現実世界にダンジョン現る! ~アラサーフリーターは元聖女のスケルトンと一緒に成り上がります!~
迷宮都市
お礼をしたいと言う、ローズの提案でダンジョンから出ることになった。
というのも、冒険者ギルドは銀行業務も行なっているらしく、そこに寄るついでに無法者も引き渡してしまおうという考えのようだ。
無法者もとい、モブABCを持っていた登山用ロープで縛り。
来た道とは、違うルートで引き返す。
こちら側のルートは、行きのルートとは違い、街の近くに出口があるらしい。
道中、ローズの婚約者こと、金髪イケメンが教えてくれた。
ちなみに、名前はルシアだそうだ。
名前までイケメンしてて、やまだとしては悔しいばかりだ。
見本に書かれたヤマダ太郎の文字を見た、
やまださんの気持ちを少しは考えてほしい。
えっほら、えっほら、ダンジョンを突き進む。
無法者を捕縛している都合上、走ることができない。
そのせいか、行きよりも倍以上の時間がかかった。
しかし、休みなく進んだ我々一行の前に。
ようやく、出口がその姿をあらわした。
これを抜ければ、ついに異世界。
胸が、高鳴る。
その気分がそうさせるのか、進む足どりが軽い。
徐々に日の光が差し込んでくる。
「ここが、迷宮都市ローデンよっ」
ローズが一足先に飛び出して、迎えるかのようなしぐさで手を広げる。
目に飛び込んできたのは、屋台だった。
ダンジョンの出口に立ち並ぶ、屋台の数々。
それも、見たことない料理が並べられている。
その周りに賑わう、人々。
服装を見てみれば、鎧を纏った者から商人風の者まで。
異世界文化の風を、感じるものばかりだ。
そして、その中から。ついに、見つけてしまったケモミミ。
悲しいかな、それが男のケモミミだったこと。
しかし、男のケモミミがいれば、即ち逆もしかり。
この事実だけで、まだ戦っていける。
希望を胸に生きていく。
「あそこに見える街の中に、ギルドがあるわ。いきましょう」
ローズが指差す先、そこには建物が立ち並んでいた。
その建物は、石造りだったり、木造だったりと。
どれも統一性がなく、無計画に建てられた町並みが心をくすぐる。
「クリスティーナは、ここに来たことがあるのか?」
「いえ、名前は聞いていましたが。来るのは初めてです」
ちなみに問題にならないように例の如く、クリスティーナはリュックにインだ。
「どんな街か、楽しみだな」
「はいっ」
屋台が立ち並んでいた通りを抜けて、街中に入る。
昼時なのだろうか、店舗を構えた料理屋の呼び込みが騒がしい。
流れてくる匂いが、腹の虫を刺激する。
どこかでスライムさんの魔石が売れたら、ご飯にしよう。
「なにやら、騒がしいわね」
ローズがつぶやく。
いつもと違う雰囲気なのだろうか。
始めてきた街だから、こんなものかと思っていたのだけど。
「確かに、ギルドのほうから喧騒が聞こえてくるようだ」
それに、乗っかるルシア。
すると、通行人の話し声が。
「おいおい、聞いたか。冒険者ギルドが大変らしいぞ」「ああ、聞いた聞いた。反乱が起きたらしいな」「どうやら、首謀者が『黒鷹』のリーダーらしいぜ」「マジかよ、前からやばいやつとは思っていたけど」「マスターが留守の時を狙ったって話だ」「あーあ、今日の買取は無理か」
など、など。
なかなか、パンクな話が聞こえてきた。
「とにかく行ってみましょう」
ローズの呼びかけに、応じて話題の冒険者ギルドへ向かう。
着いてみれば、人だかりの山。
皆、野次馬に来ているらしい。
木造建築の二階建て、ギルドと呼ぶに相応しい大きさ。
その二階の窓から、スキンヘッドのマッチョが体をのりだして叫ぶ――
「冒険者ギルドは、俺達『黒鷹』が占拠したっ!」
噂通り、冒険者ギルドで反乱が起きた様子。
