オーストラリア!自由気ままにぐるっとバイク旅
第67話:未知との遭遇とのデジャブー
12月13日 曇りのち雨 427キロ
→portland→koroit(tower hill)→warrnamboo→peterborough→great ocean read(bay of island
→london bridge→the arch→port cambell→loch ard→twelve apostles)→lavers hill→apollo bay
→lorn(rain forest) YH
地図に目を落とすと、行く手にあるのは、「グレイト・オーシャン・ロード」。その意味・響きからして、行かない訳にいかないだろう。
そこへ向かう途中、地形的に面白い場所(僕的にはすごく興味深い穴場ともいうべき観光スポット)を偶然発見した。地名はタワー・ヒル。実際は観光地でもなければ、多分、ガイドブック・ひょっとしたら普通の地図にも載っていないかもしれない場ところだ。むろんそんなところだから人っ子ひとり出会わさなかった。もともと火山(現在は、死火山)だったらしく、巨大な火口の地形がまるで月のクーレーターのように外輪として残っている。その後の地殻変化で、クーレーターの内側には中央部に、またもうひとつ山ができあがり、結果、山すそでは降った雨の逃げ場がなくなり、ドーナツ状の湿地帯と化し、ところどころ湖も出来上がっていた。その湿地帯は環境的にクーレーターの外と隔離され、別世界を形成し、水に潤い、樹木が生い茂り、野鳥たちの楽園となっている。
いつものように運転に集中もせずノホホ~ンとバイクを走らせていて、思いもよらずその巨大クーデターの外輪の尾根に登り着いたもんだから、目前いや目下の織り成す別天地を見て、おったまげてしまった。エンジンを止め、その地形の成り立ち・歴史を想像してみた結果が先に述べたものだ。ここが活火山だったのは千年前か、一万年前か、それとももっともっと以前のことなのかは、それに比べて自分など生を受けて間もない存在(まだ存在に値しないかも)とっては到底理解の範囲を超えていた。この光景の起源と様変わりを、超高速早送りで頭に思い描き、実像と照らし合わせ楽しんでみた。人類がまだこの世に存在しないあの世だった頃、この地の歴史は始まり、現在に至る。その間、人はこの地に手を加えなかった。だから成すがままの天然自然が目の前にある。環境保護、それは人の傲慢さによる自然破壊から環境を守ることと考えるのは、ゆゆしき驕りにすぎないようだ。自然破壊は、今や伐採などに直接的行為ばかりでなく、もっと厄介な酸性雨・地球温暖によってもたらさせる。腹の弛んだ人間が集まり、あばら骨の見えた人間に向かって、環境破壊だから人類の為に森を切っちゃいけませんよと、偽善に満ちた戯言をぬかす。愚か者め。この責任は誰がとるのか。うんちくを並べ立て、何もしない自分が最も愚かしい。環境保護、それは守ることではなく、手をつけないことなんだ。ハエが寄ってきたので、手で払う。すると天より聞こえる声、「目障りなのは、ハエでなく、お前たち人間なんだよ」。このなんでもなさそうなフレーズこそが、ちっぽけな人間社会ではなく、地球社会でのグローバルスタンダードなのかもしれない。
幼少時代、スピルバークの『未知との遭遇』に感化され、砂場でよく同じような山を遊んだのを思い出す。その山をそのまま大きくスケールアップしたものが、目の前にある。タワー・ヒルというネーニングにも頷ける。自分が昔作った1/1スケールの山に今いると思うと理屈抜きに、なぜか僕も結局は地球の歴史の一部・自然の一部なのかななんて、気もしてきた。これまた今までに感じたこともなかった感覚だった。地に足がしっかりとついてきたような感覚。
で、話しは先に進み、グレイト・オーシャン・ロードに突入。それは全長200キロを越す海岸線で、それまでのひたすら真っ直な道とは打って変わって、うねるようにして走る。まるで日本の海岸線を思い起こさせるものだった。ただ決定的な違いは、ここの海岸線は断崖絶壁ひたすら続き、波に侵食されて落ち込んだ直角の岸壁は、一度落っこちると間違いなく死ねるだろうし、死体も挙がりそうにないくらいの荒々しさだ。あいにく雨のツーリングとなったが、気には全くならなかった。雨が降れば濡れる、それだけのことだ。長くバイクで旅をして、当たり前のように受け入れられるようになる。走っていると、荒れる海の中で、激しい波に打たれ、岩肌を雄々しくも削り取られた奇怪岩を随所に拝むことができ、退屈しない。ペーターボロー・ロンドンブリッジ・ロックアードゴージ・ツウェルブアポストルズなど、誰かが意図的にそこに配置したかのような絶妙な芸術的出来ばえであった。こんなよそ見を奨励するようなスポット満載のワインディングロードが延々と続くのだから、ライダー達をを魅せてやまないし、またライダー泣かせのところでもあった。とにかく、海のもくずにならんことを祈るだけだ。
