【変態ゴレてん】変態少年が異世界に転生してゴーレムになったから魔改造を施したけれど変態は治りませんでした。追伸、ゴーレムでも変態でも女の子にモテたいです。
第27話【巨鬼の腕力】
俺とクレアはグラナダの村に向かって走るオーガの大きな背中を追って草原を走っていた。
『あのオーガ、巨漢の癖に足が速いぞ。ってか、歩幅が広いんだよ!!』
「いや、貴様が遅いんだ。私は先に行くぞ!」
そう言うとクレアは俺を置いてきぼりにして先に走って行った。
彼女はオーガが村に入る寸前で追い付く。
間に合った。
「ドライアードスネア!」
「フンガァ!!」
オーガは一瞬だけ半透明な茨の蔓で足を止めたがすぐさま走り出した。
足に絡み付いた茨を根っこごど力任せに引き抜いたのだ。
「普通、魔法の茨を力で引き抜くか……」
続いてオーガに追い付いたクレアは腰の鞘からレイピアを引き抜く。
そして、その切っ先をオーガの背中に突き立てた、
「りあっ!!」
だが、レイピアの刃はオーガの硬い肌に弾かれる。
まるで甲冑だ。
刃物で刺したのに刃先は微塵も突き刺さらない。
「硬い。なんたる肌だ……」
「フガァァアアア!!」
突如オーガが振り返った。
それと同時に裏拳を振るう。
クレアは巨拳を流れるようなバックスェーで躱した。
銀髪の頭上を裏拳が過ぎる。
そして、オーガの攻撃を躱した刹那、今度はクレアが素早く前に出た。
再びレイピアをオーガの腹に突き立てる。
「せいっ!」
レイピアの切っ先が肥満な腹に突き刺さった。
否。
突き刺さったのではない。
脂肪に刃先がめり込んだだけだ。
「マァッ!!」
「がっ!!!」
オーガが横振りの張り手でクレアを殴った。
まるで壁にでも衝突してしまったかのような衝撃がクレアを襲う。
その張り手でクレアの細い体が真横に吹き飛んだ。
そしてクレアが草むらを転がる。
5メートルは飛んでいただろう。
『クレアっ!!』
やっと追い付いた俺は、怒鳴りながらジャンプした。
オーガに向かって足から飛び込む。
『ドロップキックじゃぁあああ!!』
俺は3メートルを跳躍してオーガの顔面を下から両足で蹴り上げていた。
全身のバネを使って蹴り上げる。
「ふごっ……!」
顎を蹴り上げられたオーガが後ろによろめくと片膝を付く。
俺は一回転しながら着地するとクレアが飛ばされた草むらに駆け込んだ。
『クレア、どこだ!!』
「うぅぅ……」
震える声が聞こえた。
俺は弱々しい声の先を捜して草むらを掻き分けた。
すると横たわるクレアを見つける。
ぐったりと倒れる彼女は気絶しているようだった。
しかも張り手で殴られた衝撃で右足の義足も外れている。
「クレアっ!?」
俺がクレアに近付こうとした時である。
背後でオーガがこちらに向かって走ってくる音が聞こえた。
「不味いな……」
俺はクレアを残してその場を離れる。
村とは反対側に向かって走った。
するとオーガは俺を追ってくる。
どうやら気絶しているクレアや村から気を反らせたようだ。
何せ俺の移動速度ではクレアを抱えて逃げるのは不可能だ。
すぐに追い付かれる。
だからこれがベストな判断だと思えた。
自分が囮になる。
そして、村から離して戦う。
別に今は勝たなくても良いはずだ。
クレアを守り、村を守る。
それだけでいいのだ。
相手が逃げてくれればそれで良い。
『そろそろ追い付かれるな……』
俺は踵を返して立ち止まった。
『ここでオーガを迎え撃つ!』
「うがぁぁああ!!」
ファイティングポーズを築いた俺にオーガが殴り掛かってきた。
横振りの巨拳が俺の上半身に迫る。
『デカイ……』
その巨拳の大きさに俺はビビったが、身を屈めてパンチを躱す。
そして巨拳を潜りながら前に滑り出た。
そして、オーガの鳩尾にパンチを打ち込んだ。
完璧なタイミング。
完璧なフォーム。
完璧なヒットだった。
しかし、オーガは揺らがない。
「うへっ、まるで岩だな!!」
「ウゴォォオオオオ!!」
オーガの反撃。
咆哮と共にアッパーカットが俺の体に打ち込まれた。
『ガァッ!!』
巨拳に体が持ってかれる。
痛くはない。
ないが──。
体の何処かからバキッと音が聴こえた。
そして、凄まじい衝撃に俺の視界が激しく揺れる。
視界が正常に戻ると俺は空中を飛んでいた。
オーガのアッパーカットで宙を舞っているのだ。
体の自由が利かない。
空中に居るせいでコントロールが不能なのだ。
このままでは足からの着地は不可能。
背中から落ちる。
ドンっと鳴った。
また視界が揺れた。
背中から地面に叩きつけられたのだ。
だが俺は、でんぐり返しですぐさま起き上がった。
前を見るとオーガが走ってくる。
『不味いな……』
直後──。
オーガの体当たり。
肩からぶちかまされた俺の体が真っ直ぐ後ろに飛んで行く。
数メートルは飛ばされた。
俺の踵が地面を掠めると、今度は体が回転し始める。
何度か地面を転がった。
景色が激しくグルグルと回る。
そして、やっと止まる。
俺は腹這いだった。
何処を向いているか分からない。
敵は何処だ!?
