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凶悪勇者のパーティと王国から追放された結界の魔術師、追放条件クリアしたので魔王を滅ぼし世界を救ったが戻ってこいと凶悪勇者がうるさいのでボコして最凶最悪の魔王に転生して世界の変革を目指します

英雄譚

第3話 「結界の魔術師」



 平原で魔獣を狩っていた。
 素早く移動する四足徒歩の大きな狼だ。

 それも大群。
 百匹はいるのか、王都にむかって進軍している。

 放っておくのもいいかもしれない。
 だけど王都には関係のない善良な人間もいる。
 たとえば俺に旅路の費用をくれた兵士たち。
 彼らに危害が加わるのなら阻止した方がいい。

 空にむかって手をかざす。

「結界よ張れ」

 手のひらから放たれたのは青い光。
 平原を走る魔獣の四方を囲むほどの範囲へと拡大していく。

 魔獣らは現状を理解できず、停滞した。
 そこを見計らい結界内に電流を流し、内側の魔獣らに電撃が次々と降り注いでいく。

「俺ってば結界が得意んだよね」

 勇者との旅では毎回結界を任せられていた。
 囲まれた魔獣は防御力を失いランダムで弱体効果を受ける。
 そして仲間が結界に入れば強化効果が付与される。

 いままで出しゃばるなということで勇者たちは知らずのうちに強化効果を得ながら魔獣を倒していたのだが、もしもバフがなければ危うく惨状になりかけたことが何回も。

 俺がパーティを離れてどうなるかは彼ら次第だが、ちょっぴり心配だ。
 まっいっか。






 ―――――





 倒した魔獣は『貯蔵』のスキルで見えない空間に保管することが出来た。
 賞味期限なしの永久保存状態である。

 次の町に辿りつき冒険者ギルドに向かう。
 ちょうどオオカミの形をした魔獣たちの討伐依頼がでていたので、とりあえず数十匹を貯蔵から取り出して受付嬢に見せる。

「ええ!? 一匹A級の危険度をもつ魔獣ですよ!」
「そっだね」

 危険な魔獣とは何体も相手にしている。
 これぐらいなら安易に仕留められる、とは言いたいところだがコッチは生身の人間。
 魔力を失って囲まれたら勝てる気がしない。

 報酬を受け取る。
 200000ゴルド(日本円にすると20万円)だ。

「あの! この町に在駐してくれたらギルドからの報奨金を約束できますが!」

 優秀な人材を町に留めさせようとするのはいつものこと。

「悪いけど国外追放された身なんでね、ほかにも優秀な人材がいるからそこを当たってくれ」

 打ち首にされたくないのでね。
 すぐに町から立ち去り、国境を目指す。
 馬車に乗ろうと思ったけど近頃、魔獣の大量発生のせいで貿易関連以外は馬車は出ていなかった。

 馬車待合所に行っても人はいない。
 なら自分で馬を購入するのもいいが、結構な出費になるのでやめておいた。

 平原から森に入る。
 冒険者ギルドもあったことだし、案外冒険者と遭遇しちゃったり。


「きゃあああああ!!」

 悲鳴が聞こえた。
 しかも女性だ、男性の苦しそうな声も聞こえる。
 急いで走り、森の奥へと進む。

 そしてたどり着いた場所には、集団がいた。
 四人組の冒険者と、平民の恰好をした親子。

 二足の巨大な魔獣に襲われていた。
 かなり劣勢な状況だ。

「おとーさん!」

 少女が泣き叫ぶ。
 父親らしい男性が地面に倒れていた。
 冒険者たちは今にでも逃げだしそうだ。


 ―――こうなったら、助ける以外の選択肢はないだろう。

「凶悪勇者のパーティと王国から追放された結界の魔術師、追放条件クリアしたので魔王を滅ぼし世界を救ったが戻ってこいと凶悪勇者がうるさいのでボコして最凶最悪の魔王に転生して世界の変革を目指します」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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