じゃあ俺、死霊術《ネクロマンス》で世界の第三勢力になるわ。
2-2
2-2
「やあぁ!」
「っ!?」
突然現れたフランに、クラークは一瞬面食らった。フランが鉤爪を突き出す!
ギィン!クラークはとっさに剣の腹でフランの爪を受け止めた。爪と剣がこすれて火花が散っている。相手は、フランの小柄な見た目からは想像できない怪力に戸惑っているようだ。その隙を、フランは見逃さなかった。思い切り足を振り上げる。
「ぐあっ!」
フランに蹴り飛ばされて、クラークは後ろにぶっ飛んだ。
「クラーク!よくもっ!」
コルルが杖を振りかざす。魔法を使う気だ!それに合わせて、ライラもよどみなく詠唱を開始した。
「ガスト・オブ・スカイラーク!」「ダンデライオン!」
両者の呪文はまたしても同時だった。コルルの周りに塵がうずまき、無数の鳥の姿を形作る。対してライラが指し示した地面からは土がボコボコと湧き上がり、そこから岩石でできたライオンが姿を現した。
「やあぁぁ!」「いっけーー!」
両魔術師が叫ぶと、魔法で生み出された使い魔たちが一斉に突撃した。コルルの風の鳥は戦闘機のように編隊を組み、猛スピードで突っ込んでくる。だが、対するは百獣の王だ。小鳥なんかに負けるもんかっ! 
ズガガガッ!獅子の体に、疾風の鳥が雨つぶてのように降り注いだ。ドガーン!
「きゃあああ!」
響いた悲鳴はコルルのものだ。コルルの魔法はライラの獅子を爆発させたが、威力はライラの方が上回っていたようだ。砕けた岩石の破片がコルルに降り注ぎ、猛烈な粉塵が舞った。
「よぉっし、いいぞライッ……」
ピュウン!うわぁ!弦の弾ける音と共に、煙の中から矢が飛び出してきた!キン!エラゼムが腕で俺を庇い、矢を弾き飛ばす。
「桜下殿、ライラ嬢。弓兵が狙っております。後ろにお下がりください」
俺とライラは、慌ててエラゼムの陰に隠れた。
「フラン嬢、守りはお任せください。そちらは頼みましたぞ!」
「わかった!」
フランが飛び出していく。いつかに話した、俺たちの基本戦術が出来上がりつつあった。俺はウィルに叫ぶ。
「ウィル!フランのサポートを頼めるか!」
「了解です!」
「それと、隙を見つけたらソウルカノンをあいつにぶっ放す!そん時は合わせてくれ!」
「ソウルカノンを……わかりました!」
俺のソウルカノンは、自分の魔力の塊を相手にぶつける技だ。それだけだと生きた人間には何の効果もないんだけど、冥の魔力が蓄積された状態にすることで、幽霊のウィルが憑依できるようになるのだ。クラークを操ってやれば、勝利したも同然だろ。
「はあっ!」
フランが跳躍し、がれきに足を取られたコルルに襲い掛かる。
「きゃああ!」
「りっ、リミテッドラルバ!」
ギキィン!フランとコルルの間に、突如として透明な盾が出現した。盾に爪をはじかれて、フランは後ろに押し戻された。
「ひぃー、ひぃー。ここここコルルさんっ、だいじぶですかっ」
「ミカエル!助かったわ!」
コルルの後ろで、小柄なミカエルがひぃひぃ言いながらロッドを突き出していた。あの盾を作り出したのは彼女らしい。シスターみたいな恰好をしているからな、あいつも魔法が使えるんだ。
「フレーミングバルサム!」
すると、魔法を使えるのは自分もだと言わんばかりに、ウィルが上空から魔法を放った。バチバチと派手な音を立てる火花がコルルたちに降り注ぐ。大した威力はないはずだが、突然の魔法は彼女たちを大いに驚かせたようだ。ミカエルはスカートが焦げてしまい、火を消そうとパニックになって、アドリアといっしょにもんどり返ってしまった。
「いいぞ、押してる……!」
俺は確かな優勢に、鼓動が高鳴るのを感じた。勇者だか何だか知らないが、このまま押し切ってやるぜ!俺がそう勢いづいた、その時だった。
カッ!
