あの瞬間キミに恋した

桜川椿

37

それから、日々が過ぎてゆき私の退院が決まった。
やったぁ~~やっと退院出来るんだ!!


タクヤ君に知らせないと・・・。
と頭ではわかってるんだけど、なかなか言い出せない。


タクヤ君と過ごした日々が、すごく楽しかったから。
でも、ちゃんと言わなきゃね。


「タクヤ君」


「あっ!紗羅ちゃん、どうしたの?暗い顔して」


「あ・あのね、私明日退院するんだ」


「え?本当に?急だね・・・」


「うん、タクヤ君今まで仲良くしてくれてありがとう。すっごく楽しかった」


「うん。僕も紗羅ちゃんといて、すっごく楽しかったよ」


「これから会えなくなるけど、タクヤ君元気でね」


「うん、紗羅ちゃんも。そうだ!!紗羅ちゃんお別れにコレあげるよ」


うっわ~~!!可愛いクマさんのキーホルダーだ。


「え?いいの?」


「うん、僕使わないから。よかったら使ってね」


「タクヤ君ありがとう。大切にするね!!」


それから、退院する日になった。


「タクヤ君じゃあ、バイバイ」と泣きながら言った。


「紗羅ちゃん泣かないでよ。きっと、また会えるよ。絶対に会えるから。ねっ」


「うん」


「また会える日まで、僕のこと忘れないでね。紗羅ちゃん」


「うん、忘れないよ絶対に」


「今度会えた時に伝えたいことがあるんだけど、紗羅ちゃん聞いてくれる?」


「うん、伝えたいことって・・・なに?」


「ふふっ。それは内緒。また会えた時に言うから、それまで待っててね」


「うん、わかった」


「絶対だよ?紗羅ちゃん、約束だからね!!」


「うん、絶対だよ。約束する」


そう言って私達は微笑み合い、別れた。

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