付き合ってから結婚するまで

三日月の空

上靴

陽菜は最近、美波先輩との事もあってか優人と登校する事は無くなっていた。
せっかく付き合った初めての彼氏だったが、ヤキモチが抑えきれず自然消滅の方向へ向かっていると自覚している。

「陽菜!おはよう!」
「優人…」

とは言っても毎朝優人は話しかけてくれる。

「何?美波先輩と一緒にいればいいじゃん!」

優人に話しかけられて嬉しかったのにまた怒ってしまった。



結局そのまま学校に来てしまった。

「あっ!陽菜ちゃんおはよ〜!」
「奏〜!おはよ!」

いつも通り、下駄箱から上靴を取り履き替える。
しかし、履いた瞬間に足の裏に激痛が走った。
よく見ると上靴が血で赤く染まっていた。

「いたた…」
「陽菜ちゃん?!どうしたの?!」

奏が保健室まで連れて行ってくれた。

「ねぇ、上靴見せて?」
「いいけど…」
「何これ?!先生!上靴の中に画鋲入ってるんだけど!」

なんと、陽菜の上靴の中には何故か画鋲が入っていたのだ。
あの痛みもそれによるものだった。

「陽菜ちゃん、今日は病院行ったら?」
「そうする…」

病院での診察を受けて家に帰ると、陽菜は涙が溢れてしまった。

「なんで私なの…?誰も心当たりは無いのに…」
「まさか…美波先輩…?」

確かに、美波先輩は優人の事が好きなのだろう。
だからと言って、仲の良い私に…
ありえないが、これしかありえない。

to be continued…

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