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凶悪勇者のパーティと王国から追放された結界の魔術師、追放条件クリアしたので魔王を滅ぼし世界を救ったが戻ってこいと凶悪勇者がうるさいのでボコして最凶最悪の魔王に転生して世界の変革を目指します

英雄譚

第4話 「魔術師のからだの様子が……?」



 冒険者たちが逃げだした。
 依頼人であろう親子をその場に残したままである。
 あの魔獣はA級を超えるほどの化物だ、報酬や他人の命を捨ててまで生き延びようとするその意思はたしかに判断としては間違っていない。

 正義感や平和の実現で冒険者ギルドに参加しているわけではないからな、その部分に関しては責めようとは思わない。

 けど、

「———子供が泣いているのに、そいつも置いていくのは違うだろうか」

 魔獣から逃げるには大人を背負ったりはできない。
 ならば小さな子供ぐらいは助けてみせようという思考がないのか?

 逃げる冒険者たちの進路方向を塞ぐ。

「お前らは少し眠れ」

 俺の存在に気づくより先に前方で張っていた細長い透明な結界に全員一斉に額をゴツンと衝突させてしまう。

 そのまま地面の上で気絶する。
 なんてあっけない四人組なのか。

 気絶したままでは他の魔獣に襲われかねないので周囲に防御結界を張ってやる。
 これは気遣いだ、イーブンとしよう。

 よし、あと残すは。

「かあさーん! おとーさん! いやああああああ!」

 少女の悲鳴の方に視線を移動させる。

 魔獣が引っ掻き爪で三人の親子にトドメを刺そうとしていた。
 それを見逃さず、隔てるような防御結界を出現させて親子を救う。

 前に立ち塞がり、告げた。

「もう安心だぞ……お嬢ちゃん」

 そして本領発揮のために杖を構えた。
 ここからは《解放条件達成》とやらで煩《うるさ》かったスキルを試すときだ。

「君と君の両親をこれ以上だれにも傷つけさせはしないよ」

 魔獣を見上げる。
 ミノタウロス、成人前の小型種だ。

 A級の冒険者が数十人がかりでやっと討伐できる強い魔獣。

「がるるるるるる」

 うなり声が獣そのものだ。
 けど武器持ちではないのなら、余裕だ。

 足元に結界を出現させ拘束する。
 一歩先に動けなくなったミノタウロスに、入手したスキルを発動させた。

《能力投影》相手の能力をコピーして習得できるスキル。
 成功率は低く、ほとんどはレアリティの低い能力しか投影できないが今回はどうか。
 敵に手をかざし魔力もろとも能力情報を吸引する。

 そして手にしたのは《身体強化》《威圧》《重量耐性》の三つ。

「おっ、かなり便利だね」

 ミノタウロスに近づき威圧してみる。
 効果通りミノタウロスは恐怖で固まってしまうが、効果は一瞬。
 プライド高いミノさんがそう簡単に人に服従しないよね。

 足元の結界が破られ攻撃される。
 間一髪で避けるが追撃だ。

 頭上に拳がふりかかる。
 よける暇もないので《重量耐性》を発動して受け止める。

 軽いとまでいかないが自分よりはるかにデカい魔獣の腕力に勝った。
 そのまま《身体強化》を右拳にのせてパンチを叩き込む。

 バキッ!

 という鈍い音とともにミノタウロスは吹き飛んでいった。
 その反動で俺の体も数歩後ろへと吹き飛ばされる。
 が、ミノタウロスは戦闘不能だ。

 ピクリとも動かなくなった。


 家族は唖然とこっちを凝視していた。
 姿が変わっていたのだ、別人に。

《能力投影》は体にも影響するのか!?

 若返っていた。
 髪の毛は灰色、目は黄色。

「女の子になった!」

 少女が憧れるような眼差しを向けてきた。
 それと女の子になった……?

 息子の感覚はあるんだけど、まさか美少年に!?
 かと思いきや、尖り帽子がずれた。

 魔術師としての証である尖り帽子はいつもサイズ調整をして買っていたけど、少しきつい。
 いったん帽子を取るとバサッと短かった髪の毛が垂れた。

 髪が肩を超える長さまでに伸びていた。

「えっ」

 声もが高くなってしまっている。

 これじゃまるで本当に、

 女の子………ではないかぁ!!


 叫びこえが森に木霊した。

「凶悪勇者のパーティと王国から追放された結界の魔術師、追放条件クリアしたので魔王を滅ぼし世界を救ったが戻ってこいと凶悪勇者がうるさいのでボコして最凶最悪の魔王に転生して世界の変革を目指します」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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