語学留学は突然に

一狩野木曜日

引っ込み思案


私は、周りに人がいない。
そりゃあそうだ人に好かれるような努力をもともとしていないからだ。
でも、それでいい気がする。私は、もとい人と接する事がすきではないので一人の方が気が楽なのだ。学校の昼休みだって本さえあれば何とかなるし、登下校も一人で帰っても全然平気だ。
まぁ、少し下校の時間が遅くなった日は暗闇に少しばかりおびえるが。とにかく私は友達が居なくても生きていける。
むろん、友達という響きに憧れた時期も当然あった。だがここ最近、特に高校三年生になった頃ぐらいからどうってことも思わなくなった。何故かよく分からないが、今日この頃の私はマインドスタイルが確立してきた気がする。やっぱり友達なんていらない。
ただ淡々と、学校ではやるべき事をやるだけ。私はそれ以外のことに興味を示さない。人はそれで生きていけるのだ。
このように、やるべき事をこなしてきた私であるが、最近の悩みは恥ずかしながら、学力が落ちているという事であった。
この間のテストなんざ英語が10点だった。別にふざけている訳では無い。一生懸命頑張ってこれなのだ。
もはや言うまでもないと思うが、私は英語が苦手だ。数学も大概だが、英語はとても文章が暗号にしか見えないのだ。故に英語は無理だ。
そうやってすぐ無理とか言ってすぐ諦める所も私の悪い所なのかもしれない。
そんな事をぼぉぉっと考えながらいま、私は古典の授業を受けている。
黒板には、解読不可能な歴史的文字がズラズラと並んでいた。
読めない字の綺麗さだけは手に取るように分かる。
何故こんなにも国語の先生の字って綺麗なのだろうか。
私の席は窓側に位置している。窓側がいいか悪いかは賛否両論分かれると思うが、とりあえず私はこの席を気に入っている。
なぜなら、周りが背の高い人ばかりなので、背の低い私は目立たなくなり、授業で当てられる確率が少なからず減るからだ。
私は当然、みんなの前で発表することなどは嫌いで仕方がない。持病のあがり症を発症させてしまう。
なので、こういうところでそのような可能性を減らして置かなければならないのだ。
それが私の使命。
と、なんとなくカッコつけてみたものの、根底から考えている事がダサいのでそれはもう、ダサい奴の戯言としかかんがえられなかった。
この話を統括するならば、私は発表をすることが大っ嫌いだ。
だから、周りの人達に頑張って欲しいと思うのだが、一人、仕事をサボっている奴がいる。
私のちょうど目の前に座っている男だ。
この男は罪深く、なんと仕事をサボって机にかおを伏せているのだ。
おい、そうしたら私が先生から丸見えになってしまうじゃないか。少し起こそうかと考えたものの、起こして逆ギレされたらまた面倒臭そうなので頭の中から起こすという選択肢を消した。
では、どうすればよいか。そう、どうしようもないのだ。
この目の前の男が目を覚ますまで、私はビクビクと怯えながら授業を受けなければならないのだ。
時計を見てみた。見たところ、授業が終わるまでにはまだ30分もある。
この30分の間に先生の指名があったのなら私は終わりだ
ゲームオーバー。
私は、こんな危機的な状況にただ俯くことしか出来なかった。
ただ、先生と目を合わせないように。

コメント

コメントを書く

「コメディー」の人気作品

書籍化作品