最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~

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第223話 ベヒーモスたちの猛攻





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ベヒーモス――高い攻撃力と守備力を誇る獣タイプの魔物。黒光りした体毛と二本の長い牙が特徴。電撃魔法に強い耐性がある。


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『ウゴオオオオーッ!!』
『ウゴオオオオーッ!!』
『ウゴオオオオーッ!!』


バロンドールたちによって呼び寄せられた三体のベヒーモスの咆哮で空気が振動する。


「はっ、これは壮観だな」
体長が五メートル以上ありそうなベヒーモス三体を前にして楽しそうに笑みを浮かべてみせる有希さん。


「有希さんっ、ベヒーモスは俺がやるんで有希さんはバロンドールたちをお願いしますっ」
バロンドールはベヒーモスを呼び寄せる能力があるので有希さんに倒してもらおうとしたのだが、
「馬鹿言うなっ。あたしがこいつら全員相手にしてやるから真琴は引っ込んでなっ」
有希さんは俺の申し出を断るとベヒーモスたちに向かって駆け出した。


「そんな無茶な……」


いくら有希さんが戦闘慣れしているといってもベヒーモス三体とバロンドール三体の計六体の相手を同時にするのはさすがに無理がある。
かといって俺が手を出したら有希さんは間違いなく怒るだろう。


そうこうしている間にも有希さんは左側にいたベヒーモスの巨体に力いっぱい剣を振り当てた。


『ウゴオオオオー……!』
ベヒーモスが悲鳴を上げひるむ。
だが有希さんの持つ剣がなまくらなせいか致命傷にはいたっていない。


『ウゴオオオオーッ!!』
『ウゴオオオオーッ!!』
残る二体のベヒーモスが有希さんに牙をむいた。


「はぁっ!」
有希さんは左手に持った扇子を瞬時に振り上げ真空の刃を襲い来るベヒーモスたちに連続で飛ばす。


『ウゴオオオオー……!』
『ウゴオオオオー……!』
真空の刃によってベヒーモスたちの突進の勢いは弱まるも完全に動きを止めることはかなわず、ベヒーモスたちは有希さんに体当たりをくらわせた。


「がぁっ……!」
ベヒーモス二体による体当たりをくらい有希さんが壁に飛ばされる。


「有希さんっ」
『有希っ』


『ウゴオオオオーッ!!』
『ウゴオオオオーッ!!』
『ウゴオオオオーッ!!』


ベヒーモスたちはほとんどダメージを受けてはいない。
それどころかさっきよりいきり立っている。


「くっ……まだまだっ」
有希さんは剣を地面に突き立てて立ち上がりやる気を見せるがやはり一人では荷が重そうだ。


しかも厄介なことにバロンドールたちがまたもやマントをひるがえしてベヒーモスを呼び寄せようとしている。


これ以上静観していたらさすがに有希さんが死んでしまうかもしれない。


「有希さん、助太刀しますよっ。いいですねっ」
「まだだっ! まだあたしはやれるぞっ!」
有希さんは声を上げた。


「だとしても一人でやるのは無理ですって」
「無理かどうかやってみなければわからないだろうがっ。いいか真琴、手出しなんかしたら一生恨むからなっ!」
有希さんは俺に一瞥くれるとベヒーモスたちに向かっていく。


「まったくあの人は……本当に死んでも知らないぞ」
『マスター、だったらおいらがやろうか? マスターは止められたけどおいらは何も言われていないからさ』
「うーん……」
俺はあらためてキューンを眺める。
『?』
首をかしげているキューンはかなり小さい。
とてもベヒーモスをどうにか出来るようには見えない。


『なあに、マスター?』
「いや……」


とその時、
「ぐあぁっ……!」
有希さんの声が上がった。
見ると有希さんはベヒーモスの長い牙で胴体を貫かれていた。
大量の血を口から吐き出す有希さん。


ベヒーモスは有希さんの体を壊れたおもちゃのように放り捨てると俺とキューンに向き直る。
有希さんは目から生気が失われ地面に倒れたままぴくりともしていない。


『マスター、有希が死んじゃったよっ』
「大丈夫だ。不死鳥の着物があるから死んでも――」


そこまで言うと有希さんの体が浮かび上がった。
そして紅い炎が燃え上がると有希さんの傷口が塞がっていく。


「がはっ……!!」
有希さんが血を吐きながらも息を吹き返した。
だがその有希さんをまたもベヒーモスたちが狙っている。


『有希生き返ったけどこのままじゃまた死んじゃうよっ。マスター、おいら助太刀してもいいでしょ』
「ああ、わかった。好きにしろ」
『やったーっ。おいらの強さ、はじめてマスターに見せられるぞっ』
言うとキューンは俺から離れて有希さんとベヒーモスたちの間に割って入っていった。


俺はその間に有希さんの口に薬草を押し込む――


『グオオオオーッ!!』
キューンが大声を上げ体を震わせる。


「――えっ!? キ、キューン……!?」
俺は思わず二度見をしていた。




『グオオオアアアァァァーッ!!!』
轟く咆哮。




俺が驚くのも無理はなかった。
なぜならキューンは俺の見ている前でその小さな体を一瞬にして体長十メートルをゆうに超える白い巨竜へと変えたのだから。

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