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《完結》勇者パーティーから追放されたオレは、最低パーティーで成り上がる。いまさら戻って来いと言われても、もう遅い……と言いたい。

執筆用bot E-021番 

15-2.ダンジョンから出れない冒険者たち!

「おい、誰かいるのかよ」


 そう警戒気味な声で問いかけてきた男が、ぬらっと薄暗闇のなかから姿を現した。モンスターではないか、とすこしだけギョッとさせられた。


 意味もなくビックリさせられたわけではない。オレほど豪胆な男がビックリした理由は、出てきた男の体格のせいである。


 薄暗闇のなかから姿を現した男の図体は、ふつうの人間の倍ぐらいあった。背も高いし、横幅も大きい。スキンヘッドの頭に、いかつい岩みたいな顔をしていた。


「なんだぁ、私たちの他にも起きてるヤツいるんじゃないのぉ」


 もうひとつ声がした。
 女性の声だ。


 クマみたいな大男の後ろから、姿を現した。
 褐色肌で赤毛パーマの女性だった。


 しかも超薄着だ。肩当てや胸当てはしてるけれど、極力大事な部分しか守らないという意思を感じさせる。乳房もほとんど見えてるし、フトモモにさらけ出している。


 そしてさらにもう1人。


「すみませーん。迷子になってました」
 という背の小さな少年だ。


 黒い法衣みたいなものを、頭からスッポリかぶっていて、素顔は見えなかった。声の感じからして、たぶん男の子だ。大きなバッグを背負っている。


 クマ男。露出姉さん。黒服少年の3人である。


「あ、どうも」
 と、オレのほうも立ち上がって会釈しておいた。


「なんだ。ボウズ。そっちの仲間も眠らされちまったのか」


 大男は5人の人間をかついでいた。
 右肩に2人、左肩に2人、背中に1人背負っている。
 背負っている者たちは、みんな眠らされてしまっているようだ。人間をさらっているようにしか見えないのだが、たぶん、眠っている人たちを運んできてくれたのだろう。
 さすがに重たかったのか、乱暴にその場におろしていた。


「あなたがたは?」


「ああ。オレは《イノシシ鍋》パーティのリーダーをやってる。ガデムンってんだ。よろしく」 と、巨大な手を差し出してきた。


 握手したら潰されるんじゃないかしら。杞憂だった。意外とモチモチした手をしていた。


「私はぁ、《容姿端麗組》のタンポポン。よろしくねぇ」
 と、露出激しめのお姉さんが手を差し出してきたので、その手をやわらかく握りしめた。


「ボクは《勇者パーティ》の新入りの、クロコと申します。よろしくお願いします」
 と、少年が手を差し出してきた。


「あ、君が、勇者の言ってた少年か」


「はい」


 どうもオレより年下のようで、無下に扱いにくい。
 これで小憎たらしいヤツだったら、その手をはたき落としてやっていたのに。まぁ、仕方ない。握手しておいてやろうではないか。


「そっちはどこのパーティのもんだい?」
 と、ガデムンが尋ねてきた。


「オレたちは《炊き立て新米》パーティの者です。オレがナナシで、こっちがマグロです」


「ああ。聞いたことあるな。《炊き立て新米》と言えば、食い逃げや恐喝を日常的に行ってた悪質なパーティだろ。たしか《勇者パーティ》から追放されたお荷物くんが、そこに左遷させられたとか?」


「あ、いや……」


 いろいろと誤解があるようである。違げェよ、このハゲ――と言いたいところなのだが、なにせ大男だ。
 怒らせたら、叩き潰されてしまうかもしれない。


 どうも話を聞くに、ガデムンもタンポポンも、仲間たちが眠らされてしまったらしい。


 眠らされた仲間たちは、ガデムンが背負って連れてきたようだ。たしかに、ものの見事にみんな眠らされてしまっている。
 そこで迷子になっていたクロコと合流して、こちらに戻ってきた、とのことだった。


《イノシシ鍋》はBランク冒険者たちのパーティだ。そして《容姿端麗組》は、AランクとBランクが混在しているパーティである。


 3階層に来ているということは、それなりに腕の立つ冒険者たちなのだ。


「奇妙なことになっちまったな。みんな眠らされるなんてよ。さっさと地上に戻ろうと思うんだが」


「それが残念ながら」


 階段は箱がふさいでしまっているのだ――と、説明した。


「こんな箱、除けちまえば良いだろ」
 と、大男がタックルしていたのだが、やはり微動たりともしなかった。オレの強化術をかけても、不動である。


「ボウズの強化術、たいしたことねェなァ」
 と、まで言われた。


 誤解である。
 世界最強の強化術師になんてことを言うのか。すべてはこの箱のせいだ。ってか、そもそもこの箱はなんなんだ。


 しばらくすると勇者が戻ってきた。


 途方に暮れた冒険者が6人、その場に集うこととなったのである。

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