人体強化人間の異世界旅路
暴風の勇者ハバト・マケイラ その2
「いやぁ、久しぶりにこんなに笑った気がするよ」
暫くハバトは笑っていたがやがて息を整え俺たちに向き合った。その目には全く油断しておらず俺たちが飛びかかってきたらすぐに対処できるようにしていた。……少なくともこの状況はあちらの方が有利だ。周りは既に俺たちの異様な雰囲気に気付いており中には俺と早退している相手がこの国の勇者という事に気付く者もいる。そうなればその勇者と対峙する俺たちは自然と悪に偏って来る。例えまだ何もしていないとしても。
ハバトは俺とナタリーを交互に見ているがやがて両手を上げた。
「待った。俺たちは別に戦いに来たわけじゃないぞ。敵国の勇者がいたから何の用か見に来ただけさ」
「……その言葉を信じろ、というのは少し難しいな」
例え本当であったとしても警戒は解けない。相手はそれだけの実力者だ。ナタリーと戦った時でさえ押されていたのだ。流石に相手の、ジェーンと言っていた女性が勇者級の実力を持っているわけではなさそうだからこちらが幾分有利ではある。
「とりあえずどこか店にでも行こうぜ。話はそこで、な?」
「……」
ハバトの言葉を聞きナタリーがどうするのかを訪ねるようにこちらに視線を向けてくる。正直なところこの場にいるよりはマシだろうな。まだ対峙しているだけだからいいが確実に周囲の人々の視線が険しくなりつつある。この場にとどまっていればその内敵と認識されかねない。
「……わかった。だが、そちらの提案だ。奢ってくれるのだろうな?」
「勿論だとも」
俺の軽口に答えるようにハバトはそう言って歩き出した。俺とナタリーもそのあとを追うように歩き出す。さてはて、一体どうなるのか……。
暫くハバトは笑っていたがやがて息を整え俺たちに向き合った。その目には全く油断しておらず俺たちが飛びかかってきたらすぐに対処できるようにしていた。……少なくともこの状況はあちらの方が有利だ。周りは既に俺たちの異様な雰囲気に気付いており中には俺と早退している相手がこの国の勇者という事に気付く者もいる。そうなればその勇者と対峙する俺たちは自然と悪に偏って来る。例えまだ何もしていないとしても。
ハバトは俺とナタリーを交互に見ているがやがて両手を上げた。
「待った。俺たちは別に戦いに来たわけじゃないぞ。敵国の勇者がいたから何の用か見に来ただけさ」
「……その言葉を信じろ、というのは少し難しいな」
例え本当であったとしても警戒は解けない。相手はそれだけの実力者だ。ナタリーと戦った時でさえ押されていたのだ。流石に相手の、ジェーンと言っていた女性が勇者級の実力を持っているわけではなさそうだからこちらが幾分有利ではある。
「とりあえずどこか店にでも行こうぜ。話はそこで、な?」
「……」
ハバトの言葉を聞きナタリーがどうするのかを訪ねるようにこちらに視線を向けてくる。正直なところこの場にいるよりはマシだろうな。まだ対峙しているだけだからいいが確実に周囲の人々の視線が険しくなりつつある。この場にとどまっていればその内敵と認識されかねない。
「……わかった。だが、そちらの提案だ。奢ってくれるのだろうな?」
「勿論だとも」
俺の軽口に答えるようにハバトはそう言って歩き出した。俺とナタリーもそのあとを追うように歩き出す。さてはて、一体どうなるのか……。
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