スノーホワイトは年下御曹司と恋に落ちない
全力の知らないふり
「室長、具合悪そうですね?」
「何か嫌な事あったんですかぁ?」
やっとの思いで部署へ戻ると、蕪木と鈴本が今朝と同じテンションで真逆の事を聞いてきた。この2人も、後から出社してきていた夏田も、芹沢も、平子も、きっと朝礼の短時間の間に何が起こったのかは分からないだろう。陽芽子としては、ただ笑うしかない。
「何でもない。ミーティング始めるわよ」
うん、一旦忘れよう。
どうせお昼休み以外はコールセンター内に引きこもっているので、陽芽子が社内で啓五に会う可能性はほとんどない。そのうち遭遇することもあるかもしれないが、その時には啓五の方が陽芽子の事を忘れているはず。
なんせ啓五はあの『一ノ宮』の御曹司だ。歴代の一ノ宮の人間は揃いも揃って浮き名を流してきた美男美女ばかり。一族のどこを切り取っても見目麗しい容姿を生まれ持ち、地位も権力も栄光も欲しいまま。
遊び相手など掃いて捨てるほどいることは想像に容易い。なんなら陽芽子のことなど、すでに綺麗さっぱり忘れているかもしれない。むしろそうであって欲しい。出来れば遭遇しても視線すら合わないぐらいの状態が望ましい。面倒事には巻き込まれたくない。
そんな事を考えながら、朝礼での社長の挨拶の内容、新しい副社長の就任、社員食堂の価格改定、喫煙所の使い方の再確認、先週の要注意案件を全員に伝達して共有する。そしてミーティングとテストコールが終われば、すぐに電話回線を開ける時刻になる。仕事の時間が始まれば、陽芽子には他の事を考えている余裕なんてないのだから。
*****
案の定、昼休みの社員食堂は新しく就任した副社長の話題で持ちきりだった。一緒に昼休憩に入った夏田が
「室長。新しい副社長ってそんなにイケメンなんですか?」
と聞いてきたので
「イケメンじゃない一ノ宮の人間なんて存在しないわよ」
とだけ答えておく。
我ながら適当な返答だと思ったが、その説明でもちゃんと通じたらしい。一ノ宮の人間がこぞって見目麗しい人々ばかりであると知っている夏田は『ですよねぇ』と苦笑いを浮かべた。
食堂内できゃあきゃあと騒ぐ女性社員たちは、まだ新副社長の詳細な人物像を掴んでいないらしい。飛び交う噂話の大半は彼の外見からの想像か妄想ばかりだ。
しかしその中に、一つだけ陽芽子が気になる噂話があった。
ルーナ・グループにおける社長および副社長には、もれなく専属秘書が二人配属される。これは一般的な会社よりも経営陣の移り変わりが激しく、かつ膨大な仕事量をこなす必要があるためにサポート役が一人では不足だと判断されるためだ。その慣例にならい、新副社長に就任した啓五にも二人の秘書が配属された。
一人目は吉本 大貴。五十代前半のベテラン男性秘書で、落ち着いた雰囲気と寡黙な姿は、秘書より執事という表現が似合う。彼は前副社長の秘書を務めていた人物なので、そのまま引き継ぐ形となったのだろう。
そして二人目、鳴海 優香。彼女は二十代半ばの若い女性秘書だが、数多くの資格を有し秘書課の中でも有能だともてはやされている。確かに鳴海は秘書としての技量に加えて可愛らしい外見をしているので、経営陣の秘書としては愛嬌があって華があると言えるが。
昼休みを利用して銀行に行くと言う夏田と別れ、エレベーターを待ちながらぼんやりと考える。
(鳴海さんか……そういえば、辞令の確認してなかったな)
新年度に先駆け、先週の半ばには辞令が公示されていた。しかし定期異動にほぼ無関係の陽芽子は、その内容をしっかりと確認していなかった。だから食堂に居た女性社員たちの噂話で知った、鳴海の新副社長第二秘書への抜擢。
