母さんに毎日料理の特訓してもらってるんだ」


「そっか。んじゃあさ・・・俺にも弁当作ってよ」


「え?ヤダ!!」


「なんで?」


「だって櫂斗の分も作るとなると、今より早く起きなきゃいけないし・・・」


「愛が足りない・・・」


「え?」


「だ・か・ら・愛が足りないって!」




はい?言ってる意味が、よくわかんないんだけど?




「どういう意味?」


「紗羅、俺のこと好きなんだよな?」


好きに決まってるじゃない!
言わなくてもわかるでしょ?
櫂斗はなにが言いたいの?


「うん、それがどうしたの?」


「紗羅、俺のことが好きなんだったら弁当作ってあげようとか思わない?」と溜息交じりの声で言った。




あっ!そういう意味ね。




「そっか・・・うん、わかった。明日から頑張ってみるね♪」


「やっと分かってくれたか!サンキュー紗羅♪」


「その代わり不味かったとしても文句言わないでよ?」


「あははっわかってるって」




そしてお弁当を食べ終わった後、時計を見た。
そろそろ昼休み終わっちゃうじゃない!


「あっ!そろそろ昼休み終わっちゃう。教室戻ろっか、櫂斗」


「もうそんな時間か。んじゃあ紗羅また後でなぁ~~」と手を振って去って行った。




え?途中まで一緒に行くのかと思ったのに、なんで1人で行くかな。


まぁいいや。私も教室戻ろうっと!

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