詩とは言いきれない短文の呟き

SSKK

二者択一を眩まして

「……悪戯小僧でも出た?」
「……」

彼女が、なぜか不機嫌で
ピリピリしているここ数日。

だから、少し気分転換しようと
今日しか出来ないお遊びを決めて

「はい。トリート」
トリック・オア・トリート
「悪さ」か「もてなし」か
彼女の好物渡してみる。

「………」
"どこがトリートなの"って
困惑感がひしひしと……

困らせたい訳じゃない
喜んで欲しいだけ。

「もうトリックはお仕舞いにしよう」

子供じゃないって?
まあそう言わずに

ちょっとだけ、俺に付き合ってよ。

「焼き芋、好きだったよね?」
「それこそ"悪さ"の方だから……」

「ーー!?」
彼女が苛々していた理由。

"ダイエット中"とはいざ知らず
大変失礼致しました……

(でも、もてなして貰えるなら悪さするのも有りなのか)

「……お芋に罪は無いものね」
「!」

それってもしかして
"トリック・アンド・トリート"?
残念ながら。

悪巧みごと美味しくいただかれましたとさ。




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