俺【死神】になりました ~喧嘩もしたことない俺の、選べる職業が【死神】だった!?~
第35話 第三地区
第二地区のボス部屋の扉を抜けて、第三地区に足を踏み入れた。
まず第三地区に入った最初の感想は、広いだ。見た目などは今までと同じなのだが、高さはほとんど同じだが横幅が倍近くに広がっている。
「坊ちゃん、これいやな予感がするのは俺だけですか?」
そう聞いてきたのはケビンだ。しかしいやな予感なら俺もしている。高さが変わらず横幅だけ広くなったこと、ダンジョンは先に進むほど通常の魔物が強くなっていくこと、このダンジョンで出てくるゴブリンの群れ型の魔物という特性。どう考えてもこの地区では数で攻めてくるようにしか思えない。
「まさかとは思うけど、今まで以上の数で現れるんじゃないだろうな…」
思わず弱音が出てしまった。つい先ほど範囲攻撃などがなく、現状あまり多くの相手をいっぺんにできないと言った矢先、こんなことがあるのか。
ダンジョンという物の特性上、攻略させないためにあらゆることをしてくるとは思っていたが。このダンジョンの殺意はかなりの物のように思える。
周りを見渡すと、小田さんたちほかのみんなもかなり表情がこわばっている。しかし進んでみないことにはここの難易度はわからないし、どんな魔物が出てくるのか確かめる必要がある。
「みんな、取り敢えず警戒しながらも進んでいこう。一旦索敵しないことには始まらないと思う。とりあえずみんなは新しいスキルや武器の使用感を確かめてみて。敵は俺が取り敢えず多く倒すから、皆もできるだけ頑張って。これが多人数相手の時の最適解だと思う。」
そういうと、皆緊張しながらもうなずいてくれた。そんな中二子さんが、
「私の魔法もかなり多人数に対して使えると思うので、頑張ります。」
と、そういってくれた。確かに魔法の殲滅力はありがたい、でも数によってはMPが足りない場合もあるだろう。なのでその場でMPポーション(低級)を十個ほど交換し渡す。
「そうだね助かるよ、これを渡しとくから最悪惜しみなく使って。」
二子さんにMPポーション(低級)をわたし、それを簡易アイテムボックスにしまうのを確認した後進むことにする。
気になるところはまず何匹いっぺんに来るかということと、ゴブリンナイトクラスが表れるかということだ。
そのまま進んでいくと通路の奥がざわついているのを感じる。この圧からいってもうすでに小さな軍隊ではないかとすら感じる。
「みんな、気を付けてくれ。現れたぞ!」
そういうと皆警戒態勢をとる。そんな中ケビンが、
「マジかよ、こんなもんちょっとした紛争、戦争みたいなもんじゃねえか…」
とつぶやいた、正直その感想は同意でしかない。奥からぞろぞろ表れたのはゴブリンの大群だ。
見えたとたんすぐさま鑑定で、見たことないやつはいないかと確認したが。一体だけいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前:なし
種族:ゴブリンリーダー
レベル:12
【ステータス】
M P:7
攻撃力:30
耐久力:30
魔法耐久力:5
速 度:30
知 力:10
【所持スキル】
統率
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ゴブリンの軍の真ん中に一体だけおり、周りに指示を出している。
ゴブリンたちの総数はざっと見て普通のゴブリンが20から30、ゴブリンリーダーが1、ホブゴブリン2,ゴブリンソードマン2,ゴブリンソルジャー2、ゴブリンアーチャー2、ゴブリンシャーマン2,ゴブリンナイト1、という構成だ。
ほとんどさっきのボス部屋と変わりない構成にゴブリンリーダーとゴブリンたちが加わった感じである。
正直今までの中で、トップレベルに命の危険を感じる。多くの場面で数というものはそれだけで力がある。戦争の歴史なんかも考えると、基本的に勝つのは数の多いほうだ。ステータスという人智を超えた力が存在したとて、そう簡単に数の差ってものは覆せないだろう。
仲間のみんなを見ても、想像をはるかに超える数で、完全に血の気が引けている。
「みんな、まずは生き残ることだけに集中しよう。
