あの瞬間キミに恋した

桜川椿

70

見せ付けるって、私は嫌だってば!
これ以上噂されるのは・・・。




そう・・・櫂斗と付き合うようになってから、根も葉もない噂がよく流れるようになった。




だから私はこれ以上目立ちたくないんだよ?櫂斗?
って言っても櫂斗は分かってくんないし。
はぁぁ~~どうしよう。




そんなことを思ってると
「紗羅~~」と私を呼ぶ声が聞こえた。




この声は、私の大好きな親友のマリだ!!


「あっ!マリ~~おはよう。また同じクラスだね。嬉しい♪」


「え?そうなんだ。今年もよろしくね~~紗羅♪」


「そっかまた同じクラスなんだな。七瀬さん紗羅のことよろしくね」


もうう~~~相変わらず櫂斗は私のこと子供扱いしてくるんだよね!何か不満。


「うん、もちろんよ!!」


そういうマリにも、ちょこっとムカってするけどマリのことは憎めない・・・うん。




「櫂斗君も同じクラスなの?」


「いや俺は5組なんだ」


「そうなんだ。じゃあ紗羅1年間寂しい思いするね」


そういう言われ方すると、何か恥ずかしい。




「そんなことないよ。1年なんて、あっという間だし」


「ふふっ紗羅ちゃんったら、強がっちゃって可愛い♪」


「そんな事ないってマリ!」


「俺は紗羅と離れて寂しいけどな」


「ふふっあんた達本当に仲が良くて見てて面白いわ」と大爆笑をしているマリ


そんなに笑わなくていいんじゃないですか?マリさぁぁん!!!






「おはよう紗羅ちゃん」と拓哉君がやって来た。




「拓哉君おはよう」




「紗羅ちゃんと同じクラスで嬉しいよ♪」と笑顔で言った。






うっ、そう言えば拓哉君の名前あったんだった。


拓哉君には悪いけど一緒のクラスには、なりたくなかったな。




「そうだね。1年よろしくね」


恐る恐る櫂斗を見ると、拓哉君を怖い目で睨み付けてる。


やっぱりか。お願いだからそんな顔しないで、櫂斗。




「そろそろ集まらないといけないんじゃないのかな?」と拓哉君が言う。


「あっ!ほんとだ、じゃあまた後でね櫂斗!!」


後で櫂斗に何か言われるだろうなぁ、きっと。


そして校長先生のなが~い話が終わった後
マリと一緒に1組へ向かった。




「紗羅教室いこっか」とマリは足早に歩いて行った。


「うん、マリちょっと待って」と私は急いで走る。




と・・・走り出した瞬間、ドンっと誰かに思いっきりぶつかってしまった。

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