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《完結》勇者パーティーから追放されたオレは、最低パーティーで成り上がる。いまさら戻って来いと言われても、もう遅い……と言いたい。

執筆用bot E-021番 

14-3.みんな寝ちゃってるのは、変だよね?

「ふんぬぅぅぅッ」


 オレとマグロのふたりで、箱を除けようとた。が、ビクともしない。


「これが動かないってことは、オレたちここから出られないんじゃね?」


「そうでありますね。一生ここで暮らすのは、マグロは厭です」


「そりゃ、オレだってそうだ」


「べつの出口はないのでしょうか?」


「オレが知るかぎり、ここしか道はないな」


「そしたらガンバって除けるしかありませんね」


「除けるよりも破壊しちまうか。オレが強化術をかけるから、マグロのその大剣で叩き潰してくれよ」


「わかりました」


 マグロは背負っていた大剣を構えた。強化術をかける。マグロは大上段から、その大剣を叩きおろした。が、ゴーンと鈍い音が響きわたるだけで、箱には亀裂ひとつ入らなかった。


「硬いな」


「詰みました。ジ・エンドです」


「そんなアッサリ言うなよな。諦めたらここから出られないんだから。デコポンとネニが心配だし、一度向こうに戻るか。4人でチカラを合わせれば、どうにかなるかもしれん」


「そうですね。他のパーティの方も手伝ってくれるかもしれませんし」


 で。
 ネニとデコポンたちのもとに戻ったのだが――。


「寝てるしーッ」


《青薔薇騎士団》の3人に折り重なるようにして、ネニとデコポンのふたりも熟睡している。


 ネニはともかく、デコポンまで眠っているのは普通ではない。


 おーい、起きろーッ、と頬を引っ張ったり、マブタをつまんだりしてみたのだが、目を覚ます気配はなかった。


 はて、どうしたのもか。
 起きないし、戻れない。


「あら、あんたたちも、祭典に参加してたの?」


 前方から声がした。


「で、出やがったな!」


 またしても勇者である。


 ブロンドに碧眼に巨乳。しかもゾッとするほどの美貌である。そんなのがイキナリ出てきたらドキッとさせられるってもんだ。


 いや。ホめているわけではない。断じて違う。


「あんた、私と会うたびに反応リアクション大袈裟オーバーなのよ。私のことをいったい何だと思ってンのよ」


「そりゃ因縁の相手だ。追放した者と、追放された者は、決して理解しあえぬ仲であり、お互いを憎みあう……」


「あら、そこの連中も眠ってるのね。デコポンとネニだっけ?」


「いや、聞けーッ」


「べつにたいしたこと言うつもりじゃなかったんでしょ」


「はぁ? オレの言葉は、哲学者より深く、吟遊詩人よりも優雅で、文学者よりも難解で……」


「それに《青薔薇騎士団》の連中も眠らされてるみたいね」


「うん。そうだね」


 どうやらオレの話を聞くつもりはないらしい。 泣きたくなってくる。


 まぁ、勇者の前で涙を見せたら、一生、茶化されることになるから、泣いたりはしないけれども。


「実はうちの連中も眠らされてるのよ」


「勇者パーティも?」


「カイトとウィザリアがね。離れて行動していた隙に、眠らされちゃったみたいね」


「へぇ」


 カイトもウィザリアも、優秀な冒険者だ。それはオレがよく知っている。


 あの2人がモンスター相手に遅れを取るとは思えない。不思議なこともあるものだ。まぁ、オレがいないと、2人も半人前だった、ということだろうか。


「ふたりが寝ちゃってるから、一度、外に戻ろうと思うのだけれど」


「そりゃ残念だったな。出口はふさがれちまってるぜ」


「ふさがれてる?」


「ああ」


 階段をふさいでいる箱のことを説明した。
 勇者は話を聞きながら、前髪をねじるようにして弄んでいた。


「私たち、もしかして誰かにハメられてるんじゃないかしら」


「ハメられてる?」


「ええ。出口をふさがれて、冒険者たちは眠らされてるわけでしょ。何か変だと思わない? この階層に睡魔スリープの魔法を使ってくるようなモンスターは出ないはずだし」


「たしかに奇妙ではあるな」


「眠ってる冒険者たちを放置しておくのは危険だわ。階段のある部屋に運んでまとめておきましょう。私が運ぶから、あんたは強化術で手伝いなさいよ」


「ああ、そうだな」


 話の勢いと、この不可解な状況のせいで、スンナリとうなずいてしまった。


『手伝って欲しけりゃ、頭を下げることだな』ぐらい言ってやれば良かった。
 この勇者にたいしてマウントを取れる好機を逃してしまうとは、オレ一生の不覚である。

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