詩とは言いきれない短文の呟き

SSKK

金魚すくいは実践です

「その格好(浴衣)似合ってる」

「なに当然な事言ってるのよ」

どうしても照れが先だって
素直に"嬉しい"って言えない

幼馴染みはもう卒業
浴衣デートを縁日に
家族参加が恒例行事も
初めて二人でふたりっきりで

いつも、どんな顔してた?
普段の表情、誰か探して。

「あ、かき氷」
逃げ道求めて駆け込む露店で
"しゃくしゃくサクサク"
氷と一緒に沈黙潰して

「なんかすげー久しぶり」
「だよね(だって避けてたし)」
食べた後の舌の見せ合い
あの"べー"をしたく無かったから

……やっぱりやってる。

「もう! 変なの見せないでよ」
期待するだけ無駄なの知ってる
花より団子がお似合い、なのに

「あ、わたあめ」
「甘いのばっかり……」
呆れ口調で"持つよ"って
空いたと同時に掬われてく手

触れる温もり指先ほどいて、
あつい手のひら握り返した。

(暗くて良かった……)

冷えた筈の頬、熱持ち過ぎて
"今度はあれに隠れとこう"
赤くなった顔気付かれるの無理











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