周りが含みのある噂をするのも無理はない。鳴海は少々いわくつきだ。
鳴海はこの二年、連続で社長秘書と企画部長秘書への打診を断っているという過去を持つ。理由は『自身の体調不良』と『身内の介護』らしいが、彼女が取得可能な休暇を利用したのはほんの数日だけ。あとはほぼ通常通りの勤務に戻っていたので、本当に仕事を断るほどの理由が存在していたのか? と周りに邪推されていた。
さらに鳴海には、後輩の秘書を徹底的にいじめて追い詰め、辞めさせたというまことしやかな噂がある。聞くところによると『来訪した系列他社の若い社長が、後輩秘書の丁寧な応対を褒めた』のが理由らしい。これについての真偽は定かではないが、鳴海が穏やかな人物ではない事は確かだった。
どうやら鳴海優香という人物は、一ノ宮家への嫁入りを狙っているらしい。陽芽子の目から見ても、その噂はあながち間違っていないと思う。何故なら以前、パウダールームで『私は玉の輿にしか興味がないの!』と力説している姿を見かけたことがある。
最短ルートで一ノ宮の玉の輿に乗るために、未婚の者のビジネスパートナーのみを希望して他の仕事は体よく断る。大胆すぎるやり方はいかがなものかと思うが、その時はさらりと聞き流していた。
けれどここにきて、新副社長である啓五の秘書への抜擢。今回は断らずにちゃんと辞令を受けたことが、噂の信憑性をぐっと高めている。
いずれにせよ、啓五は鳴海のお眼鏡に適ったのだ。
(よかったわね、副社長! まぁ、うん……頑張って)
陽芽子にはそれ以上言いようがない。
言いもしない。心の中だけだ。
ふう、と息を吐いて、やってきたエレベーターに乗り込む。コールセンターがあるのは社員食堂階の三つ上階なので、健康のためには歩いた方がいいと思う。けれどこの後も仕事で体力と神経を使うのだから、多少は楽をしたって許されるはずだ。
そんな事を考えながら目的階のボタンを押した瞬間、何故か閉じかけていた扉が再び広く開いた。
あれ? と思って顔を上げる。
どうやら閉まる直前に、誰かが外からボタンを押したらしい。他に乗り込む人がいるとは思っていなかったので、慌てて『開』ボタンを押す。
「!!」
開いた扉の向こうから乗り込んできた人物の姿を認めた瞬間、陽芽子は自分の心臓が停止したと錯覚した。
どうか会いませんように! と願っていた人物の突然の登場に顔を隠す間もなく、エレベーターからさり気なさを装って出ることも出来ず―――そもそもそんな発想を持つことも出来ず、しっかりと目を合わせてしまった。
同じ会社に所属していることを知られたくなかった相手。一ノ宮啓五の、黒い瞳と。
「えっ」
目が合った瞬間、目をまん丸にした啓五が驚きの声を発した。
最初は小さな声で。
そして数度瞬きをした後、今度は明確にその名前を口にされる。
「陽芽子!?」
驚愕の反応は当然だった。陽芽子は今朝の朝礼で啓五の存在を知っていたが、啓五は陽芽子がクラルス・ルーナ社の社員であることを今この瞬間まで知らなかったのだ。
あわよくば存在ごと忘れていて欲しいと思っていた陽芽子の願望は空しく、啓五の記憶には名前までしっかり残っていたようだ。
三白眼どころか四白眼なのではないかと思うほど、その瞳が大きく見開かれる。
「なんでここにいんの!?」
エレベーターに乗り込んできた時の啓五の表情は、初日で疲れているのか疲労感が浮かんでいた。けれど陽芽子に会ったことがよほど意外だったのか、啓五の態度はわかりやすく変化した。
「え……あの……」
まるで友人にでも会ったかのような声音の軽やかさに、陽芽子よりも隣にいた彼の秘書……鳴海が怪訝そうな顔をした。
(す、すごい睨まれてる……!!)
