最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~

シオヤマ琴@『最強最速』10月2日発売

第329話 エンペラードラゴンのうろこ

『グオアアァァーッ!!』


目的地の山に着いた俺たちを待ち構えていたかのように俺たちの数倍大きな体のエンペラードラゴンが雄たけびを上げる。




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エンペラードラゴン――硬いうろこを身にまとったドラゴンの亜種。大きな翼によって真空魔法のような風の刃を作り出すことが出来る。弱点は電撃魔法。


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エンペラードラゴンは大きな翼を羽ばたかせて真空の刃を放ってきた。
俺はそれを素手ではじくと、
「スキル、電撃魔法ランク10っ」
と唱える。


刹那、電撃がエンペラードラゴンに襲い掛かりその大きな体を貫いた。


『グオアアァァーッ……!!』
消滅していくエンペラードラゴン。


《佐倉真琴のレベルが11上がりました》




エンペラードラゴンが消え去ったあとを見て、
「あ~あ、ハズレね」
ローレルが口を開いた。


「そうだな」


今回の依頼は素材アイテムであるエンペラードラゴンのうろこを手に入れること。
そのためにはエンペラードラゴンを倒してアイテムをドロップさせるしかない。


「まあさすがに、一回でアイテムを落としてくれるとは思ってなかったけどね」
「落とすまで何度でも倒すしかないってことだよな」
「そういうことね。まあ頑張ってよ」
ローレルは俺の背中を叩く。


「なんだよ。ローレルは戦わないのか?」
「別に戦ってもいいけどあたしもうレベル99だから魔物を倒したってレベル上がんないし、エライザみたいに戦うのが好きってわけでもないし。大体あんたはレベルフリーとかいうスキルのおかげで際限なくレベルを上げることが出来るんでしょ。だったらあんたが倒した方がお互いにとってメリットがあると思わない?」
「そりゃまあ、そうだけど」
「要はあんたのレベル上げの手伝いをしてやってるのよ。だからエンペラードラゴンのうろこを手に入れるまで一人で頑張んなさいな」
言うとローレルは俺から離れて岩陰に歩いていった。


「その間ローレルはどうするんだ?」
「寝てるわ。アイテムドロップしたら起こしてねっ」
ローレルは岩陰にシートを敷いて横になる。


……勝手な奴だな。


「まあ、いっか」


電撃魔法を使えば一発だしレベルが上がるに越したことはないからな。
俺は気持ちを切り替えると、


『グオオオォォォーッ!!』


再びやってきたエンペラードラゴンを倒すべく俺はエンペラードラゴンと向かい合うのだった。




☆ ☆ ☆




「おーいローレル、起きろ。おーいったら」
「……すぅ……すぅ……」
「おいローレルっ。こら、起きろっ」
「……ぅん? な~にぃビアンキ……もうご飯……?」
ローレルは俺の腕に顔をすり寄せてくる。


「おい、寝ぼけんな。俺だよ俺。ビアンキじゃない」
「……はっ! ちょっと何よあんたっ。なれなれしく触んないでよねっ」
目を開けて俺の顔を見上げてから俺を突き飛ばすローレル。
触ってきたのはローレルの方だろうが。


「それよりほら、手に入れたぞ。エンペラードラゴンのうろこ」
俺はエンペラードラゴンのうろこをローレルに見せてやった。




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エンペラードラゴンのうろこ――生成魔法で武器や防具を作る際の素材として用いられる。非常に硬い。


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「あっほんとだっ。やったじゃない!」
「ああ、なんとかな」
数十体倒してやっと手に入れたものだ。


「これであたしたちの依頼はオッケーね。じゃあさっさとエルムンドの町に戻りましょ」
「そうだな。そうするか」


俺とローレルはエルムンドの町に向けて歩き始める。




「今頃ビアンキとエライザはどうしてるのかしらね。もうキングジャッカルの牙だっけ? 手に入れたのかなぁ」
「さあどうだろうな。でもエライザがついているし問題ないだろ」
「なんかその口ぶりだとビアンキがあまり強くないって言ってるように聞こえるんだけど」
ローレルは少し不満気な顔を向けてきた。


「別にそうは言ってないけどさ……」
まあ、エライザと比べるとそんな感じに思っていなくもないが。


「言っとくけどビアンキは強いわよ。伊達にレベル99じゃないからね。っていうかもちろんあたしも強いけどね」
「あー、そうなのか」
「なにその反応? あんた自分がちょっと他人より強いからって調子に乗ってる?」
ローレルはじとっとした目で俺の顔を見上げてくる。


「いや、調子になんか乗ってないって」
「ほんと~? とか言って心の中ではあたしたちのことバカにしてるんじゃないでしょうね~?」
「してないよ。ほら、そんなことより早く帰ろうぜ。野宿は嫌なんだろ?」
「もちろんよっ。誰があんたなんかと二人っきりで野宿なんかっ。冗談じゃないわっ、今日中に帰るわよ、いいっ?」
「ああ、わかったよ」


こうして俺とローレルは早歩きでエルムンドの町へと帰っていくのだった。

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