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《完結》勇者パーティーから追放されたオレは、最低パーティーで成り上がる。いまさら戻って来いと言われても、もう遅い……と言いたい。

執筆用bot E-021番 

9-1.え? もしかして人狼だったんです?

 オレとネニは宿屋に戻った。チョウド同じぐらいのタイミングで、マグロとデコポンも戻ってきた。


 夕食時――。
 3人はいつものように怒濤の食欲を見せていた。最初に見たときはビックリしたが、もはや見慣れた光景だった。何事も慣れるものである。慣れてしまった自分が恐ろしい。
 オレは気にかかっていることがあって、あまり食が進まなかった。


 まぁ、このスバレイ名物の肉まんじゅうは美味しかった。3つ食べた。3つも食べていれば、一般的には食が進まないとは言わないことに気づいて愕然とした。


 ついついマグロたちの食欲を比べてしまっていたようだ。


 マグロたちは何か超自然的能力によって太らないようだが、オレの場合はマグロたちと同じだけ食べたら肥満になってしまう。
 感化されないように気を付けなければならない。


 オレの体重の話はさておき、気にかかっていること――である。


 なぜ。
 今日オレのことを襲ってきた人狼ウェア・ウルフは、勇者の声を聞いて逃げ出したのだろうか。


 襲いたいのならば、2人とも襲えば良かったではないか。


 勇者には勝てないとわかっていたから、逃げたんじゃないのか? ってことは、あの人狼は勇者の声を知っている人物ということになるのでは?


 さすが名探偵ナナシである。オレさまの灰色の脳細胞は今日も冴えわたっている。


 ネニの魔術師のローブに付着していた白銀の毛のことも気にかかっている。なんとなく人狼のものに似ていた気がする。


 夜――。
 みんなが眠りについた深夜のことだった。


マグロが「ぐおー」と、小熊の唸り声みたいな寝息をたてていた。オレはベッドに横になったまま、意識は保っていた。


 深夜にネニがもぞもぞと動き出して、部屋を抜け出して行った。こんな夜更けに、どこへ行くつもりだろうか? トイレだろうか? 気になったので後をつけてみることにした。


 ネニは眠ったフリと言っていたけれど、昼間にあれだけ寝ているのは、夜更けに何かしているからではないのか……。


 ネニは宿から出て行った。オレも付いて出た。

 先に言い訳させてもらうが、変質者ストーカーをやっているわけではない。チョット気になっていることがあるのだ。これは名探偵の責務である。


 夜風が心地良かった。生温かい空気がカラダを愛撫していった。空を見あげれば、月が3つ浮かんでいた。


 この世界には、最大で6つの月が浮かぶ。今日は、それが、3つだ。月明かりが闇夜をうすくしてくれていた。おかげでネニを見失うことはなかった。


 夜を歩くネニは、月光を受けて白銀の髪を輝かせていた。


 ネニは人気のない裏路地へと歩いて行った。惨殺事件が起きているというのに、あまりに危険な行動だ。
 止めようかと思ったが、オレが行動するよりも前に、ネニに異変があった。


 服を脱ぎはじめたのだ。


「おおっ」
 と、思わず声を漏らしてしまった。


 魔術師のローブを脱いで、シャツも脱いで、下着だけになった。そしてネニは下着も脱ぎはじめた。


 えぇい、クソ。薄暗闇のせいでよく見えない。もっとよく確認しなければいけない。変態ではないぞ。これもまた名探偵の責務なのだ。


 あまりに透明感のある肌は、闇のなかでもネニのことをすこし光らせているようにも見えた。しかし、すぐに見惚れてはいられなくなった。


 ネニの全身から、毛が生えはじめたのだ。カラダがめきめきと大きくなっていく。あれは――人狼ウェア・ウルフだ。


 人狼もとい、ネニは建物の屋根にむかって跳躍した。


 おいおい。マジかよ。
 なんってこった。


 すると、昼のあいだにオレを襲ってきたのは、ネニだったのだろうか。たしかにあのときネニはウンコと言って、その場にはいなかった。


 考えている場合じゃない。急いでネニを追いかけよう。
 オレひとりでは何もできないかもしれない。だが、ネニが仮に人を襲うのならば、そこには被害者がいるはずである。
 被害者に強化術を施すことが出来れば、助けることが出来る。

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