ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下部下にトロトロに溺愛されてます。
中途採用の新人です⑽
その後も松田が私にちょっかいを出す事は無く、あっという間にお開きの時間になった。
明日も仕事のため二次会は行わない。
ゾロゾロと店を出て解散した。
「真紀! 送って行くよ」
「悪いよ、橅木の家真逆じゃん」
「いーの、夜風に当たりたいから」
私の返事の有無を聞かずにグイッとわたしの腰を抱き寄せ駅に向かって歩き出す。
「橅木さんっ!!!」
いつにもなく大きな声で松田が橅木を呼び止めた。
「おー、松田! お疲れさん、気をつけて帰れよ!」
「っつ……いや、俺水野さん家の近所なんで俺が責任持って橅木さんの代わりに送って行きますよ」
「あ、そうなの? 近所なら一緒に帰ろうぜ」
「橅木さん遠回りになるんですよね? 俺が送ります」
「ん~、じゃあ松田にお願いすっかな! 真紀、お疲れさん」
スッと私の腰から橅木は手を離し反対方向に歩いて行った。
松田を見るとなんだか疲れているのか少しげっそりした表情をしている。
「……松田君、なんだか顔色悪いけど大丈夫?」
「……水野さん、俺はかなり怒ってます」
「は?」
グイッと私の左手を掴み取りスタスタと駅に向かって歩き出す松田に必死に着いていく。
「ちょっと! 松田君、手を離してっ」
松田が急に立ち止まるのでドスッと顔から松田の背中にぶつかった。
「いっ、いきなり止まらないでよ」
松田は私の顔を見るなりキッと鋭い目つきで、明らかに松田は怒っている。
「な、何怒ってるの?」
「水野さん隙がありすぎる! あんなに橅木さんに触られて!」
「だから橅木はあれが平常運転だから」
「……ハァ、送っていきます」
深い溜息をついた松田は私の手を優しく繋ぎ直し歩き出す。
いつもなら振り払っていたが、少し酔っていたのだろう。
会社の人がいなくて良かった……
こんなとこ見られたら大変だ、そう思っているのに松田の手を私は握り返し二人並んで駅に向かった。
電車内は夜遅い事もあって空いていた。
それでも座らず、手を離さず、お互い無言で電車に揺られた。
「……じゃあ着いたから、また明日」
「ここまで来たんで家まで送りますよ」
「家!? いいわよ! 言っとくけど入れないわよ!」
「んな事分かってますよ、酔ってる水野さんを放っておく訳にはいかないですからね」
「よ、酔ってないわよ!」
「はいはい、家まで案内してくださいね」
あーだこーだと言い合いながら
結局松田に押し切られて家まで送ってもらってしまった。
「家着いたから……わざわざ送ってもらっちゃって、ありがとう」
「女性に一人で帰らせる方が男としてあり得ないですよ」
「本当に口が上手いわよね、じゃあまた明日……あのね、手を離して下さい」
「あ、すっかり忘れてました、後、もう一個忘れ物がありました」
「ん? ……んんっ!!」
やられた。
私はやはり隙だらけなのだろうか。
一瞬でまだ松田に唇を奪われた。
けれど私は自然と松田の唇を受け入れていた。
お互いにお酒が入っているからかこの前よりも唇も舌も息も全てが熱い。
松田の息をする声が間近でよく聞こえる。
その声がとてつもなく色っぽくてドクンと心臓が跳ねた。
どんどん熱くなる身体と比例して頭もクラクラしてきた。
明日も仕事のため二次会は行わない。
ゾロゾロと店を出て解散した。
「真紀! 送って行くよ」
「悪いよ、橅木の家真逆じゃん」
「いーの、夜風に当たりたいから」
私の返事の有無を聞かずにグイッとわたしの腰を抱き寄せ駅に向かって歩き出す。
「橅木さんっ!!!」
いつにもなく大きな声で松田が橅木を呼び止めた。
「おー、松田! お疲れさん、気をつけて帰れよ!」
「っつ……いや、俺水野さん家の近所なんで俺が責任持って橅木さんの代わりに送って行きますよ」
「あ、そうなの? 近所なら一緒に帰ろうぜ」
「橅木さん遠回りになるんですよね? 俺が送ります」
「ん~、じゃあ松田にお願いすっかな! 真紀、お疲れさん」
スッと私の腰から橅木は手を離し反対方向に歩いて行った。
松田を見るとなんだか疲れているのか少しげっそりした表情をしている。
「……松田君、なんだか顔色悪いけど大丈夫?」
「……水野さん、俺はかなり怒ってます」
「は?」
グイッと私の左手を掴み取りスタスタと駅に向かって歩き出す松田に必死に着いていく。
「ちょっと! 松田君、手を離してっ」
松田が急に立ち止まるのでドスッと顔から松田の背中にぶつかった。
「いっ、いきなり止まらないでよ」
松田は私の顔を見るなりキッと鋭い目つきで、明らかに松田は怒っている。
「な、何怒ってるの?」
「水野さん隙がありすぎる! あんなに橅木さんに触られて!」
「だから橅木はあれが平常運転だから」
「……ハァ、送っていきます」
深い溜息をついた松田は私の手を優しく繋ぎ直し歩き出す。
いつもなら振り払っていたが、少し酔っていたのだろう。
会社の人がいなくて良かった……
こんなとこ見られたら大変だ、そう思っているのに松田の手を私は握り返し二人並んで駅に向かった。
電車内は夜遅い事もあって空いていた。
それでも座らず、手を離さず、お互い無言で電車に揺られた。
「……じゃあ着いたから、また明日」
「ここまで来たんで家まで送りますよ」
「家!? いいわよ! 言っとくけど入れないわよ!」
「んな事分かってますよ、酔ってる水野さんを放っておく訳にはいかないですからね」
「よ、酔ってないわよ!」
「はいはい、家まで案内してくださいね」
あーだこーだと言い合いながら
結局松田に押し切られて家まで送ってもらってしまった。
「家着いたから……わざわざ送ってもらっちゃって、ありがとう」
「女性に一人で帰らせる方が男としてあり得ないですよ」
「本当に口が上手いわよね、じゃあまた明日……あのね、手を離して下さい」
「あ、すっかり忘れてました、後、もう一個忘れ物がありました」
「ん? ……んんっ!!」
やられた。
私はやはり隙だらけなのだろうか。
一瞬でまだ松田に唇を奪われた。
けれど私は自然と松田の唇を受け入れていた。
お互いにお酒が入っているからかこの前よりも唇も舌も息も全てが熱い。
松田の息をする声が間近でよく聞こえる。
その声がとてつもなく色っぽくてドクンと心臓が跳ねた。
どんどん熱くなる身体と比例して頭もクラクラしてきた。
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