付き合ってから結婚するまで

三日月の空

神社で

優人が陽菜との交際を大声で皆の前で宣言した日の帰り道、優人は陽菜がコンビニに寄るのを待っていた。

「あのさ。」
「うん?」
「ありがと。」

陽菜は真っ赤な顔してアイスを手渡した。

「優人のお陰で…堂々と付き合えるから。」
「珍しいな!陽菜が奢ってくれるなんて!」
「ばか!私だってたまには奢るわよ!」

陽菜は照れてはいたが、段々といつも通りの表情に戻ってきた。
 
「そうだ。神社行かない?」
「何そのベタ過ぎる提案。」
「うるさい!2人のお守り買うの!」



小さな神社へ来た2人は、とりあえずお参りしてお守り売り場へ向かった。

「なんか思ってたよりも小さいな。」
「ま、まぁお守りも売ってるし大丈夫よ…」

誰もいない寂れた神社で、お守りもセルフのようだ。

「これ、大切にしようね。」
「そうだな。」

静か過ぎて、2人共話しずらい雰囲気になってしまった。

「か、帰ろうか。」
「待って!」

陽菜は顔を真っ赤にして何か言いたそうだ。

「どうした?」
「わ、私達…恋人どうしじゃん?!だから…」

陽菜は目を閉じて優人に何かを求めた。

「あの…どういうこと?」
「もう!鈍感!」

後になってから振り返ると、あれはキスを求めていたのだと分かった。
しかし、この時はそんな事は思いつかず陽菜を怒らせてしまった。

to be continued…

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