現実世界にダンジョン現る! ~アラサーフリーターは元聖女のスケルトンと一緒に成り上がります!~
境界の回廊
一度目はローズのパーティーメンバー救出に、二度目はトレイン騒ぎからの送還。
今日で三度目となる、【境界の回廊】へ踏み込む。
三度目の正直とは言わないが、今回は攻略を目的としたアタックだ。
遺跡群のような場所から、神殿内部に入り、
そして、地下祭壇のような階層を経て、トレイン騒ぎあった場所までやってきた。
やはり、ニコライさんが言っていた通り、
ここまでの階層は、ほとんど魔物が出ないと言う話は本当のようだ。
現に、俺達は魔物に会うこともなく、ここまでやって来ることができた。
途中、一組のパーティーを見ただけで、以前のような賑わいがなかったのは、先日のトレイン騒ぎが影響しているからだろうか。
「クリスティーナ、そろそろ出てきてもいいよ」
リュックを地面に降ろしながら、クリスティーナに話しかける。
「はいっ」
と、返事が聞こえたかと思うと、中からクリスティーナが、もそもそと出てきた。
「ご主人様、今日はあまり、冒険者の方を見かけませんね」
「ああ、そうだな。先日のトレインを警戒しているのかな」
しかし、これは好都合である。
周りを気にすることなく、攻略に専念できるというものだ。
ニコライさんの話では、ダンジョン探索でも暗黙のルールやマナーがあるらしく。
その辺に疎い俺としては、気兼ねなく探索できるのは有難い。
「ここからは、魔物が出るらしいから。十分気をつけてくれ」
「わかりましたっ」
渡した手斧を両手に持ち、少し腰のひけた感じで、周囲をキョロキョロと警戒するクリスティーナ。
そうは言ったが、クリスティーナ自身は魔物にカテゴリーされているのか。
魔物が自発的に、クリスティーナを襲ったりしないようだ。
だから、お前は大丈夫だ、などと言うつもりはない。
もう既に、クリスティーナは、大事なパーティーメンバーだからな。
ちょっとした言動が、相手を傷つけてしまうなんてことも多いに有り得る。
剥きだしの岩肌に、所々見かける白い石材で造れた人工物。
そのどれもが、柱だったり、崩れた祭壇ような何かだったりと。
もしかすると、かつては此処も、入り口付近で見た遺跡群のような場所だったのかもしれない。
ダンジョンに歴史背景などがあるとすれば、これを調べてみるのも面白いかもしれないな。
しばらく、進んだところで、獣のような荒い息づかいが聞こえてきた。
手で、後ろにいるクリスティーナに合図をだす。
その意図を理解したのか、動きを止めて前方を警戒する。
暗がりから、ノソノソと出てきた魔物は、豚を二足歩行させたらこうなるだろう姿。
胸元から、背中にかけて体毛が覆い。
ぶぅぶぅと荒い息づかい、口からは下から上に生えた牙が。
そして何より、10数メートルは離れているのにも関わらず、ここまで臭ってくる生臭さが強烈だ。
手早く、ステータスを表示させて確認。
種族:オーク
性別:男
レベル:16
HP:15
MP:0
STR:22
VIT:31
INT:0
DEX:7
AGI:11
どうやら、今回の相手はオークさんのようだ。
このレベル差を考えれば、雑魚と呼べる相手ではなかろうか。
ステータス表示のおかげで、心に余裕が生まれる。
ここは一つ、オークさんの経験値を美味しく頂いてしまおう。
「クリスティーナ、こいつは俺一人でも大丈夫そうだ」
「わかりましたっ」
今だ俺達に気が付いていないオークを仕留めるべく、バットを握り締めて、慎重に距離を詰めていく。
慎重に進んだつもりだったのだが、足元の小石を蹴り飛ばしてしまった。
飛んだ小石が、別の石にぶつかって音を立てる。
カコンッ。
その音に気づいたオークは、俺達を見つけ。
突然、咆哮をあげる。
「ブオオオオオオオッオオオオオオオオッ」
重低音が効いた鳴声が、洞窟内に響き渡った。
それを、聞きつけてか。
洞窟の奥から、幾つもの影がゾロゾロと。
そのどれもが、オークさんだ。
数は、ざっと見ただけでも、30体以上はいるのではないだろうか。
おう、マジか。