→portland→koroit(tower hill)→warrnamboo→peterborough→great ocean read(bay of island
→london bridge→the arch→port cambell→loch ard→twelve apostles)→lavers hill→apollo bay
→lorn(rain forest) YH
地図に目を落とすと、行く手にあるのは、「グレイト・オーシャン・ロード」。その意味・響きからして、行かない訳にいかないだろう。
そこへ向かう途中、地形的に面白い場所(僕的にはすごく興味深い穴場ともいうべき観光スポット)を偶然発見した。地名はタワー・ヒル。実際は観光地でもなければ、多分、ガイドブック・ひょっとしたら普通の地図にも載っていないかもしれない場ところだ。むろんそんなところだから人っ子ひとり出会わさなかった。もともと火山(現在は、死火山)だったらしく、巨大な火口の地形がまるで月のクーレーターのように外輪として残っている。その後の地殻変化で、クーレーターの内側には中央部に、またもうひとつ山ができあがり、結果、山すそでは降った雨の逃げ場がなくなり、ドーナツ状の湿地帯と化し、ところどころ湖も出来上がっていた。その湿地帯は環境的にクーレーターの外と隔離され、別世界を形成し、水に潤い、樹木が生い茂り、野鳥たちの楽園となっている。
いつものように運転に集中もせずノホホ~ンとバイクを走らせていて、思いもよらずその巨大クーデターの外輪の尾根に登り着いたもんだから、目前いや目下の織り成す別天地を見て、おったまげてしまった。エンジンを止め、その地形の成り立ち・歴史を想像してみた結果が先に述べたものだ。ここが活火山だったのは千年前か、一万年前か、それとももっともっと以前のことなのかは、それに比べて自分など生を受けて間もない存在(まだ存在に値しないかも)とっては到底理解の範囲を超えていた。この光景の起源と様変わりを、超高速早送りで頭に思い描き、実像と照らし合わせ楽しんでみた。人類がまだこの世に存在しないあの世だった頃、この地の歴史は始まり、現在に至る。その間、人はこの地に手を加えなかった。だから成すがままの天然自然が目の前にある。環境保護、それは人の傲慢さによる自然破壊から環境を守ることと考えるのは、ゆゆしき驕りにすぎないようだ。自然破壊は、今や伐採などに直接的行為ばかりでなく、もっと厄介な酸性雨・地球温暖によってもたらさせる。腹の弛んだ人間が集まり、あばら骨の見えた人間に向かって、環境破壊だから人類の為に森を切っちゃいけませんよと、偽善に満ちた戯言をぬかす。愚か者め。この責任は誰がとるのか。うんちくを並べ立て、何もしない自分が最も愚かしい。環境保護、それは守ることではなく、手をつけないことなんだ。ハエが寄ってきたので、手で払う。すると天より聞こえる声、「目障りなのは、ハエでなく、お前たち人間なんだよ」。このなんでもなさそうなフレーズこそが、ちっぽけな人間社会ではなく、地球社会でのグローバルスタンダードなのかもしれない。
幼少時代、スピルバークの『未知との遭遇』に感化され、砂場でよく同じような山を遊んだのを思い出す。その山をそのまま大きくスケールアップしたものが、目の前にある。タワー・ヒルというネーニングにも頷ける。自分が昔作った1/1スケールの山に今いると思うと理屈抜きに、なぜか僕も結局は地球の歴史の一部・自然の一部なのかななんて、気もしてきた。これまた今までに感じたこともなかった感覚だった。地に足がしっかりとついてきたような感覚。
で、話しは先に進み、グレイト・オーシャン・ロードに突入。それは全長200キロを越す海岸線で、それまでのひたすら真っ直な道とは打って変わって、うねるようにして走る。まるで日本の海岸線を思い起こさせるものだった。ただ決定的な違いは、ここの海岸線は断崖絶壁ひたすら続き、波に侵食されて落ち込んだ直角の岸壁は、一度落っこちると間違いなく死ねるだろうし、死体も挙がりそうにないくらいの荒々しさだ。あいにく雨のツーリングとなったが、気には全くならなかった。雨が降れば濡れる、それだけのことだ。長くバイクで旅をして、当たり前のように受け入れられるようになる。走っていると、荒れる海の中で、激しい波に打たれ、岩肌を雄々しくも削り取られた奇怪岩を随所に拝むことができ、退屈しない。ペーターボロー・ロンドンブリッジ・ロックアードゴージ・ツウェルブアポストルズなど、誰かが意図的にそこに配置したかのような絶妙な芸術的出来ばえであった。こんなよそ見を奨励するようなスポット満載のワインディングロードが延々と続くのだから、ライダー達をを魅せてやまないし、またライダー泣かせのところでもあった。とにかく、海のもくずにならんことを祈るだけだ。
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