陽芽子は啓五の隣にいた女性秘書が、自分を敵視した瞬間を明確に感じ取った。あからさまな悪意の視線は一切隠されることがなく、痛いほどに陽芽子の身体に突き刺さる。
たったの三階の移動なので、エレベーターはすぐに目的階へ到着する。扉が開いたことを確認した瞬間、陽芽子は慌ててそこから抜け出した。何も言わないのは失礼だと思ったので、出る前に一応会釈は付け加えておく。
「失礼いたします」
「って、おい! 陽芽子!」
「副社長、扉閉まりますよ」
恐らく色んな感情が顔に出てしまっているだろうと思いながら、もう一度頭を下げた。箱の中からは陽芽子の名前を呼ぶ啓五の声が聞こえていたが、鳴海の言葉と閉じて行く扉に、その声は掻き消えた。
多分、鳴海の行動は秘書として間違っている。上司がまだ要件を終えていないのに、強制的に扉を閉めてしまう行動は非常識かつ誤った対応だろう。そこだけ切り取れば、彼女は全く優秀な秘書ではない。
でも陽芽子は助かった。
「……バレるの、早すぎでしょ」
陽芽子のことなど綺麗さっぱり忘れているかもしれないと思ったが、啓五は顔も名前も忘れていなかった。陽芽子としては遭遇しても視線すら合わないぐらいの状態を望んでいたが、出会い頭に目が合ったのだからもう逃れようがない。
とりあえず全力で知らないふりをした。鳴海が傍にいる以上、他にどういう反応をすればいいのかわからなかったから。
(でもこれ……どうすればいいんだろ)
思わず頭を抱えてしまう。
どうシミュレーションしても吉事に恵まれる展開が想像できない。
これから自分の身に起こるであろう面倒な状況を悟り、陽芽子は誰もいない廊下でがっくりと肩を落とした。
「何か嫌な事あったんですかぁ?」
やっとの思いで部署へ戻ると、蕪木と鈴本が今朝と同じテンションで真逆の事を聞いてきた。この2人も、後から出社してきていた夏田も、芹沢も、平子も、きっと朝礼の短時間の間に何が起こったのかは分からないだろう。陽芽子としては、ただ笑うしかない。
「何でもない。ミーティング始めるわよ」
うん、一旦忘れよう。
どうせお昼休み以外はコールセンター内に引きこもっているので、陽芽子が社内で啓五に会う可能性はほとんどない。そのうち遭遇することもあるかもしれないが、その時には啓五の方が陽芽子の事を忘れているはず。
なんせ啓五はあの『一ノ宮』の御曹司だ。歴代の一ノ宮の人間は揃いも揃って浮き名を流してきた美男美女ばかり。一族のどこを切り取っても見目麗しい容姿を生まれ持ち、地位も権力も栄光も欲しいまま。
遊び相手など掃いて捨てるほどいることは想像に容易い。なんなら陽芽子のことなど、すでに綺麗さっぱり忘れているかもしれない。むしろそうであって欲しい。出来れば遭遇しても視線すら合わないぐらいの状態が望ましい。面倒事には巻き込まれたくない。
そんな事を考えながら、朝礼での社長の挨拶の内容、新しい副社長の就任、社員食堂の価格改定、喫煙所の使い方の再確認、先週の要注意案件を全員に伝達して共有する。そしてミーティングとテストコールが終われば、すぐに電話回線を開ける時刻になる。仕事の時間が始まれば、陽芽子には他の事を考えている余裕なんてないのだから。
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案の定、昼休みの社員食堂は新しく就任した副社長の話題で持ちきりだった。一緒に昼休憩に入った夏田が
「室長。新しい副社長ってそんなにイケメンなんですか?」
と聞いてきたので
「イケメンじゃない一ノ宮の人間なんて存在しないわよ」
とだけ答えておく。
