あの瞬間キミに恋した

桜川椿

69

「お~い紗羅どうした?ぼ~っとして、あっ!もしかして感動してたのか?」


「え?違うもん」


「なぁ、紗羅も言ってよ、愛してるってさ!」


え?今?


無理無理だよ、そんな急には。
心の準備が出来てないし。




「・・・言ったじゃない、大好きって」


「ダメ・・・大好きより愛してるって言って欲しいんだよ俺は」




本当は私も櫂斗のこと愛してるんだよ?
でもね言葉にするのが、なかなか出来ないの。




「ぁぃしてる・・・」


「え?なに?全然聞こえなかったから、もう一度!」


んもう~~~っ!言ったじゃない。


もう~~どうにでもなれ!!!




「櫂斗のこと愛してるから!!これでいい?」


ううぅ~~~恥ずかしい。


「紗羅ちゃ~ん、どうして怒っちゃってるのかなぁ?」と私の頭をなてなでしながら言う櫂斗。


「もう櫂斗が怒らしたんでしょ!それより早く学校行こうよ」


「そうだな。紗羅」


「ん?なに?」と振り向くと櫂斗にキスをされた。


っ!!なんでこんな場所でするかなぁ。
こんな場所って何処って?
はい・・・思いっきり家の前でです!


「櫂斗、こんなとこでしないでよ!」


「いいじゃん誰も見てないんだからさ」


「そういう問題じゃな~~い!」


そして私達は学校に向かった。


「はぁぁ~~よかった。櫂斗のせいで遅刻しそうになったじゃない!」


「でも遅刻しなかったから、いいんじゃねぇの?」


もう~~~この減らず口め!




「今年も同じクラスだといいな紗羅」


「うんそうだね」


そしてクラス表を見て自分の名前を探した。


あっ、あった!私は1組だ。
櫂斗は5組だった・・・。


「クラス離れちゃったね」


「そうだな。もしかして俺とクラス離れて寂しい?」


うん寂しい・・・寂しすぎるよ!!
ここは素直に言おう。


「うん寂しい、寂しいに決まってるじゃん!」


「おっ!今日は素直だな紗羅」と櫂斗がホッペにキスをした。


「櫂斗、みんな見てるからやめてよ」


「いいじゃん!俺達恋人同士なんだし!見せ付けてやろうぜ!」

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