闇夜を一瞬、白い閃光が引き裂いた。目の錯覚?いや、そんなんじゃないぞ。
「……すまない、みんな。任せっぱなしになってしまった」
「クラーク!ちょっと、遅いわよ!」
フランにノックアウトされたかに思われた勇者クラークが、再び起き上がってコルルたちに並んだ。
「ごめんコルル、相手は生身の人間だし、あんまり飛ばしすぎるのもどうかと思ったんだ。けど、そんな遠慮はもういらないね……ここからは、全力だ」
バチバチッ!やっぱり見間違いじゃない、クラークの周りに電気のようなものが走っている。
クラークは剣をまっすぐ突き出した。白く輝く刀身をよく見ると、グリップのところに青いガラス玉のようなものがはめ込まれていた。
『あれは……まさか、自我魔法剣!』
「は?アニ、なんだって?」
『あの剣のことです!私と同じように、自我を持つ剣です。ですが字引と違って、より戦闘に特化しています……!』
そうか、あいつも勇者なんだったら、アニみたいなのを持っていてもおかしくない……ん?ってことは、まさかクラークも魔法が使えるのか?
「コネクトボルボクス!」
俺の予想は的中した。クラークが叫ぶと、剣もまばゆいばかりに光り輝く。そしてクラークの全身を、稲妻のようなオーラが駆け巡った。
「いくぞっ!」
え?クラークの姿が消えた!俺が目をしばたかせる間に、クラークは突如フランの前に現れ、剣を振りかざした。フランはとっさに応戦する。
「お返しだ!」
次の瞬間、フランはいきなり吹っ飛ばされた。クラークにキックをもらったらしい。いつの間に蹴りを放ったんだ?全然見えなかったぞ!
「疾い……先ほどの魔法、おそらく身体能力を強化する魔法でしょうな。並の人間には出来ぬ動きをしておりました」
エラゼムがうなる。歴戦の騎士であるエラゼムには、さっきのクラークの動きが見えていたらしい。
「次はお前だ!」
クラークがこっちを見た。やばい、あの速さで来られたら……!しかしクラークの剣は、俺に届くことはなかった。キィーン!
「……やるな。僕の剣を防ぐなんて」
「おぬしの剣もなかなか疾いが、なぁに。まだまだ若造には負けはせぬよ」
エラゼムが、大剣でクラークの輝く剣をギリギリと防ぎながら言った。
「……なら、これならどうだ!」
ギンギンギン!ものすごい火花が散る。クラークが何回も切りつけたんだろうけど、俺の目には真っ白な閃光が走っているようにしか見えない。あまりの電撃戦に、俺はソウルカノンを撃つタイミングを全然見つけられなかった。
「はああぁぁ!」
クラークの姿は残像のようにぼやけている。それに対して、エラゼムはほとんど剣を動かさずに、すべての攻撃をしのぎ切った。
「くっ……ば、馬鹿な。ぜ、ぜんぶ防がれただって……!」
「無駄な動きが多いな。剣先が鈍っておるぞ」
エラゼムが無造作に剣を横に振った。たったそれだけで、クラークの剣は大きくはじかれ、さらに後ろに数歩引き下がらせた。今の、俺にはクラークのほうから剣に当たりにいったようにも見えたぞ……
「くっ……こんなに腕が立つ仲間がいたなんて。この国の兵隊も苦戦するわけだ」
「吾輩の力など微々たるものだ。しかし剣技だけでなら、おぬしは吾輩に勝てはせぬぞ」
「あーら!あたしたちの実力は、剣だけではなくってよ!」
あっ!クラークたちがやりあっている隙に、コルルが呪文を!
