最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~

シオヤマ琴@『最強最速』10月2日発売

第154話 三人との別れ

「とりあえずさ、高野はこのダンジョンを今すぐ出て家に帰ったほうがいいんじゃないか」
家出少女の高野を諭す。
「お父さん、お母さんも心配してるぞ、きっと」
正直高野と同じく家出をしていた俺にはこんなことを言う資格などないのかもしれないがどうしても他人事とは思えないのでつい余計な世話を焼いてしまう。


「そんなこと言って本当はわたしたちがダンジョン探索についてこないようにしてるだけなんじゃないですか?」
じとっと目を細める高野。


「別にそんなことないって」
と言いつつたしかについてこられたら面倒だという思いもあるのは事実だった。


この三人は俺のことを初めから知っているようだったし俺の実力を当てにされて一緒に来られては困る。
何より俺のレベルが四万近いということが勘づかれないように今後は極力他人とのチームプレイは避けたいところだ。


すると高野が急ににんまりと笑った。
そして俺のことを不気味なくらい優しい目でみつめてくる。


……なんだその目は?
と言おうとした時、
「わかりました……わたし家に帰りますっ」
俺の言葉が響いたのか高野は素直に家に帰ると申し出た。


「え、本当に帰るのかっ高野?」
「おれたちが言っても全然聞かなかったくせにかっ?」
「うん。わたしを助けてくれた真琴さんの言うことだもん。聞かないとね」
「そっか……」
「何~? わたしと別れるのさびしいの二人とも~?」
「ベ、別にそんなんじゃないさっ」
「足手まといがいなくなってせいせいするぜっ」
太田と田中はそう言うが俺にはなんとなく強がりに聞こえた。




☆ ☆ ☆




「じゃあ真琴さん、わたしたちこれで失礼しますね」
「ああ。本当に出口まで一緒に行かなくて平気か?」
「大丈夫ですよ。おれたちには【透明化】と【忍び足】がありますから」
「それに出口なんてすぐそこっすから」
と親指で出口の方向を指差す田中。


だったらそこまでついていくくらい俺にはどうってことないのだが……。
まあ、もしかしたら三人になりたいのかもしれないし邪魔はしないでおくか。


「じゃあ、気をつけてな」
「はい。真琴さんもお元気で」
「さようなら」
「機会があったらまたどっかで会いましょう」


「「「スキル、忍び足っ」」」
「「「スキル、透明化っ」」」


そして俺は完全に姿を消した高野たち三人と別れた。




……はずだったのだが――


「率直に言いますね……わたしとチームを組みませんかっ」


三人と別れてから十分後、俺はダンジョンに戻ってきた高野に勧誘されていた。

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