最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第36話 百万円!?
「えいっ!」
マリアは左から現れたデビルボアの突進を華麗に避けるとその腹を短剣で斬り裂き、
「はっ」
俺は右から向かってきたホブゴブリンのひたいを中指ではじき、これらを絶命させた。
そして二人目を合わせて、
「余裕ですわね」
「まあな」
うなずき合う。
俺たちは襲い来る魔物たちを倒しながら危なげなく赤い影のダンジョンを進んで、今しがた地下五階まで下りてきたところだった。
階段探しを優先させているとはいえここまでに俺たちがみつけたアイテムは一つもない。
先に入ったプレイヤーたちが拾いつくしてしまったのか、それともこのダンジョンにはもとからアイテムが落ちていないのか。
とにかく戦利品ゼロのまま俺たちは下へと続く階段を探し歩いた。
十分ほど歩いて地下五階で階段をみつけた俺はダンジョンに入ってから二時間が経過していることに気付き、
「少し休憩するか?」
マリアにそう提案する。
レベル99といえどもマリアはまだ十二歳の女の子だ、口にはしなくともきっと疲れていることだろう。
「そうですわね。お腹もすきましたし休憩にいたしましょうか」
「よし、じゃあちょっと待ってろ」
そう言うと俺は腰に下げていた不思議な袋の中からキャンプ道具一式を取り出してみせた。
「ええっ!? なんですの、それっ?」
小さな布製の袋の中からその容量よりも明らかに大きなものが出てきたことにびっくりして声を上げるマリア。
「あー、これは不思議な袋っていっていくらでもアイテムを入れられるんだよ。便利だろ」
「そんなものどこで手に入れたのですかっ? わたくしも欲しいですわっ」
「アダマンタイトっていう魔物を倒したらドロップしたんだよ」
「アダマンタイト? 聞いたこともありませんわ」
白い地のダンジョンの地下二十階にいたフロアボスのアダマンタイト。
ボスだから今行ってももういないはず。
ほかのダンジョンでならまた遭遇することもあるかもしれないが。
「真琴様、それ譲っていただけませんこと?」
「やだよ。これは誰にも譲るつもりはないんだ、悪いな」
「わたくし百万円くらいならすぐ都合がつきますけど」
「えっ……百万?」
いきなり飛び出た百万円という額に思わず唾を飲む。
だが、
「……いや、やっぱり駄目だ」
俺はすんでのところで思いとどまった。
百万円は確かに魅力的だが先を見据えたら不思議な袋の方が価値があるような気がする。
……それに子どもにアイテムを百万円で売りつけるのもどうかと思うしな。
「そうですか~。残念ですわ」
「もう一個手に入れたらその時はやるよ」
「ほんとですかっ。絶対ですわよ、約束ですからねっ」
マリアは身を乗り出して念押ししてくる。
「ああ、約束だ」
「ありがとうございます、真琴様っ。ふふふふーん」
「わかったからそこどいてくれ」
俺は鼻歌まじりにくるくる回るマリアをどかすと地面にシートを敷いた。
マリアは左から現れたデビルボアの突進を華麗に避けるとその腹を短剣で斬り裂き、
「はっ」
俺は右から向かってきたホブゴブリンのひたいを中指ではじき、これらを絶命させた。
そして二人目を合わせて、
「余裕ですわね」
「まあな」
うなずき合う。
俺たちは襲い来る魔物たちを倒しながら危なげなく赤い影のダンジョンを進んで、今しがた地下五階まで下りてきたところだった。
階段探しを優先させているとはいえここまでに俺たちがみつけたアイテムは一つもない。
先に入ったプレイヤーたちが拾いつくしてしまったのか、それともこのダンジョンにはもとからアイテムが落ちていないのか。
とにかく戦利品ゼロのまま俺たちは下へと続く階段を探し歩いた。
十分ほど歩いて地下五階で階段をみつけた俺はダンジョンに入ってから二時間が経過していることに気付き、
「少し休憩するか?」
マリアにそう提案する。
レベル99といえどもマリアはまだ十二歳の女の子だ、口にはしなくともきっと疲れていることだろう。
「そうですわね。お腹もすきましたし休憩にいたしましょうか」
「よし、じゃあちょっと待ってろ」
そう言うと俺は腰に下げていた不思議な袋の中からキャンプ道具一式を取り出してみせた。
「ええっ!? なんですの、それっ?」
小さな布製の袋の中からその容量よりも明らかに大きなものが出てきたことにびっくりして声を上げるマリア。
「あー、これは不思議な袋っていっていくらでもアイテムを入れられるんだよ。便利だろ」
「そんなものどこで手に入れたのですかっ? わたくしも欲しいですわっ」
「アダマンタイトっていう魔物を倒したらドロップしたんだよ」
「アダマンタイト? 聞いたこともありませんわ」
白い地のダンジョンの地下二十階にいたフロアボスのアダマンタイト。
ボスだから今行ってももういないはず。
ほかのダンジョンでならまた遭遇することもあるかもしれないが。
「真琴様、それ譲っていただけませんこと?」
「やだよ。これは誰にも譲るつもりはないんだ、悪いな」
「わたくし百万円くらいならすぐ都合がつきますけど」
「えっ……百万?」
いきなり飛び出た百万円という額に思わず唾を飲む。
だが、
「……いや、やっぱり駄目だ」
俺はすんでのところで思いとどまった。
百万円は確かに魅力的だが先を見据えたら不思議な袋の方が価値があるような気がする。
……それに子どもにアイテムを百万円で売りつけるのもどうかと思うしな。
「そうですか~。残念ですわ」
「もう一個手に入れたらその時はやるよ」
「ほんとですかっ。絶対ですわよ、約束ですからねっ」
マリアは身を乗り出して念押ししてくる。
「ああ、約束だ」
「ありがとうございます、真琴様っ。ふふふふーん」
「わかったからそこどいてくれ」
俺は鼻歌まじりにくるくる回るマリアをどかすと地面にシートを敷いた。
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