オーガは何処だ!?
直後、何かが眼前に迫り来る。
足の甲!?
オーガの蹴りか!?
俺は両腕で顔面を守った。
そこにオーガのサッカーボールキックがヒットする。
腹這いだった俺の体が真っ直ぐに起き上がると、再び宙を舞った。
『あの糞野郎っ!!』
宙を舞う。
そして、落下。
俺はストンっと足から落ちると着地する。
『畜生、視界が……』
右の視界が割れていた。
テレビ画面に皹が走ったかのように見える。
眼球代わりの水晶が割れたのだろう。
それに右腕に皹が走っていた。
だが、動く。
俺は指先五本をカタカタと動かした。
動くなら戦える。
俺は左腕から刃を露出した。
貰ったばかりの暗器だ。
手首のブレード。
肩の鍵爪。
『切り刻んでやるぞ!!』
怒りを沈めろ。
冷静になれ。
確実に攻撃を躱して、確実に攻撃を当てるのだ。
それじゃあ行くぞ!
『Go!!』
今度は俺から前に出た。
その俺にオーガがカウンターを合わせてくる。
吊り鐘を突くような前蹴りだった。
俺は前蹴りの寸前で体をスピンさせると攻撃を回避する。
そして回避と同時にブレードでオーガの脹ら脛を切りつけた。
更にスピンをしながら前進。
二撃目のブレードでオーガの脇腹を切り着け、更にスピンすると背後に回り込む。
そして、背中を十字に二度切り付けた。
「ギィァァアアア!!!」
オーガが仰け反りながら悲鳴を上げた。
切れている。
オーガの脹ら脛、脇腹、背中の二太刀。
計四太刀だ。
深くはないが切れている。
ブレードの鋭さ。
俺のパワーと喧嘩術。
その総合でオーガに傷を付けている。
やはり物理攻撃力だけならクレアより俺のほうが上のようだ。
俺がゴーレムでクレアがゴーレムマスター。
この関係性は間違いないのだろう。
今後は俺が攻撃専門だな。
そして、今は俺が戦い、眼前のオーガを倒す。
『よし、一丁暴れますか!!』
「ウガァァアアアア!!!」
『あのオーガ、巨漢の癖に足が速いぞ。ってか、歩幅が広いんだよ!!』
「いや、貴様が遅いんだ。私は先に行くぞ!」
そう言うとクレアは俺を置いてきぼりにして先に走って行った。
彼女はオーガが村に入る寸前で追い付く。
間に合った。
「ドライアードスネア!」
「フンガァ!!」
オーガは一瞬だけ半透明な茨の蔓で足を止めたがすぐさま走り出した。
足に絡み付いた茨を根っこごど力任せに引き抜いたのだ。
「普通、魔法の茨を力で引き抜くか……」
続いてオーガに追い付いたクレアは腰の鞘からレイピアを引き抜く。
そして、その切っ先をオーガの背中に突き立てた、
「りあっ!!」
だが、レイピアの刃はオーガの硬い肌に弾かれる。
まるで甲冑だ。
刃物で刺したのに刃先は微塵も突き刺さらない。
「硬い。なんたる肌だ……」
「フガァァアアア!!」
突如オーガが振り返った。
それと同時に裏拳を振るう。
クレアは巨拳を流れるようなバックスェーで躱した。
銀髪の頭上を裏拳が過ぎる。
そして、オーガの攻撃を躱した刹那、今度はクレアが素早く前に出た。
再びレイピアをオーガの腹に突き立てる。
「せいっ!」
レイピアの切っ先が肥満な腹に突き刺さった。
否。
突き刺さったのではない。
脂肪に刃先がめり込んだだけだ。
「マァッ!!」
「がっ!!!」
オーガが横振りの張り手でクレアを殴った。
まるで壁にでも衝突してしまったかのような衝撃がクレアを襲う。
その張り手でクレアの細い体が真横に吹き飛んだ。
そしてクレアが草むらを転がる。
5メートルは飛んでいただろう。
『クレアっ!!』
やっと追い付いた俺は、怒鳴りながらジャンプした。
オーガに向かって足から飛び込む。
『ドロップキックじゃぁあああ!!』
俺は3メートルを跳躍してオーガの顔面を下から両足で蹴り上げていた。
全身のバネを使って蹴り上げる。
「ふごっ……!」
顎を蹴り上げられたオーガが後ろによろめくと片膝を付く。
俺は一回転しながら着地するとクレアが飛ばされた草むらに駆け込んだ。
『クレア、どこだ!!』
「うぅぅ……」
震える声が聞こえた。
俺は弱々しい声の先を捜して草むらを掻き分けた。
すると横たわるクレアを見つける。
ぐったりと倒れる彼女は気絶しているようだった。
しかも張り手で殴られた衝撃で右足の義足も外れている。
「クレアっ!?」
俺がクレアに近付こうとした時である。
