雨音

不知火

帰り道3

帰り道、思い返してみても気が弱いなとしみじみ思う。少し強く言われたくらいで女の子と相合傘する機会を失った。しかも学年の中でも人気な女の子との。
でも相手が悪いから、と考える。彼はクラスの中心的存在で、男の僕からみても顔がいい。対して僕は地味グループの、顔はよく見ても中の下。なかなか悲惨な立ち位置だ。そんな奴が戦っても惨めなだけだと納得させる。


そんなことを考えているといつのまにか雨は止んでいた。あの土砂降りがこんな短時間で止むなんて。最近は不思議な天気の日が多い。彼は相合傘できたのだろうか。まあ、彼は雨以外でも家まで送ることくらい朝飯前なのかもしれない。

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