ガチャガチャガチャ 〜職業「システムエンジニア」の僕は、ガチャで集めた仲間とガチャガチャやっていきます〜

noah太郎

第二章 始まる争い プロローグ ネットのうわさ

「ねぇねぇ、知ってる?今ネットで話題のゲームの話!」

「知ってる知ってる!謎のVR機が届いて、ログインすると帰れなくなる神隠し的な話でしょ!」

「それそれ!」

「でもさぁ、そんなVR機…本当にあるのかな?都市伝説っていう噂もあるよね。」

「そうなんだけどさ…実は最近、わたしの会社の先輩で会社に来なくなった人がいるんだよね〜」

「まじ!?それってもしかして…」

「うん、なんかうわさによるとその先輩、最近VR機が届いたって同期に自慢してたらしいよ。」

「え〜まじやばくない?!本当に消えちゃったのかな?」

「あまりにも欠勤が続くから、上司が自宅を訪ねたら、部屋には誰もいなくて…」

「それでそれで…?!」

「ベッドの上に、見たことのないVR機の箱だけが置かれてたんだって〜」

「うわぁ〜、マジ怖い!ホラーじゃん、それ!」

「今、ネット上はその話題で持ちきりだもんね。『VR機の神隠し』ってみんな言ってるみたいだし…」

「でもさぁ〜、消えた人たちっていったいどこに行くんだろうね…」

「さぁ…警察にも、何人もの行方不明者届けが殺到してるらしいけど…最近流行りの『異世界転生』的なやつじゃないかって噂もあるらしいよ!そういえば、先輩の名前なんだったかなぁ…あか…あか…うーん、思い出せないや!」

「それウケるんですけど〜!…はぁ〜それが本当なら私のところにも来ないかなぁ〜そのVR機!」

「やめときなよぉ〜アハハハハ」

「そうだよねぇ〜ハハハハ」




「なぁ、知ってるか?謎のVR機の話。」

「あ〜あの都市伝説みたいなやつだろ?」

「それが何やらうわさがあってさ。ネットにこんな画像が出てて…えっと…これこれ…見たことあるか?」

「女神の…像?」

「…うわさってのはさ、この画像を上げたやつがネットに『俺は異世界から生きて戻った』とか、『VR機は本物だ』って書き込んだらしいんだよ。」

「どっかのアホが話のネタに上げたんじゃねぇの?」

「お前の言う通り、最初は誰も信じなくて、そいつネット上ではフルボッコだったらしいんだ…けどさ、今度は画像を見た奴らが『女神が夢に出てきた』って騒ぎ始めたらしいんだよ。」

「なんだよ、それ…気持ち悪りぃ。」

「まぁ聞けよ。しかもその後もそれは続いて、終いにはVR機が届いたって言い出した奴らもいたらしい。」

「本当かよ、その話。」

「まぁ…そのスレは閉じられちゃってるから、調べようがないらしいけど…」

「…だろ?結局、証拠なんかないんだって…そういうのは都市伝説くらいがちょうどいいんだよ!」

「まっ…確かになぁ〜」

「そろそろ次の授業が始まるな…もう行こうぜ。」

「あぁ…まっ…待てよ!」





やっとだ…
やっと手にすることができた…

これがうわさのVR機か…
ご丁寧にも箱に入ってやがる…ククク

あったあった…
ん?これは…説明書か…?
製作会社『ゴッズプレイ.inc』…
神の戯れってか…笑えるぜ。

下調べはもう済んでるんだ…
これを頭に被って『リンクオン』と言えば…俺は…俺のための世界に行けるんだ…

こんな世界にもう用はない…
俺を認めない会社、上司、同僚…全員死んじまえばいいんだ!

死んで俺に詫びればいい!!

くそっ!考えるだけで虫唾が走る!

ハァハァ…ハァハァ…

しかし、そんな思いもこれで最後だ…
俺は今から異世界の王になる…

最強を、最狂を、最恐を…
全部手に入れて、世界を俺のものにするんだ…ククククク

考えただけで興奮してくるぜ…

…さてと…そろそろ行くとするか…
俺の…俺のための…俺だけの世界に…


「リンクオン…」



真っ暗だった視界が、ゆっくりと明るくなっていく。
目の前には『welcome to Bacileia』という文字が立体的に浮かび上がった。


バシレイア…神の王国か…ククク


その内、視界が暗転し、今度はどこからともなく音楽が聞こえてくる。

聞き覚えのあるようなクラシックの音色。ゆっくり流れる音楽に合わせ、再び視界が明るくなっていく。

眩しさに目を細めつつ、視界に広がる光景に感嘆の声を小さくあげた。

真っ白な空間…

左右上下…全方位を見渡しても、全てが白く、空と地上の境はまるでわからない。

体を確認する。
拳を握り、足を動かしてみる。


これはゲームのアバターじゃない…
本当に俺自身なんだ…クク…ククク…


それが感覚的にわかった。
辺りを見回すと、受付台のようなものがある。

そこに座っているのは、物語でよく聞いたことがある一人の天使。

金髪と小さな羽を揺らして、何やら作業を行なっている。

俺が近づくと、そいつは気づいたようだ。
そして、笑みを浮かべて、高らかにこう告げたんだ。




「ようこそ!アクセルオンラインへ!!」

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