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《完結》勇者パーティーから追放されたオレは、最低パーティーで成り上がる。いまさら戻って来いと言われても、もう遅い……と言いたい。

執筆用bot E-021番 

11-3.庭いじってるだけで、いいんですか?

 イザ『魔塔祭典』と燃えていたのだが、いかんせん《炊き立て新米》の3人は闘志がない。


「ヤじゃー。怖いのじゃー。ワシは留守番するのじゃー」
 と、デコポンは盾をかぶる。


「お腹が減ってチカラが出ないのでありますよ」 と、マグロは腹をさする。


「ぐぅ」
 と、ネニに至っては、冒険者ギルドの入口で眠りこけてしまった。


 ネニに関しては、もはや睡魔で片付けられない気がする。なにかの病気かもしれないし、一度、医者にカラダを見てもらったほうが良いんじゃないかな。それとも人狼というのは、そういう生き物なんだろうか?


 回復術師と言うのがいるけれど、回復術の魔法は、外傷や骨折といった物理的なダメージを治癒する効果しかない。病気とかは医者に診てもらって、薬を飲んで治す必要がある。


「まぁ、まだ『魔塔祭典』までには時間があるし、なんか見入りの大きいクエストでも探すとするか」


 金欠はたしかに、目下の懸案事項だ。


 イチバンの解決方法は、マグロたちがその食欲を我慢してくれることなんだが、それは望み薄である。よって大量に稼ぐ必要がある。
 やれやれ、パーティの大黒柱は辛いぜ。


 冒険者ギルドの壁面に張られているクエストを、目を血眼にして漁っていくことにした。
 これはもう早い者勝ちである。簡単な仕事で、大きな収入。そういったクエストを見つける達人でもいるのか、楽そうなクエストはすぐに消えて行く。


「おっ、これなんかどうでしょうか?」
 マグロが見つけ出した。


「どれどれ?」


 仕事内容は、庭の手入れ。報酬は魔結晶3万ポロムと書かれていた。


「庭? 庭ってなんだ?」


「さあ、なんだかわかりませんが、楽そうなのでありますよ。それにすごい報酬なのです」


「たしかにな」


 もしかして、「ダンジョンはオレの庭みたいなもんだぜ」とか、そういう意味の、庭、だろうか。


 冒険者に庭の手入れを頼むというのは、どうもお門違いな気がする。むしろ庭を荒らしてしまいそうな連中が大半である。
 しかしまぁ、3万ポロムというのは破格だし、庭をイジるだけで、魔結晶がもらえるなら楽な仕事だ。


「どうします? もしかしてチョット怪しい感じのヤツですかね?」


 盗賊が冒険者を呼び寄せるために、偽のクエストを張り付けたりすることがある。ノコノコやってきた冒険者を罠にかけて、武具を奪ってしまうのだ。
 いつの時代にも、悪いヤツはいるものだ。


「でも、都市の中だし、人目もあるだろうか、たぶん大丈夫だと思うけど」


 ご丁寧に手書きの案内図まで添えられている。


「マグロは可愛いから、誘拐されるかもしれないのでありますよ」


「は?」


 自分で、自分のことを可愛いとか言っちゃう系の人だったっけ? 人だった気がする。


「あまり怪しい仕事は、やりたくないのであります」


「いや。たとえ誘拐されても、お前の食欲を見せれば、どんな連中も裸足で逃げ出すことだろうから、心配することはない。なによりオレがついてるし問題ないだろ」


「そうでありますね。ナナシィみたいな人と一緒に、やっていけてるということは、怪しいヤツが来ても、対応できるかもしれないのであります」


「ん? どういう意味かな?」


「さあ」
 と、マグロは首をかしげた。


 あれれ?
 なんかオレへの見る目が変じゃないかな?


 当初の予定では、オレは最強の強化術師として崇められるはずだった。


(ナナシさまがいなけりゃ、うちのパーティはやっていけないの! どんなご命令でも聞きますから、私たちを導いてくださいませ)
 と、美少女たちが抱きついてくるはずだった。


 そして清純で従順で豊潤な美少女たちとイチャイチャする予定だった。実際、それ相応の活躍はしたはずだし、チカラを見せつけてきたはずである。どうも現実と予定とのあいだに、若干の誤差ズレがあるようである。


 そもそも。
 マグロたち3人は、清純でもなければ従順でもないし、あまつさえ豊潤でもない。まぁ、悔しいことに顔立ちは整っているけれども。


 もしや入るパーティを間違えていまったのでは? しかし今さら、別のパーティを探すというのもメンドウだ。


「どうかされましたか? バカみたいな顔をしておりますが」


「いや。なんでもねェ。まぁとにかく、今日明日の食事にすら困っている身だ。庭をイジるぐらいならデコポンやネニにだって出来るだろうしな」


 そのクエストを引き受けることにした。

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