あの瞬間キミに恋した

桜川椿

27

そして放課後。


「紗羅、櫂斗君と帰るんでしょ?ほら、行ってきなよ」とマリに背中を押される。


「うん、マリありがとう」


「ふふっ、いいのよ」


そして私は教科書をカバンに詰めて、櫂斗に話しかけた。


「櫂斗、帰ろ!!!」


「1人で帰れば?」と冷たく言われた。


なによ、いつも一緒に帰ってたくせに!!
まだ怒ってるわけ?ちゃんと話したいのに。


「わかったわよ!!もう知らない!!」と私は怒りながら櫂斗に言った。


ムカつくう~~~!!櫂斗のヤツ。


そんなことを思ってると
「紗羅ちゃん」と話しかけられた。


振り返ると、拓哉君だった。


「拓哉君。どうしたの?」


「うん、よかったら一緒に帰らないかな~と思って」


え?私と?まぁいっか、櫂斗は私と帰りたくないみたいだし。


「うん、じゃあ一緒に帰ろう拓哉君」と笑顔で言った。


「ふふっ、よかった」と嬉しそうに言う拓哉君。


そして教室を出ようとした時、櫂斗と目が合った。
私はすごい目つきで櫂斗に睨まれた。


な、なによ櫂斗。なんでそんなに怖い顔してるのよ?
拓哉君と一緒に帰るのが、そんなに気に食わないの?
なんか文句あるんだったら、私に直接言いなさいよ!!
そもそも、櫂斗が悪いんだからね。
私が話しかけても、無視する櫂斗が!!!


そして私は、櫂斗に負けじと睨み返して教室を出た。
そして靴箱に来たところで、拓哉君に質問された。


「紗羅ちゃんってさ、岡田と仲いいよね?」


ん?なんで櫂斗の話なんだろ?まっいっか。


「別に仲良くなんてないよ。ただの幼なじみってだけだから」と苦笑いをしながら言った。


「そうなんだ?付き合ってるのかと思っちゃってさ」


拓哉君まで私と櫂斗って傍から見れば、カレカノっぽく見えるのかな?
そう思うと、私はすごく嬉しかった。実際はケンカ中で話もろくに出来てない状態なんだけどね、アハハ。


そして、私達は校門を出た。

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