まずはケビン、小田さん、加藤さんで固まって二子さんの護衛。加藤さんと小田さんはとにかく守りだけに集中して。
ケビンと二子さんはその中で集まってくるゴブリンどもを一匹でも多く倒してくれ。
俺は突っ込んでいって速さで翻弄しながらなるべく多く刈る。」
「わかりました、でも坊ちゃんも気を付けてください。特にゴブリンナイトに関しては一人で手を出さないように。下手すると死にますぜ。」
「わかった、二子さんもさっき渡したポーションどんどん使ってもらって構わないから。」
「かしこまりました。」
そういって、駆け出した。
とにかくこの数で押し寄せられると、そのまま小田さんたちは魔物の波に飲み込まれてしまう。そこに対応できるのは俺かケビンくらいだろう。だからケビンも守りに残したが、さすがの俺もこの数を殲滅するのは無理がある。
しかしやらなくてはいけないので、まずは雑魚どもを始末し、その合間に上位種たちも狩っていこう。
まずの目的は統率を持っているゴブリンリーダーだ、こいつさえ始末してしまえば、ゴブリンという知能の低い魔物はそれこそ文字通り烏合の衆に成り下がるだろう。
そう思い、まずは中央にいるゴブリンリーダーに狙いをすます。問題なのはそれまでにゴブリンたちがかなりの人数いることと、近くにゴブリンナイトがいることだが、どうにかするしかない。
俺が駆け出すのと同時に発射された二子さんの【ファイアランス】がゴブリンの手段に直撃し、爆発とともに一気に4,5匹のゴブリンたちの命を奪い、その近くのゴブリンも少なからずダメージを受けている。
なので俺はその穴になった場所に突っ込んでいき、ゴブリンたちの命を奪っていく。
立て続けに4,5匹のゴブリンの首を切り裂き、倒れていく奴らをしり目にその死体を盾にして突き進む。ゴブリンの死体を片手でつかんで振り回し、集団に向かって投げ込む。それによってできた隙間に体を通し、その場のゴブリンたちを惨殺していく。そうして生まれた死体を振り回しスペースを走り回る。
しかしさすがの俺でもこんなに動き回ると疲労がたまってきて息が上がる。横目でケビンたちの方を見るとケビンが魔物たちを吹き飛ばし、二子さんの魔法が炸裂し、その二子さんを小田さんと加藤さんがあぶれたゴブリンたちを足止めすることで守っている。
途中アーチャーが放つ矢に対しては、小田さんが海鳥の盾から障壁を発生させて防ぎ、シャーマンの放つ魔法に関しては二子さんが防御魔法を使用して防いでいるようだ。
ケビンを入れたお陰か新しい武器やアビリティのお陰か、あそこの防御戦線は破られてない、それを確認しつつ息を整えたかったが、そんな暇は与えてくれない。
道中上位種も何匹は倒したが、ナイトやリーダーには届いていない。また襲ってきたゴブリンたちに対して、足元に落ちている死体を蹴り上げ、動きが止まったところは後回しにすることで、一度に相手にする人数を絞り戦う。
そうこうしていると、目の前のゴブリンの向こうにリーダーが見えた。なのでここは少し強引に突破すする。目の前のゴブリンに対して飛び蹴りをかまし、その奥にいたゴブリンリーダーをついにとらえた。
着地と同時に前方に飛び出し、驚いた様子のリーダーの心臓を貫いた。やっとこいつを仕留めた、これで少しは戦いやすくなるぞ。そう思った瞬間、何かが背筋をなでるようないやな予感を感じ、その場から急いで飛び避けた。
後ろに向かって飛んでいる最中に目の前を剣が過ぎ去り、そのままゴブリンリーダーの亡骸を切り裂いた。
ゴブリンナイトがリーダーの亡骸ごとおれを切り裂こうとしていたのだ。
ゴブリンナイトの攻撃を間一髪でよけた俺は、あたりを見渡したが、その場に残っているのは俺とナイトのみ、残りは今はケビンたちのほうに行っているらしい。
そう思ったがそこに後ろからソードマンが切りかかってまだ一体だけ残っていたようだ。その気配を感じ取ってその攻撃をかわしそのままソードマンの首を切り裂き、とどめを刺す。
これで正真正銘一対一だ。もうまわりには俺とゴブリンナイトしかおらず、ナイトもこちらを見たまま動かない。一騎打ちのような状況だ。
ゴブリンナイトから醸し出される、強者の貫禄が。物理的な圧力になったように感じ、肌をピリピリさせる。しかしこの魔物は今の俺には決して格上ではない。戦って勝てない相手ではないのだ。
