あの瞬間キミに恋した

桜川椿

私は諦めて、櫂斗と一緒に帰る事にした。
私達は自転車を出して学校を出た。
ふぅ、何で櫂斗なんかと一緒に登下校しなきゃいけないのよ・・・まったく。と心の中で呟いた。




そして、やっと家の前だ~~!!
家に着いてこんなに、嬉しい気持ちになったのは、生まれて始めてだった。
これで櫂斗に開放される。


「紗羅何か嬉しそうだな」


うっ!何で私の心を読んでるのよ・・・。


「俺と一緒にいるのがイヤなんだろ?顔にそう書いてある」


うっ!コイツするどいな。


「べ・・別にそんな事思ってないよ」


「ウソつくなよ紗羅」


「うるさいなぁ~~~私もう帰るから、また明日ね」と言ってそそくさと、私は家に入った。


「ふっ!!やっぱり紗羅って昔と変わってないな」と言いながら笑って、自分の家に帰った櫂斗だった。


「お母さ~~ん!!ただいま」


「紗羅おかえりなさ~い」とすっごく機嫌よさそうに出迎えてくれた。


「ねぇ、お母さんなんで櫂斗が戻って来たこと私に言ってくれなかったのよ」と私はキレ気味にお母さんに言った。


「ふふふっだって、紗羅をビックリさせたくて」


うん、確かにビックリはしたけれども・・・。


「お母さんのおかげで、櫂斗にバカにされたんだからね」


「まぁまぁ、そんなに怒らないの紗羅。何だかんだ言って、櫂斗君が戻ってきて紗羅は嬉しいんじゃないの?」


「嬉しい訳ないじゃん。あんなヤツ大嫌いだよ!」と私は怒りながらお母さんに言った。


「それより、櫂斗君カッコ良くなってたわね」


「それほどでもないんじゃないの?」

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