今日は、これから…
今日も、これから。
あの日私は初めてお笑いライブを観に行った。そこで運命の出会いがあるとは知らずに。
〜12月下旬〜
「まゆみー。今度さ、お笑いライブ観に行くんだけどいっしょに行かない?」
誘ってきたのは友人の皐月。どうやら最近お笑いライブを観に行くことにハマっているらしい。
「いや。いいかな。私はお笑いとか好きじゃないし、興味ないから他の人と行ったら?」そう私が断ると
「それがさー、一緒に行こうとしてた知り合いが体調不良で行けなくなっちゃってチケットが余ってるんだよー。お願い!一緒に来て。まゆみ様。」
皐月は手を合わせて祈願してくる。
「わかったよ。一緒なら行く」
私は皐月の押しの強さに負けてしまった。
「はあ。よかったー!」
皐月は子供がプレゼントを買ってもらったくらいの勢いで喜んでいる。
「じゃあ、1月8日10時に吉田劇場前で待ち合わせね。じゃあ、良いお年を」
「良いお年を。」
そうして私たちは1月8日を迎えた。
〜1月8日 お笑いライブ当日〜
今日は生憎の天気だ。
「まゆみー!開けました。おめでとう!なのに残念な天気だねー。まさか大雨になるなんて。」
「おめでとう。そうだね。帰りまでに止むといいけど」
「ねー。さっ、とりあえず中入ろう!」
「皐月は朝から元気だね。その元気分けてほしいくらい」
「今からもっともーっと元気になるよ!ずっと前からこの日を楽しみにしてたんだー。今日の芸人さんはね、珍しくバンドもやってる男性4人組グループなの。このチケットとるのめちゃくちゃ大変だったんだから。一刻も無駄にできないぞ。行くぞ。まゆみ。いざ出陣じゃ」
“お笑い芸人さんにもいろんな人がいるんだな。なんか楽しそう”
私は皐月に腕を引っ張られながら劇場へと足を踏み入れた。
ブー
開演のブザーが鳴る。芸人さんが勢いよく出てきた。
「はいどうもー!ブケショハットです。お願いしまーす」
始まった。
その時私は今までに感じたことのない感覚に襲われる。
体が痺れる。
目がこびりついたように彼から視線が離せなくなった。
心臓の音がうるさい。体温がどんどん上がっていくのを感じた。
目が離せない。彼の周りが輝いて見える。
こんなの初めてだ。
「なに、これ」
私は初めてのこの衝撃を忘れることが出来なかった。
〜皐月〜
「ごめん。皐月。俺、お前とは付き合えない。だからこれ返す」
返されたのは私が2人で行こうと誘ったお笑いライブのチケット。
「そっか。ごめんね、迷惑かけて。バイバイ」
そう言って私は彼から逃げた。
私の手にはお笑いチケットが握り締められたまま…
“チケット余っちゃったなぁ。どうしよう“
捨てるにはもったいない。せめて誰かと一緒に…
そうだ。まゆみと行こう。まゆみと私は古くからの友人だ。
12月下旬、私とまゆみは遊びに行く約束をしている。
まゆみと私は高校からの友人でもう10年の付き合いになる。
だから大体まゆみが考えている事はわかる。多分まゆみは断るだろう。
だが、私はどうしてもまゆみとお笑いライブに行きたかった。
チケットを見ていると振られた時を思い出してしまうのが嫌だった。
今度まゆみに会った時に渡そう。
12月下旬、皐月にチャンスが訪れた。
それがまさかあんな事になるとは。
この時の皐月は知る由もなかった。
〜12月下旬〜
「まゆみー。今度さ、お笑いライブ観に行くんだけどいっしょに行かない?」
誘ってきたのは友人の皐月。どうやら最近お笑いライブを観に行くことにハマっているらしい。
「いや。いいかな。私はお笑いとか好きじゃないし、興味ないから他の人と行ったら?」そう私が断ると
「それがさー、一緒に行こうとしてた知り合いが体調不良で行けなくなっちゃってチケットが余ってるんだよー。お願い!一緒に来て。まゆみ様。」
皐月は手を合わせて祈願してくる。
「わかったよ。一緒なら行く」
私は皐月の押しの強さに負けてしまった。
「はあ。よかったー!」
皐月は子供がプレゼントを買ってもらったくらいの勢いで喜んでいる。
「じゃあ、1月8日10時に吉田劇場前で待ち合わせね。じゃあ、良いお年を」
「良いお年を。」
そうして私たちは1月8日を迎えた。
〜1月8日 お笑いライブ当日〜
今日は生憎の天気だ。
「まゆみー!開けました。おめでとう!なのに残念な天気だねー。まさか大雨になるなんて。」
「おめでとう。そうだね。帰りまでに止むといいけど」
「ねー。さっ、とりあえず中入ろう!」
「皐月は朝から元気だね。その元気分けてほしいくらい」
「今からもっともーっと元気になるよ!ずっと前からこの日を楽しみにしてたんだー。今日の芸人さんはね、珍しくバンドもやってる男性4人組グループなの。このチケットとるのめちゃくちゃ大変だったんだから。一刻も無駄にできないぞ。行くぞ。まゆみ。いざ出陣じゃ」
“お笑い芸人さんにもいろんな人がいるんだな。なんか楽しそう”
私は皐月に腕を引っ張られながら劇場へと足を踏み入れた。
ブー
開演のブザーが鳴る。芸人さんが勢いよく出てきた。
「はいどうもー!ブケショハットです。お願いしまーす」
始まった。
その時私は今までに感じたことのない感覚に襲われる。
体が痺れる。
目がこびりついたように彼から視線が離せなくなった。
心臓の音がうるさい。体温がどんどん上がっていくのを感じた。
目が離せない。彼の周りが輝いて見える。
こんなの初めてだ。
「なに、これ」
私は初めてのこの衝撃を忘れることが出来なかった。
〜皐月〜
「ごめん。皐月。俺、お前とは付き合えない。だからこれ返す」
返されたのは私が2人で行こうと誘ったお笑いライブのチケット。
「そっか。ごめんね、迷惑かけて。バイバイ」
そう言って私は彼から逃げた。
私の手にはお笑いチケットが握り締められたまま…
“チケット余っちゃったなぁ。どうしよう“
捨てるにはもったいない。せめて誰かと一緒に…
そうだ。まゆみと行こう。まゆみと私は古くからの友人だ。
12月下旬、私とまゆみは遊びに行く約束をしている。
まゆみと私は高校からの友人でもう10年の付き合いになる。
だから大体まゆみが考えている事はわかる。多分まゆみは断るだろう。
だが、私はどうしてもまゆみとお笑いライブに行きたかった。
チケットを見ていると振られた時を思い出してしまうのが嫌だった。
今度まゆみに会った時に渡そう。
12月下旬、皐月にチャンスが訪れた。
それがまさかあんな事になるとは。
この時の皐月は知る由もなかった。
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