まず第三地区に入った最初の感想は、広いだ。見た目などは今までと同じなのだが、高さはほとんど同じだが横幅が倍近くに広がっている。
「坊ちゃん、これいやな予感がするのは俺だけですか?」
そう聞いてきたのはケビンだ。しかしいやな予感なら俺もしている。高さが変わらず横幅だけ広くなったこと、ダンジョンは先に進むほど通常の魔物が強くなっていくこと、このダンジョンで出てくるゴブリンの群れ型の魔物という特性。どう考えてもこの地区では数で攻めてくるようにしか思えない。
「まさかとは思うけど、今まで以上の数で現れるんじゃないだろうな…」
思わず弱音が出てしまった。つい先ほど範囲攻撃などがなく、現状あまり多くの相手をいっぺんにできないと言った矢先、こんなことがあるのか。
ダンジョンという物の特性上、攻略させないためにあらゆることをしてくるとは思っていたが。このダンジョンの殺意はかなりの物のように思える。
周りを見渡すと、小田さんたちほかのみんなもかなり表情がこわばっている。しかし進んでみないことにはここの難易度はわからないし、どんな魔物が出てくるのか確かめる必要がある。
「みんな、取り敢えず警戒しながらも進んでいこう。一旦索敵しないことには始まらないと思う。とりあえずみんなは新しいスキルや武器の使用感を確かめてみて。敵は俺が取り敢えず多く倒すから、皆もできるだけ頑張って。これが多人数相手の時の最適解だと思う。」
そういうと、皆緊張しながらもうなずいてくれた。そんな中二子さんが、
「私の魔法もかなり多人数に対して使えると思うので、頑張ります。」
と、そういってくれた。確かに魔法の殲滅力はありがたい、でも数によってはMPが足りない場合もあるだろう。なのでその場でMPポーション(低級)を十個ほど交換し渡す。
「そうだね助かるよ、これを渡しとくから最悪惜しみなく使って。」
二子さんにMPポーション(低級)をわたし、それを簡易アイテムボックスにしまうのを確認した後進むことにする。
気になるところはまず何匹いっぺんに来るかということと、ゴブリンナイトクラスが表れるかということだ。
そのまま進んでいくと通路の奥がざわついているのを感じる。この圧からいってもうすでに小さな軍隊ではないかとすら感じる。
「みんな、気を付けてくれ。現れたぞ!」
そういうと皆警戒態勢をとる。そんな中ケビンが、
「マジかよ、こんなもんちょっとした紛争、戦争みたいなもんじゃねえか…」
とつぶやいた、正直その感想は同意でしかない。奥からぞろぞろ表れたのはゴブリンの大群だ。
見えたとたんすぐさま鑑定で、見たことないやつはいないかと確認したが。一体だけいた。
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名前:なし
種族:ゴブリンリーダー
レベル:12
【ステータス】
M P:7
攻撃力:30
耐久力:30
魔法耐久力:5
速 度:30
知 力:10
【所持スキル】
統率
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ゴブリンの軍の真ん中に一体だけおり、周りに指示を出している。
ゴブリンたちの総数はざっと見て普通のゴブリンが20から30、ゴブリンリーダーが1、ホブゴブリン2,ゴブリンソードマン2,ゴブリンソルジャー2、ゴブリンアーチャー2、ゴブリンシャーマン2,ゴブリンナイト1、という構成だ。
ほとんどさっきのボス部屋と変わりない構成にゴブリンリーダーとゴブリンたちが加わった感じである。
正直今までの中で、トップレベルに命の危険を感じる。多くの場面で数というものはそれだけで力がある。戦争の歴史なんかも考えると、基本的に勝つのは数の多いほうだ。ステータスという人智を超えた力が存在したとて、そう簡単に数の差ってものは覆せないだろう。
仲間のみんなを見ても、想像をはるかに超える数で、完全に血の気が引けている。
「みんな、まずは生き残ることだけに集中しよう。
まずはケビン、小田さん、加藤さんで固まって二子さんの護衛。加藤さんと小田さんはとにかく守りだけに集中して。
ケビンと二子さんはその中で集まってくるゴブリンどもを一匹でも多く倒してくれ。
