あの瞬間キミに恋した

桜川椿

16

「渋谷さん~」と廊下に出た途端誰かに呼ばれた私。ん?誰だろう?と振り返ると相沢君だった。


彼は、相沢拓哉あいざわたくや君。
綺麗な顔立ちで昨日から目立ってたからもちろん知っていた。
身長も180cmもあってスタイルも良くて
うん、モデルみたいな外見の男の子。
マリと並んでたら、すっごく美男美女カップルだね!!間違いない。
私と並んだら、妹とお兄ちゃん?に見えるに違いない。


そう、これから図書委員を彼と一緒にする事になったんだ。
まさか、一緒に委員する事になるとは、思ってもみなかったんだけど。


「渋谷さん、これから色々とよろしくね」と綺麗な笑顔で言った。


うわぁ~~~!!なんて綺麗な笑顔なの。
しかも、すっごく優しいし。
櫂斗とは比べ物にならないくらいに、カッコ良いし優しいし文句のつけようが無いって言うのは、こういう男の子のことを言うんだろうなぁ。


「うん、こちらこそよろしくね。相沢君」と私は笑顔で言った。


「そうだ!これから一緒の委員なんだから、名字は止めてお互いに名前で呼ばない?」


「それも、そうだよね。じゃあ、拓哉君でいいかな?」


「OK~!じゃあ僕は、紗羅ちゃんでいいかな?」


「OKです。じゃあ改めてよろしくね!!拓哉君」


「こっちもよろしくね!紗羅ちゃん」


そして、拓哉君は私の顔をジーッと見た。


「拓哉君・・・どうしたの?」


「いや、なんでもないよ」と微笑みながら言う拓哉君。


な・・なんだろう?まっいいか・・・。




それから、放課後・・・。


「おい!紗羅帰るぞ」


「わかったわよ」


ったく。そんな言い方しか出来ないのかな。櫂斗は・・・。


「じゃあまた明日ね~~マリ」


「うん、そうそう、隠し事の件は明日みっちり聞くからね~」


あっ!すっかり忘れてたよ。
はぁぁ~!明日が来るのが、何かイヤになってきちゃったよ。


それから・・・櫂斗と私は何事もなく、一緒に帰った。

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