「ヤトロファクルカス!」
激しく渦を巻く風の球が、エラゼムに向かって飛んでくる。エラゼムは冷静に、数歩下がっただけでそれをよけた。ズガガガ!風が地面をえぐり、俺たちとクラークとの間は再び開いた。
「クラーク!接近戦がだめなら、遠距離攻撃よ!あなたの雷にかなう敵なんかいないわ!」
「……そうだね、コルルの言う通りだ。わかった!」
クラークは再び剣をまっすぐ構える。再びやつの剣がまばゆい輝きを放ち始めた。また魔法か!
「レイライトニング!」
バチチチチッ!クラークの剣に電撃が集まり、槍のような形になった。クラークが突きを放つ。次の瞬間、槍はまっすぐ撃ち出され、エラゼムを直撃した。
「むっ……」「うわ!」
肉体のないエラゼムは何ともなかったが、金属の鎧を通じて俺のほうにまで電撃が伸びてきた。全身の毛が静電気のように逆立つのを感じる。
「まだまだ!レイライトニング!」
え?ほとんどインターバルを挟まずに、次の電撃が飛んできた!エラゼムは大剣を構えてガードしたが、かかとが少し地面にめり込んでいる。すごい威力だ。
「いやそれより、どうなってるんだ?あいつ、ほとんど呪文を唱えてないぞ!」
『主様、あれは自我魔法剣によるものと思われます。エゴソードは自らの意志を持ち、持ち主の代わりに呪文を詠唱することが可能なのです』
「な、なんだよそれ。じゃああいつ、魔法を使い放題ってことかよ!」
『いいえ、本来であればエゴソードの使う魔力と自らが使う魔力、合計二倍の魔力を消費するため、よほど魔力量に自信がなければ連発はできないはずなのですが……』
「……ってことは、あいつはよっぽど自信があるみたいだな。次が来るぞ!」
クラークが、今度は地面に剣を突き刺した。
「ライスライン!」
ジジジジッ!クラークの剣から、地を這うように電撃が何本も伸びてくる。おいこれ、避けようがないぞ!
ドゴーン!
つづく
※エピソードが一話飛んでしまっていました。申し訳ありません。
「やあぁ!」
「っ!?」
突然現れたフランに、クラークは一瞬面食らった。フランが鉤爪を突き出す!
ギィン!クラークはとっさに剣の腹でフランの爪を受け止めた。爪と剣がこすれて火花が散っている。相手は、フランの小柄な見た目からは想像できない怪力に戸惑っているようだ。その隙を、フランは見逃さなかった。思い切り足を振り上げる。
「ぐあっ!」
フランに蹴り飛ばされて、クラークは後ろにぶっ飛んだ。
「クラーク!よくもっ!」
コルルが杖を振りかざす。魔法を使う気だ!それに合わせて、ライラもよどみなく詠唱を開始した。
「ガスト・オブ・スカイラーク!」「ダンデライオン!」
両者の呪文はまたしても同時だった。コルルの周りに塵がうずまき、無数の鳥の姿を形作る。対してライラが指し示した地面からは土がボコボコと湧き上がり、そこから岩石でできたライオンが姿を現した。
「やあぁぁ!」「いっけーー!」
両魔術師が叫ぶと、魔法で生み出された使い魔たちが一斉に突撃した。コルルの風の鳥は戦闘機のように編隊を組み、猛スピードで突っ込んでくる。だが、対するは百獣の王だ。小鳥なんかに負けるもんかっ! 
ズガガガッ!獅子の体に、疾風の鳥が雨つぶてのように降り注いだ。ドガーン!
