人体強化人間の異世界旅路
天使の降臨祭・メインイベント その裏で
ナタリーを見送った俺は裏側よりメインイベントを見守る。マイクも持っていないのに良く聞こえる司会の声や観客たちの歓声。それらがこのイベントがどれだけ人気なのかを認識させた。
「……カズトさん」
ふと、ステージの方を見ていたら後ろからメイアちゃんが声をかけてきた。俺がそちらの方を見ると何処か光のない瞳で俺を見ている。……何か嫌な予感がするな。
「どうしたんだ?」
「……一緒にここで暮らしませんか?」
メイアちゃんはそう言って提案をして来る。
「私はカズトさんが大好きです。だからずっと私の傍にいて欲しいんです……。カズトさんはお風呂が気に入ったみたいですし沢山入れますよ?」
「いや、流石にそれだけだと……」
「なら私の中に刻まれてください」
「は?」
一瞬メイアちゃんの言いたい事が分からずに間抜けな声を上げたが瞬間、右手に持ったナイフを俺に向けて突き出してきた。狙いは心臓、不意を突いた見事な一撃だ。ナイフを見つけるまで動向を悟らせなかったのもポイントが高い。
……が、それだけだ。俺は左にずれメイアちゃんの右手を両手でつかむと同時に脇に挟み右腕を一時的に封じる。ナイフを使ってきたがその動きは素人同然で体の動きに無駄が多い。俺は足を払い彼女を背中から地面にたたきつける。
「は、ぁ……!」
すべての空気を強制的に吐き出されたメイアちゃんは苦し気に口と目を限界まで見開く。その隙に右手に持ったナイフを奪い遠くへ投げる。これでメイアちゃんは無力化されたわけだがこの娘は一体どうしたというのだろうか?思えば今日会った時には既にどこか可笑しかったがそれ以前はこんな事をするような娘ではなかった。
つまり、昨日の夜のうちにメイアちゃんに何かをした張本人がいるという事か。
そこまで考えた俺は急激に接近する気配を感じメイアちゃんを掴み左に飛ぶ。瞬間、俺とメイアちゃんがいた場所を何者かがかかと落としを行い地面に軽くクレーターを開けた。どうやら、当たって欲しくない予感が当たってしまったようだ。
俺は周囲を囲むように感じる気配に抵抗するべく刀を抜くのだった。
「……カズトさん」
ふと、ステージの方を見ていたら後ろからメイアちゃんが声をかけてきた。俺がそちらの方を見ると何処か光のない瞳で俺を見ている。……何か嫌な予感がするな。
「どうしたんだ?」
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メイアちゃんはそう言って提案をして来る。
「私はカズトさんが大好きです。だからずっと私の傍にいて欲しいんです……。カズトさんはお風呂が気に入ったみたいですし沢山入れますよ?」
「いや、流石にそれだけだと……」
「なら私の中に刻まれてください」
「は?」
一瞬メイアちゃんの言いたい事が分からずに間抜けな声を上げたが瞬間、右手に持ったナイフを俺に向けて突き出してきた。狙いは心臓、不意を突いた見事な一撃だ。ナイフを見つけるまで動向を悟らせなかったのもポイントが高い。
……が、それだけだ。俺は左にずれメイアちゃんの右手を両手でつかむと同時に脇に挟み右腕を一時的に封じる。ナイフを使ってきたがその動きは素人同然で体の動きに無駄が多い。俺は足を払い彼女を背中から地面にたたきつける。
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