最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~

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第234話 温い無のダンジョン

飛行場で自家用ジェット機に乗り換えた俺とマヤさんはそこから一路ロシアへと向かっていた。
キューンもいつの間にかちゃっかり俺についてきていたようでジェット機に乗り込んでいる。


ちなみにパスポートを持っていない俺だったが転移魔法を駆使してなんとかセキュリティチェックをやり過ごした。




ひとまず落ち着いたところで俺はマヤさんから詳しい話を聞く。


「それで、どういうことですか? マリアがダンジョンのボスにとらわれているっていうのは」
「はい。実は……」




☆ ☆ ☆




マヤさんの話によるとマリアの大親友のアナスタシアという子がボディーガードを引き連れランクDの温い無のダンジョンに挑んでいったっきり戻らなくなったのでマリアは心配になってマヤさんを含めた黒服たちとともにそのダンジョンに入ったという。


そして最深階である地下十階に行き着いたところアナスタシアとボディーガードたちが不思議な球体にとらわれて浮かんでいるのを発見したそうだ。
マリアたちはすぐにその球体を割って助け出そうとしたのだがそこへフロアボスが現れてマヤさん以外の全員がフロアボスが口から吐き出した球体に包まれ捕まってしまったということだった。


からくも逃げ延びたマヤさんだったがフロアボス相手に一人ではどうにもならずそこで俺に助けを求めてきたらしい。


「あの魔物は口からシャボン玉のような球体を一度に沢山吐き出してきました。わたしは近付くことも出来ずマリア様を見捨てて恥ずかしながら逃げ帰ってきた次第です」
「そうですか……でもマヤさんまで捕まらなくてよかったですよ」
『そうだよ。おかげでこうやっておいらたちが助けにいけるんだからさっ』
「ありがとうございます、佐倉様、キューン様」
マヤさんの言葉にキューンが『えっへへ。キューン様だってさ』と照れる。


「マリア様のご両親であるご当主様と奥様はとても心配して腕利きの傭兵を雇ったのですがわたしとしましては万が一を考えて佐倉様のもとへうかがった次第です」
「そうだったんですか」


ランクDのダンジョンに入るのは初めてだがまさかこんな形で入ることになろうとは思ってもいなかった。
だがマリアがボスに捕まっているというのなら行かないわけにはいくまい。


「マヤさん、あとどれくらいで着きますか?」
「あともうすぐです。それからダンジョンにはわたしもまいりますので」
「え、マヤさんもダンジョンに入るんですか?」
「はい。最短距離でマリア様のもとまでお連れいたします」
マヤさんは口調こそ落ち着いているもののどこかそわそわしながら言う。
やはりマリアのことが気がかりなのだろう。




『ねぇマスター、マリアってどんな子なの?』
キューンが訊いてきた。


「そうだなぁ……」
マヤさんの手前あまり正直には話せないので、
「金髪で可愛らしくて元気な子だよ」
とだけ答えておく。
マヤさんもそれに関しては俺の答えに満足そうにうなずいていた。




☆ ☆ ☆




そして、ロシアに到着するなりウラジオストクにある温い無のダンジョンに直行した俺とマヤさんとキューン。




俺たちはマリアたちを救出するためダンジョンの中へと足を踏み入れるのだった。




☆ ☆ ☆




温い無のダンジョン地下一階。




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首なし死体――動きは遅いがどんなにダメージを受けても立ち上がって向かってくる。体をばらばらに破壊するか聖光魔法で倒すしか動きを止める手はない。


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三角獣――その名の通り頭に三本の角が生えた魔獣。二角獣の上位種。魔法が一切効かない。


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俺たちはダンジョンに入って早々首なし死体と三角獣に挟み撃ちにされた。
俺は目の前にいた三角獣を蹴り飛ばす。


《佐倉真琴のレベルが701上がりました》


振り向くとマヤさんが首なし死体相手にパンチとキックの連打を繰り出していた。
だが地面に倒れた首なし死体は何事もなかったかのように起き上がってくる。


俺はマヤさんの横を瞬時にすり抜けると向かってきていた首なし死体の腹にパンチを打ち込んだ。
その瞬間首なし死体が上半身と下半身に分断される。
しかしそれでもなお消滅せずに動いている。


「佐倉様、この魔物はこのまま放っておいて先を急ぎましょう」
「そうですね。わかりました」


俺たちはいまだ地面をはって動き続けている首なし死体を無視すると地下二階への階段めざし駆け出した。

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