これは、ちょっとヤバイかもしれない。
今日で三度目となる、【境界の回廊】へ踏み込む。
三度目の正直とは言わないが、今回は攻略を目的としたアタックだ。
遺跡群のような場所から、神殿内部に入り、
そして、地下祭壇のような階層を経て、トレイン騒ぎあった場所までやってきた。
やはり、ニコライさんが言っていた通り、
ここまでの階層は、ほとんど魔物が出ないと言う話は本当のようだ。
現に、俺達は魔物に会うこともなく、ここまでやって来ることができた。
途中、一組のパーティーを見ただけで、以前のような賑わいがなかったのは、先日のトレイン騒ぎが影響しているからだろうか。
「クリスティーナ、そろそろ出てきてもいいよ」
リュックを地面に降ろしながら、クリスティーナに話しかける。
「はいっ」
と、返事が聞こえたかと思うと、中からクリスティーナが、もそもそと出てきた。
「ご主人様、今日はあまり、冒険者の方を見かけませんね」
「ああ、そうだな。先日のトレインを警戒しているのかな」
しかし、これは好都合である。
周りを気にすることなく、攻略に専念できるというものだ。
ニコライさんの話では、ダンジョン探索でも暗黙のルールやマナーがあるらしく。
その辺に疎い俺としては、気兼ねなく探索できるのは有難い。
「ここからは、魔物が出るらしいから。十分気をつけてくれ」
「わかりましたっ」
渡した手斧を両手に持ち、少し腰のひけた感じで、周囲をキョロキョロと警戒するクリスティーナ。
そうは言ったが、クリスティーナ自身は魔物にカテゴリーされているのか。
魔物が自発的に、クリスティーナを襲ったりしないようだ。
だから、お前は大丈夫だ、などと言うつもりはない。
もう既に、クリスティーナは、大事なパーティーメンバーだからな。
ちょっとした言動が、相手を傷つけてしまうなんてことも多いに有り得る。
剥きだしの岩肌に、所々見かける白い石材で造れた人工物。
そのどれもが、柱だったり、崩れた祭壇ような何かだったりと。
もしかすると、かつては此処も、入り口付近で見た遺跡群のような場所だったのかもしれない。
ダンジョンに歴史背景などがあるとすれば、これを調べてみるのも面白いかもしれないな。
しばらく、進んだところで、獣のような荒い息づかいが聞こえてきた。
手で、後ろにいるクリスティーナに合図をだす。
その意図を理解したのか、動きを止めて前方を警戒する。
暗がりから、ノソノソと出てきた魔物は、豚を二足歩行させたらこうなるだろう姿。
胸元から、背中にかけて体毛が覆い。
ぶぅぶぅと荒い息づかい、口からは下から上に生えた牙が。
そして何より、10数メートルは離れているのにも関わらず、ここまで臭ってくる生臭さが強烈だ。
手早く、ステータスを表示させて確認。
種族:オーク
性別:男
レベル:16
HP:15
MP:0
STR:22
VIT:31
INT:0
DEX:7
AGI:11
どうやら、今回の相手はオークさんのようだ。
このレベル差を考えれば、雑魚と呼べる相手ではなかろうか。
ステータス表示のおかげで、心に余裕が生まれる。
ここは一つ、オークさんの経験値を美味しく頂いてしまおう。
「クリスティーナ、こいつは俺一人でも大丈夫そうだ」
「わかりましたっ」
今だ俺達に気が付いていないオークを仕留めるべく、バットを握り締めて、慎重に距離を詰めていく。
慎重に進んだつもりだったのだが、足元の小石を蹴り飛ばしてしまった。
飛んだ小石が、別の石にぶつかって音を立てる。
カコンッ。
その音に気づいたオークは、俺達を見つけ。
突然、咆哮をあげる。
「ブオオオオオオオッオオオオオオオオッ」
重低音が効いた鳴声が、洞窟内に響き渡った。
それを、聞きつけてか。
洞窟の奥から、幾つもの影がゾロゾロと。
そのどれもが、オークさんだ。
数は、ざっと見ただけでも、30体以上はいるのではないだろうか。
おう、マジか。
これは、ちょっとヤバイかもしれない。
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