「きゃあああ!」
響いた悲鳴はコルルのものだ。コルルの魔法はライラの獅子を爆発させたが、威力はライラの方が上回っていたようだ。砕けた岩石の破片がコルルに降り注ぎ、猛烈な粉塵が舞った。
「よぉっし、いいぞライッ……」
ピュウン!うわぁ!弦の弾ける音と共に、煙の中から矢が飛び出してきた!キン!エラゼムが腕で俺を庇い、矢を弾き飛ばす。
「桜下殿、ライラ嬢。弓兵が狙っております。後ろにお下がりください」
俺とライラは、慌ててエラゼムの陰に隠れた。
「フラン嬢、守りはお任せください。そちらは頼みましたぞ!」
「わかった!」
フランが飛び出していく。いつかに話した、俺たちの基本戦術が出来上がりつつあった。俺はウィルに叫ぶ。
「ウィル!フランのサポートを頼めるか!」
「了解です!」
「それと、隙を見つけたらソウルカノンをあいつにぶっ放す!そん時は合わせてくれ!」
「ソウルカノンを……わかりました!」
俺のソウルカノンは、自分の魔力の塊を相手にぶつける技だ。それだけだと生きた人間には何の効果もないんだけど、冥の魔力が蓄積された状態にすることで、幽霊のウィルが憑依できるようになるのだ。クラークを操ってやれば、勝利したも同然だろ。
「はあっ!」
フランが跳躍し、がれきに足を取られたコルルに襲い掛かる。
「きゃああ!」
「りっ、リミテッドラルバ!」
ギキィン!フランとコルルの間に、突如として透明な盾が出現した。盾に爪をはじかれて、フランは後ろに押し戻された。
「ひぃー、ひぃー。ここここコルルさんっ、だいじぶですかっ」
「ミカエル!助かったわ!」
コルルの後ろで、小柄なミカエルがひぃひぃ言いながらロッドを突き出していた。あの盾を作り出したのは彼女らしい。シスターみたいな恰好をしているからな、あいつも魔法が使えるんだ。
「フレーミングバルサム!」
すると、魔法を使えるのは自分もだと言わんばかりに、ウィルが上空から魔法を放った。バチバチと派手な音を立てる火花がコルルたちに降り注ぐ。大した威力はないはずだが、突然の魔法は彼女たちを大いに驚かせたようだ。ミカエルはスカートが焦げてしまい、火を消そうとパニックになって、アドリアといっしょにもんどり返ってしまった。
「いいぞ、押してる……!」
俺は確かな優勢に、鼓動が高鳴るのを感じた。勇者だか何だか知らないが、このまま押し切ってやるぜ!俺がそう勢いづいた、その時だった。
カッ!
闇夜を一瞬、白い閃光が引き裂いた。目の錯覚?いや、そんなんじゃないぞ。
「……すまない、みんな。任せっぱなしになってしまった」
「クラーク!ちょっと、遅いわよ!」
フランにノックアウトされたかに思われた勇者クラークが、再び起き上がってコルルたちに並んだ。
「ごめんコルル、相手は生身の人間だし、あんまり飛ばしすぎるのもどうかと思ったんだ。けど、そんな遠慮はもういらないね……ここからは、全力だ」
バチバチッ!やっぱり見間違いじゃない、クラークの周りに電気のようなものが走っている。
クラークは剣をまっすぐ突き出した。白く輝く刀身をよく見ると、グリップのところに青いガラス玉のようなものがはめ込まれていた。
『あれは……まさか、自我魔法剣!』
「は?アニ、なんだって?」
『あの剣のことです!私と同じように、自我を持つ剣です。ですが字引と違って、より戦闘に特化しています……!』
そうか、あいつも勇者なんだったら、アニみたいなのを持っていてもおかしくない……ん?ってことは、まさかクラークも魔法が使えるのか?
「コネクトボルボクス!」
俺の予想は的中した。クラークが叫ぶと、剣もまばゆいばかりに光り輝く。そしてクラークの全身を、稲妻のようなオーラが駆け巡った。
「いくぞっ!」
え?クラークの姿が消えた!俺が目をしばたかせる間に、クラークは突如フランの前に現れ、剣を振りかざした。フランはとっさに応戦する。
「お返しだ!」
次の瞬間、フランはいきなり吹っ飛ばされた。クラークにキックをもらったらしい。いつの間に蹴りを放ったんだ?全然見えなかったぞ!