俺は突っ込んでいって速さで翻弄しながらなるべく多く刈る。」
「わかりました、でも坊ちゃんも気を付けてください。特にゴブリンナイトに関しては一人で手を出さないように。下手すると死にますぜ。」
「わかった、二子さんもさっき渡したポーションどんどん使ってもらって構わないから。」
「かしこまりました。」
そういって、駆け出した。
とにかくこの数で押し寄せられると、そのまま小田さんたちは魔物の波に飲み込まれてしまう。そこに対応できるのは俺かケビンくらいだろう。だからケビンも守りに残したが、さすがの俺もこの数を殲滅するのは無理がある。
しかしやらなくてはいけないので、まずは雑魚どもを始末し、その合間に上位種たちも狩っていこう。
まずの目的は統率を持っているゴブリンリーダーだ、こいつさえ始末してしまえば、ゴブリンという知能の低い魔物はそれこそ文字通り烏合の衆に成り下がるだろう。
そう思い、まずは中央にいるゴブリンリーダーに狙いをすます。問題なのはそれまでにゴブリンたちがかなりの人数いることと、近くにゴブリンナイトがいることだが、どうにかするしかない。
俺が駆け出すのと同時に発射された二子さんの【ファイアランス】がゴブリンの手段に直撃し、爆発とともに一気に4,5匹のゴブリンたちの命を奪い、その近くのゴブリンも少なからずダメージを受けている。
なので俺はその穴になった場所に突っ込んでいき、ゴブリンたちの命を奪っていく。
立て続けに4,5匹のゴブリンの首を切り裂き、倒れていく奴らをしり目にその死体を盾にして突き進む。ゴブリンの死体を片手でつかんで振り回し、集団に向かって投げ込む。それによってできた隙間に体を通し、その場のゴブリンたちを惨殺していく。そうして生まれた死体を振り回しスペースを走り回る。
しかしさすがの俺でもこんなに動き回ると疲労がたまってきて息が上がる。横目でケビンたちの方を見るとケビンが魔物たちを吹き飛ばし、二子さんの魔法が炸裂し、その二子さんを小田さんと加藤さんがあぶれたゴブリンたちを足止めすることで守っている。
途中アーチャーが放つ矢に対しては、小田さんが海鳥の盾から障壁を発生させて防ぎ、シャーマンの放つ魔法に関しては二子さんが防御魔法を使用して防いでいるようだ。
ケビンを入れたお陰か新しい武器やアビリティのお陰か、あそこの防御戦線は破られてない、それを確認しつつ息を整えたかったが、そんな暇は与えてくれない。
道中上位種も何匹は倒したが、ナイトやリーダーには届いていない。また襲ってきたゴブリンたちに対して、足元に落ちている死体を蹴り上げ、動きが止まったところは後回しにすることで、一度に相手にする人数を絞り戦う。
そうこうしていると、目の前のゴブリンの向こうにリーダーが見えた。なのでここは少し強引に突破すする。目の前のゴブリンに対して飛び蹴りをかまし、その奥にいたゴブリンリーダーをついにとらえた。
着地と同時に前方に飛び出し、驚いた様子のリーダーの心臓を貫いた。やっとこいつを仕留めた、これで少しは戦いやすくなるぞ。そう思った瞬間、何かが背筋をなでるようないやな予感を感じ、その場から急いで飛び避けた。
後ろに向かって飛んでいる最中に目の前を剣が過ぎ去り、そのままゴブリンリーダーの亡骸を切り裂いた。
ゴブリンナイトがリーダーの亡骸ごとおれを切り裂こうとしていたのだ。
ゴブリンナイトの攻撃を間一髪でよけた俺は、あたりを見渡したが、その場に残っているのは俺とナイトのみ、残りは今はケビンたちのほうに行っているらしい。
そう思ったがそこに後ろからソードマンが切りかかってまだ一体だけ残っていたようだ。その気配を感じ取ってその攻撃をかわしそのままソードマンの首を切り裂き、とどめを刺す。
これで正真正銘一対一だ。もうまわりには俺とゴブリンナイトしかおらず、ナイトもこちらを見たまま動かない。一騎打ちのような状況だ。
ゴブリンナイトから醸し出される、強者の貫禄が。物理的な圧力になったように感じ、肌をピリピリさせる。しかしこの魔物は今の俺には決して格上ではない。戦って勝てない相手ではないのだ。
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