おう、やっぱこの街パンクだわ。
というのも、冒険者ギルドは銀行業務も行なっているらしく、そこに寄るついでに無法者も引き渡してしまおうという考えのようだ。
無法者もとい、モブABCを持っていた登山用ロープで縛り。
来た道とは、違うルートで引き返す。
こちら側のルートは、行きのルートとは違い、街の近くに出口があるらしい。
道中、ローズの婚約者こと、金髪イケメンが教えてくれた。
ちなみに、名前はルシアだそうだ。
名前までイケメンしてて、やまだとしては悔しいばかりだ。
見本に書かれたヤマダ太郎の文字を見た、
やまださんの気持ちを少しは考えてほしい。
えっほら、えっほら、ダンジョンを突き進む。
無法者を捕縛している都合上、走ることができない。
そのせいか、行きよりも倍以上の時間がかかった。
しかし、休みなく進んだ我々一行の前に。
ようやく、出口がその姿をあらわした。
これを抜ければ、ついに異世界。
胸が、高鳴る。
その気分がそうさせるのか、進む足どりが軽い。
徐々に日の光が差し込んでくる。
「ここが、迷宮都市ローデンよっ」
ローズが一足先に飛び出して、迎えるかのようなしぐさで手を広げる。
目に飛び込んできたのは、屋台だった。
ダンジョンの出口に立ち並ぶ、屋台の数々。
それも、見たことない料理が並べられている。
その周りに賑わう、人々。
服装を見てみれば、鎧を纏った者から商人風の者まで。
異世界文化の風を、感じるものばかりだ。
そして、その中から。ついに、見つけてしまったケモミミ。
悲しいかな、それが男のケモミミだったこと。
しかし、男のケモミミがいれば、即ち逆もしかり。
この事実だけで、まだ戦っていける。
希望を胸に生きていく。
「あそこに見える街の中に、ギルドがあるわ。いきましょう」
ローズが指差す先、そこには建物が立ち並んでいた。
その建物は、石造りだったり、木造だったりと。
どれも統一性がなく、無計画に建てられた町並みが心をくすぐる。
「クリスティーナは、ここに来たことがあるのか?」
「いえ、名前は聞いていましたが。来るのは初めてです」
ちなみに問題にならないように例の如く、クリスティーナはリュックにインだ。
「どんな街か、楽しみだな」
「はいっ」
屋台が立ち並んでいた通りを抜けて、街中に入る。
昼時なのだろうか、店舗を構えた料理屋の呼び込みが騒がしい。
流れてくる匂いが、腹の虫を刺激する。
どこかでスライムさんの魔石が売れたら、ご飯にしよう。
「なにやら、騒がしいわね」
ローズがつぶやく。
いつもと違う雰囲気なのだろうか。
始めてきた街だから、こんなものかと思っていたのだけど。
「確かに、ギルドのほうから喧騒が聞こえてくるようだ」
それに、乗っかるルシア。
すると、通行人の話し声が。
「おいおい、聞いたか。冒険者ギルドが大変らしいぞ」「ああ、聞いた聞いた。反乱が起きたらしいな」「どうやら、首謀者が『黒鷹』のリーダーらしいぜ」「マジかよ、前からやばいやつとは思っていたけど」「マスターが留守の時を狙ったって話だ」「あーあ、今日の買取は無理か」
など、など。
なかなか、パンクな話が聞こえてきた。
「とにかく行ってみましょう」
ローズの呼びかけに、応じて話題の冒険者ギルドへ向かう。
着いてみれば、人だかりの山。
皆、野次馬に来ているらしい。
木造建築の二階建て、ギルドと呼ぶに相応しい大きさ。
その二階の窓から、スキンヘッドのマッチョが体をのりだして叫ぶ――
「冒険者ギルドは、俺達『黒鷹』が占拠したっ!」
噂通り、冒険者ギルドで反乱が起きた様子。
おう、やっぱこの街パンクだわ。
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