「疾い……先ほどの魔法、おそらく身体能力を強化する魔法でしょうな。並の人間には出来ぬ動きをしておりました」
エラゼムがうなる。歴戦の騎士であるエラゼムには、さっきのクラークの動きが見えていたらしい。
「次はお前だ!」
クラークがこっちを見た。やばい、あの速さで来られたら……!しかしクラークの剣は、俺に届くことはなかった。キィーン!
「……やるな。僕の剣を防ぐなんて」
「おぬしの剣もなかなか疾いが、なぁに。まだまだ若造には負けはせぬよ」
エラゼムが、大剣でクラークの輝く剣をギリギリと防ぎながら言った。
「……なら、これならどうだ!」
ギンギンギン!ものすごい火花が散る。クラークが何回も切りつけたんだろうけど、俺の目には真っ白な閃光が走っているようにしか見えない。あまりの電撃戦に、俺はソウルカノンを撃つタイミングを全然見つけられなかった。
「はああぁぁ!」
クラークの姿は残像のようにぼやけている。それに対して、エラゼムはほとんど剣を動かさずに、すべての攻撃をしのぎ切った。
「くっ……ば、馬鹿な。ぜ、ぜんぶ防がれただって……!」
「無駄な動きが多いな。剣先が鈍っておるぞ」
エラゼムが無造作に剣を横に振った。たったそれだけで、クラークの剣は大きくはじかれ、さらに後ろに数歩引き下がらせた。今の、俺にはクラークのほうから剣に当たりにいったようにも見えたぞ……
「くっ……こんなに腕が立つ仲間がいたなんて。この国の兵隊も苦戦するわけだ」
「吾輩の力など微々たるものだ。しかし剣技だけでなら、おぬしは吾輩に勝てはせぬぞ」
「あーら!あたしたちの実力は、剣だけではなくってよ!」
あっ!クラークたちがやりあっている隙に、コルルが呪文を!
「ヤトロファクルカス!」
激しく渦を巻く風の球が、エラゼムに向かって飛んでくる。エラゼムは冷静に、数歩下がっただけでそれをよけた。ズガガガ!風が地面をえぐり、俺たちとクラークとの間は再び開いた。
「クラーク!接近戦がだめなら、遠距離攻撃よ!あなたの雷にかなう敵なんかいないわ!」
「……そうだね、コルルの言う通りだ。わかった!」
クラークは再び剣をまっすぐ構える。再びやつの剣がまばゆい輝きを放ち始めた。また魔法か!
「レイライトニング!」
バチチチチッ!クラークの剣に電撃が集まり、槍のような形になった。クラークが突きを放つ。次の瞬間、槍はまっすぐ撃ち出され、エラゼムを直撃した。
「むっ……」「うわ!」
肉体のないエラゼムは何ともなかったが、金属の鎧を通じて俺のほうにまで電撃が伸びてきた。全身の毛が静電気のように逆立つのを感じる。
「まだまだ!レイライトニング!」
え?ほとんどインターバルを挟まずに、次の電撃が飛んできた!エラゼムは大剣を構えてガードしたが、かかとが少し地面にめり込んでいる。すごい威力だ。
「いやそれより、どうなってるんだ?あいつ、ほとんど呪文を唱えてないぞ!」
『主様、あれは自我魔法剣によるものと思われます。エゴソードは自らの意志を持ち、持ち主の代わりに呪文を詠唱することが可能なのです』
「な、なんだよそれ。じゃああいつ、魔法を使い放題ってことかよ!」
『いいえ、本来であればエゴソードの使う魔力と自らが使う魔力、合計二倍の魔力を消費するため、よほど魔力量に自信がなければ連発はできないはずなのですが……』
「……ってことは、あいつはよっぽど自信があるみたいだな。次が来るぞ!」
クラークが、今度は地面に剣を突き刺した。
「ライスライン!」
ジジジジッ!クラークの剣から、地を這うように電撃が何本も伸びてくる。おいこれ、避けようがないぞ!
ドゴーン!
つづく
※エピソードが一話飛んでしまっていました。申し訳ありません。
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