あの瞬間キミに恋した

桜川椿

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「あははっ。櫂斗ってロマンチストさんなんだ~~」


「あっ!!紗羅、今バカにしただろ?」


「してないって。実は・・・私も・・・運命信じちゃってたしね。もちろん・・・相手は櫂斗だよ」と照れながら櫂斗に言った。




「マジで?」


「うん、マジです!!」


「俺・・・すんげ~嬉しい」


「ふふっ、私も嬉しいよ」




こんな会話をしている私達のことを、バカップルと言うんだろうね。あははは。




「でも・・・櫂斗・・・その・・・拓哉君とキスしちゃってごめんね」




「紗羅が謝ることじゃねぇだろ?無理やりされたキスなんてキスじゃないから。気にすんなよな。まぁでも・・・ファーストキスは俺だからさ」とニヤリと笑う櫂斗。




え?え~えっ!!!




「はぃ?ファーストキスじゃないって・・・・櫂斗・・・・いつ私にキスしたわけ!!!」




「・・・小6ん時だよ。ほら、お前ん家泊まりに行った時に寝てるお前にキスしたんだ」




「・・・寝込みを襲うなんてサイテーだよ!櫂斗!!!」


「紗羅が可愛い顔して寝てるから、いけないんだよ」


っ・・・・可愛いって・・・。櫂斗が言ったの?


1度も聞いた事のないセリフを・・・今日初めて櫂斗が言った・・・。


「ははっ。紗羅顔真っ赤だぜ?」


「櫂斗が、らしくないこと言うからじゃん!!」


「これから毎日言ってやろうか?」


「いえ結構です・・・」


櫂斗・・・頭のネジおかしくなっちゃったんじゃないの?


櫂斗はこんなキャラじゃないじゃん!!!


「紗羅、可愛い、世界一!!」


「ちょ・・・ちょっと櫂斗!!!からかわないでよ!!」


「からかってなんかないって!!マジで紗羅は可愛いよ」




誰かこの爽やかな笑顔で、恥ずかしいセリフを連発してる この男を止めて下さい・・・。




「もうっ、櫂斗!!」


「はははっ。怒るなって。なぁ紗羅!!」と私を抱き寄せて頭を撫で撫でする櫂斗。


わわっ!ビックリしたぁ・・・。急に抱き寄せないでよね・・・櫂斗。
しかも・・・頭まで撫で撫でしてるし・・・。


でも、本音を言うと嬉しいんだけどね。


「子供扱いしてるでしょ?」


「はははっ。してないって!!それよりキスしてもいいですか?まぁイヤって言ってもしますけど」




な・・・なんで・・・敬語で聞くかな。




しかもイヤでも、するんかい!!!


まぁいっか・・・。こんな櫂斗のことが大好きなんだから、しょうがない。あはははは。


「いいよ。でも・・・優しくしてよね」と少し照れながら言った。


「はい了解しました。姫様」と満面の笑みを浮かべる櫂斗。


うっ。その笑顔はダメだよ~~櫂斗・・・。カッコよすぎて、困る・・・。

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