詩とは言いきれない短文の呟き

SSKK

涸れない愛情

「私の事は放っておいて」

いつまでも子供扱いするなと

とうとう言われてしまった台詞

あんなに泣き虫だった君

いつしか大人になっていたんだ

言葉覚えて掴まり立ちして

走りだしたらしょっちゅう転んで

泣くのが仕事を心配するのが

ずっとこちらの役目だった

成長するのが楽しみで

喜びだった筈なのに

子供のままでいて欲しいなんて

願う日が来ると思わなかった

日付けの変わる刻限に

やきもきしながら帰りを待つと

ぶるりと震える画面にメールが

「終電に乗り遅れました、だと……!?」

アクセル全開ーー駅まで5分

この父ただ今馳せ参じる

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