我ながら適当な返答だと思ったが、その説明でもちゃんと通じたらしい。一ノ宮の人間がこぞって見目麗しい人々ばかりであると知っている夏田は『ですよねぇ』と苦笑いを浮かべた。
食堂内できゃあきゃあと騒ぐ女性社員たちは、まだ新副社長の詳細な人物像を掴んでいないらしい。飛び交う噂話の大半は彼の外見からの想像か妄想ばかりだ。
しかしその中に、一つだけ陽芽子が気になる噂話があった。
ルーナ・グループにおける社長および副社長には、もれなく専属秘書が二人配属される。これは一般的な会社よりも経営陣の移り変わりが激しく、かつ膨大な仕事量をこなす必要があるためにサポート役が一人では不足だと判断されるためだ。その慣例にならい、新副社長に就任した啓五にも二人の秘書が配属された。
一人目は吉本 大貴。五十代前半のベテラン男性秘書で、落ち着いた雰囲気と寡黙な姿は、秘書より執事という表現が似合う。彼は前副社長の秘書を務めていた人物なので、そのまま引き継ぐ形となったのだろう。
そして二人目、鳴海 優香。彼女は二十代半ばの若い女性秘書だが、数多くの資格を有し秘書課の中でも有能だともてはやされている。確かに鳴海は秘書としての技量に加えて可愛らしい外見をしているので、経営陣の秘書としては愛嬌があって華があると言えるが。
昼休みを利用して銀行に行くと言う夏田と別れ、エレベーターを待ちながらぼんやりと考える。
(鳴海さんか……そういえば、辞令の確認してなかったな)
新年度に先駆け、先週の半ばには辞令が公示されていた。しかし定期異動にほぼ無関係の陽芽子は、その内容をしっかりと確認していなかった。だから食堂に居た女性社員たちの噂話で知った、鳴海の新副社長第二秘書への抜擢。
周りが含みのある噂をするのも無理はない。鳴海は少々いわくつきだ。
鳴海はこの二年、連続で社長秘書と企画部長秘書への打診を断っているという過去を持つ。理由は『自身の体調不良』と『身内の介護』らしいが、彼女が取得可能な休暇を利用したのはほんの数日だけ。あとはほぼ通常通りの勤務に戻っていたので、本当に仕事を断るほどの理由が存在していたのか? と周りに邪推されていた。
さらに鳴海には、後輩の秘書を徹底的にいじめて追い詰め、辞めさせたというまことしやかな噂がある。聞くところによると『来訪した系列他社の若い社長が、後輩秘書の丁寧な応対を褒めた』のが理由らしい。これについての真偽は定かではないが、鳴海が穏やかな人物ではない事は確かだった。
どうやら鳴海優香という人物は、一ノ宮家への嫁入りを狙っているらしい。陽芽子の目から見ても、その噂はあながち間違っていないと思う。何故なら以前、パウダールームで『私は玉の輿にしか興味がないの!』と力説している姿を見かけたことがある。
最短ルートで一ノ宮の玉の輿に乗るために、未婚の者のビジネスパートナーのみを希望して他の仕事は体よく断る。大胆すぎるやり方はいかがなものかと思うが、その時はさらりと聞き流していた。
けれどここにきて、新副社長である啓五の秘書への抜擢。今回は断らずにちゃんと辞令を受けたことが、噂の信憑性をぐっと高めている。
いずれにせよ、啓五は鳴海のお眼鏡に適ったのだ。
(よかったわね、副社長! まぁ、うん……頑張って)
陽芽子にはそれ以上言いようがない。
言いもしない。心の中だけだ。
ふう、と息を吐いて、やってきたエレベーターに乗り込む。コールセンターがあるのは社員食堂階の三つ上階なので、健康のためには歩いた方がいいと思う。けれどこの後も仕事で体力と神経を使うのだから、多少は楽をしたって許されるはずだ。
