あの瞬間キミに恋した

桜川椿

49

階段を降りようとした時、布団の重さで体がグラついた。


ヤバイ!!!落ちちゃう~~~!!!




すると「紗羅!!!!!」と櫂斗の声が聞こえたような気がした。


と思った時・・・・ん?私・・・・落ちてない・・・なんで?と恐る恐る目を開けると、櫂斗がいた。


「櫂斗?なんでココにいるの?」と半分放心状態で櫂斗に聞いた。


「なんでって・・・お前が遅いから様子を見に来たら、お前が落っこちそうになってたから急いできたんだよ」


「そうだったんだ・・・。櫂斗ありがとう・・・。怖かったよぅ・・・」と泣きながら言った。


「わかったから、泣くなよ。なっ!紗羅」


「うん」




そして冷静になった私・・・。




キャー!!!なに?この状況は・・・。


私は櫂斗にキツク抱きしめられていたんだ。


パニくってて、全然気づかなかったよ。


櫂斗の顔がすごく近くにある・・・。


ヤバイ・・・ドキドキしちゃってるよ。


心臓のドキドキが櫂斗にバレちゃうんじゃないかと思うくらい、私のドキドキは大きかった。
そして・・・。


「櫂斗・・・もう大丈夫だから、離して!」


「ん?あぁ・・・わかった」と、やっと離してくれた。


「んじゃあ、コレ持って行くからな」


「え?いいの?」


「また、落ちそうになったら厄介だからな」とニヤリと笑って言った。


「もう落ちないもん!!!」


「ははは。お前っておもしろいな!!!早く行こうぜ」


「もう~!!わかったわよ」


そして1階に戻りお母さんと、櫂斗のおじさんおばさんに布団を掛けた私達。


「さてと・・・なぁ紗羅、俺はどうすればいいわけ?」


「ん~・・・。泊まって行ったらいいんじゃない?おじさんもおばさんもいる訳だし」


「んじゃあ、そうするよ」


「はい、布団」


「俺も、ここで寝るのか?」


「当たり前じゃない。私は自分の部屋で寝るけどね」


「紗羅だけ、ずりぃな!!」


「なに言ってんの、うち部屋少ないから仕方ないじゃん!」


「んじゃあ、紗羅の部屋で寝かせてくれよ」


ゲッ!!なに言っちゃってんのよ櫂斗は。


一緒の部屋になんて寝れる訳ないじゃんか・・・。


「櫂斗なに言ってんのよ。一緒の部屋なんてイヤだよ、私!!!」


「ちっ!なんだよ。昔は、よく一緒に寝てたじゃね~か!!」


「確かにそうだけど今はダメだって!!」


「あっ!お前もしかして・・・俺に襲われるとか思ってるんだろ?」


違うよ・・・。櫂斗が近くにいたら、ドキドキしすぎて寝れないからなのに・・・。


「図星か・・・。でも安心しろよ。紗羅には襲いたくなんか、ならねぇからさ」と不適な笑みで言った。

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