背後でオーガがこちらに向かって走ってくる音が聞こえた。
「不味いな……」
俺はクレアを残してその場を離れる。
村とは反対側に向かって走った。
するとオーガは俺を追ってくる。
どうやら気絶しているクレアや村から気を反らせたようだ。
何せ俺の移動速度ではクレアを抱えて逃げるのは不可能だ。
すぐに追い付かれる。
だからこれがベストな判断だと思えた。
自分が囮になる。
そして、村から離して戦う。
別に今は勝たなくても良いはずだ。
クレアを守り、村を守る。
それだけでいいのだ。
相手が逃げてくれればそれで良い。
『そろそろ追い付かれるな……』
俺は踵を返して立ち止まった。
『ここでオーガを迎え撃つ!』
「うがぁぁああ!!」
ファイティングポーズを築いた俺にオーガが殴り掛かってきた。
横振りの巨拳が俺の上半身に迫る。
『デカイ……』
その巨拳の大きさに俺はビビったが、身を屈めてパンチを躱す。
そして巨拳を潜りながら前に滑り出た。
そして、オーガの鳩尾にパンチを打ち込んだ。
完璧なタイミング。
完璧なフォーム。
完璧なヒットだった。
しかし、オーガは揺らがない。
「うへっ、まるで岩だな!!」
「ウゴォォオオオオ!!」
オーガの反撃。
咆哮と共にアッパーカットが俺の体に打ち込まれた。
『ガァッ!!』
巨拳に体が持ってかれる。
痛くはない。
ないが──。
体の何処かからバキッと音が聴こえた。
そして、凄まじい衝撃に俺の視界が激しく揺れる。
視界が正常に戻ると俺は空中を飛んでいた。
オーガのアッパーカットで宙を舞っているのだ。
体の自由が利かない。
空中に居るせいでコントロールが不能なのだ。
このままでは足からの着地は不可能。
背中から落ちる。
ドンっと鳴った。
また視界が揺れた。
背中から地面に叩きつけられたのだ。
だが俺は、でんぐり返しですぐさま起き上がった。
前を見るとオーガが走ってくる。
『不味いな……』
直後──。
オーガの体当たり。
肩からぶちかまされた俺の体が真っ直ぐ後ろに飛んで行く。
数メートルは飛ばされた。
俺の踵が地面を掠めると、今度は体が回転し始める。
何度か地面を転がった。
景色が激しくグルグルと回る。
そして、やっと止まる。
俺は腹這いだった。
何処を向いているか分からない。
敵は何処だ!?
オーガは何処だ!?
直後、何かが眼前に迫り来る。
足の甲!?
オーガの蹴りか!?
俺は両腕で顔面を守った。
そこにオーガのサッカーボールキックがヒットする。
腹這いだった俺の体が真っ直ぐに起き上がると、再び宙を舞った。
『あの糞野郎っ!!』
宙を舞う。
そして、落下。
俺はストンっと足から落ちると着地する。
『畜生、視界が……』
右の視界が割れていた。
テレビ画面に皹が走ったかのように見える。
眼球代わりの水晶が割れたのだろう。
それに右腕に皹が走っていた。
だが、動く。
俺は指先五本をカタカタと動かした。
動くなら戦える。
俺は左腕から刃を露出した。
貰ったばかりの暗器だ。
手首のブレード。
肩の鍵爪。
『切り刻んでやるぞ!!』
怒りを沈めろ。
冷静になれ。
確実に攻撃を躱して、確実に攻撃を当てるのだ。
それじゃあ行くぞ!
『Go!!』
今度は俺から前に出た。
その俺にオーガがカウンターを合わせてくる。
吊り鐘を突くような前蹴りだった。
俺は前蹴りの寸前で体をスピンさせると攻撃を回避する。
そして回避と同時にブレードでオーガの脹ら脛を切りつけた。
更にスピンをしながら前進。
二撃目のブレードでオーガの脇腹を切り着け、更にスピンすると背後に回り込む。
そして、背中を十字に二度切り付けた。
「ギィァァアアア!!!」
オーガが仰け反りながら悲鳴を上げた。
切れている。
オーガの脹ら脛、脇腹、背中の二太刀。
計四太刀だ。
深くはないが切れている。
ブレードの鋭さ。
俺のパワーと喧嘩術。
その総合でオーガに傷を付けている。
やはり物理攻撃力だけならクレアより俺のほうが上のようだ。
俺がゴーレムでクレアがゴーレムマスター。
この関係性は間違いないのだろう。
今後は俺が攻撃専門だな。
そして、今は俺が戦い、眼前のオーガを倒す。
『よし、一丁暴れますか!!』
「ウガァァアアアア!!!」
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