そんな事を考えながら目的階のボタンを押した瞬間、何故か閉じかけていた扉が再び広く開いた。
あれ? と思って顔を上げる。
どうやら閉まる直前に、誰かが外からボタンを押したらしい。他に乗り込む人がいるとは思っていなかったので、慌てて『開』ボタンを押す。
「!!」
開いた扉の向こうから乗り込んできた人物の姿を認めた瞬間、陽芽子は自分の心臓が停止したと錯覚した。
どうか会いませんように! と願っていた人物の突然の登場に顔を隠す間もなく、エレベーターからさり気なさを装って出ることも出来ず―――そもそもそんな発想を持つことも出来ず、しっかりと目を合わせてしまった。
同じ会社に所属していることを知られたくなかった相手。一ノ宮啓五の、黒い瞳と。
「えっ」
目が合った瞬間、目をまん丸にした啓五が驚きの声を発した。
最初は小さな声で。
そして数度瞬きをした後、今度は明確にその名前を口にされる。
「陽芽子!?」
驚愕の反応は当然だった。陽芽子は今朝の朝礼で啓五の存在を知っていたが、啓五は陽芽子がクラルス・ルーナ社の社員であることを今この瞬間まで知らなかったのだ。
あわよくば存在ごと忘れていて欲しいと思っていた陽芽子の願望は空しく、啓五の記憶には名前までしっかり残っていたようだ。
三白眼どころか四白眼なのではないかと思うほど、その瞳が大きく見開かれる。
「なんでここにいんの!?」
エレベーターに乗り込んできた時の啓五の表情は、初日で疲れているのか疲労感が浮かんでいた。けれど陽芽子に会ったことがよほど意外だったのか、啓五の態度はわかりやすく変化した。
「え……あの……」
まるで友人にでも会ったかのような声音の軽やかさに、陽芽子よりも隣にいた彼の秘書……鳴海が怪訝そうな顔をした。
(す、すごい睨まれてる……!!)
陽芽子は啓五の隣にいた女性秘書が、自分を敵視した瞬間を明確に感じ取った。あからさまな悪意の視線は一切隠されることがなく、痛いほどに陽芽子の身体に突き刺さる。
たったの三階の移動なので、エレベーターはすぐに目的階へ到着する。扉が開いたことを確認した瞬間、陽芽子は慌ててそこから抜け出した。何も言わないのは失礼だと思ったので、出る前に一応会釈は付け加えておく。
「失礼いたします」
「って、おい! 陽芽子!」
「副社長、扉閉まりますよ」
恐らく色んな感情が顔に出てしまっているだろうと思いながら、もう一度頭を下げた。箱の中からは陽芽子の名前を呼ぶ啓五の声が聞こえていたが、鳴海の言葉と閉じて行く扉に、その声は掻き消えた。
多分、鳴海の行動は秘書として間違っている。上司がまだ要件を終えていないのに、強制的に扉を閉めてしまう行動は非常識かつ誤った対応だろう。そこだけ切り取れば、彼女は全く優秀な秘書ではない。
でも陽芽子は助かった。
「……バレるの、早すぎでしょ」
陽芽子のことなど綺麗さっぱり忘れているかもしれないと思ったが、啓五は顔も名前も忘れていなかった。陽芽子としては遭遇しても視線すら合わないぐらいの状態を望んでいたが、出会い頭に目が合ったのだからもう逃れようがない。
とりあえず全力で知らないふりをした。鳴海が傍にいる以上、他にどういう反応をすればいいのかわからなかったから。
(でもこれ……どうすればいいんだろ)
思わず頭を抱えてしまう。
どうシミュレーションしても吉事に恵まれる展開が想像できない。
これから自分の身に起こるであろう面倒な状況を悟り、陽芽子は誰もいない廊下でがっくりと肩を落とした。
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