転生した先は侯爵令嬢だったみたいです!

桜川椿

不穏な予感の正体がわかりましたわ!

「ユリウスこの辺りですわ・・・」


「もしかして魔物なのか?」






「ええユリウス・・・どうやらそのようですわね・・・」




わたくし達の目の前に大きな魔物がいた・・・。




全身が黒く、その姿はまるで巨大な狼のようだった・・・。


今にも襲ってやるぞと言うような鋭い目付きでわたくし達を見ていた・・・。




「ちっ!カレン危ないから私の後ろにいるように!」




わたくしを守るようにユリウスは立っていた・・・。




「ユリウス!大丈夫ですの?ユリウス1人では危ないですわ・・・」


「大丈夫だと言いたいところだけど、剣を持っていないから武が悪すぎるな・・・。やはり剣を持ってくるべきだった。私の判断ミスだ。カレンは心配しなくていい。私が必ず守るから」と言いユリウスは強化魔法をかけた。


「ユリウス・・・」


「強化魔法で、どれだけ耐えられるか・・・」




その時




『助けてくれ・・・』






え?




今声が聞こえたわ・・・。




『お願いだ助けてくれ・・・』




この声は・・・もしかして魔物なの?




わたくしは心の中で、目の前の魔物に話しかけた。




「あなたなの?」


『!!!我の声が聞こえるのか娘よ・・・我の名はジャガードだ。そなたの名は?』


「ええ、よく聞こえるわ。ジャガードね。わたくしはカレンよ」


『頼むカレンよ。我を助けて欲しいのだ』




助けを求めてるわ・・・。
それに苦しそう・・・。
ジャガードを助けてあげたい・・・。




「ユリウス・・・待って」


「カレンどうした?」


「ジャガードが助けてって言ってるの・・・」


「ジャガード?もしかして魔物のことか?」


「ええ。わたくし達に助けを求めてるの・・・。ジャガードと話をさせて?ユリウス」




「わかった」


もしかしたらわたくしと手を繋いだらユリウスもジャガードの声聞こえるかもしれないわね・・・試してみよう・・・。




「ユリウスわたくしの手を取って」




「急にどうしたんだ?カレン」そう言いつつユリウスはわたくしの手を取った。


「これでユリウスもジャガードの声が聞こえるかも知れないと思ったの。さぁジャガードなにか喋って」


『聞こえるかユリウス』


「・・・聞こえたよカレン。ジャガードはじめましてユリウスだ。君の話を聞くよ」


よかった・・・。私の勘は当たっていた・・・。













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