俺【死神】になりました ~喧嘩もしたことない俺の、選べる職業が【死神】だった!?~
第9話 初めての戦闘
門の隙間から、月明かりに照らされた緑色の肌が見えたとき、全身にどうしようもない嫌悪感を感じた。本能として一緒に共存することが不可能だと感じているのだ。
そして門が徐々に開いていき、あたりが緊張で張りつめていくのがわかる。門の開く無機質な音と、化け物たちが門をたたくドンドンという音、そしてギャアギャアという不気味な鳴き声がこだまし、かなりの音量の中にいるのにも関わらず、なぜか静かに感じる。
そんな中、ついに一番前にいた化け物の顔が見え、しっかりと目の前にいるケビンを視覚にとらえたのがわかった。
その瞬間、先頭の化け物が「ギャーー」と今までで一番大きな鳴き声を発し、半ば体を門の隙間に押し付けながら無理やり入ってこようとする。
その様子は不気味で恐怖を感じるが、前にいるケビンが落ち着いているからか、安心してみてられる。
鑑定を手に入れてから観察眼が強化されたように感じる。今までより細部まで物事を注目することができ、それはこの時も十分役立っている。おそらくこの観察して、それが何かを視覚から把握するという行為が、鑑定スキルの経験値を取得することにつながっているのだろうなどということを考えるほど、冷静に物事を見ることができている。
緑色の化け物は、成人男性ほどの身体の力しか持ち合わせていないのだろう。見た目からして明らかに化け物なのに行動自体は予測の範囲内であり、スキルなど使っていないだろうと予測される。
また武器は木の棍棒、防具は腰布のみで、筋肉質の肉体以外はそこまで警戒する必要はなさそうだ、しかし成人男性の身体能力で振り回された棍棒を、まともに食らったらただでは済まないので、攻撃は受け止めるのではなくよける方がいいだろう。
そしてケビンを目にした瞬間にいきなり襲い掛かってきたり、門が開いているのに気づかずずっと棍棒をたたきつけていたことから、知能はかなり低いことが予測される。
そうやって少し離れた位置から化け物について観察していたら、一番先頭にいた化け物が門を通り抜けケビンに迫っていた。そして近づくや否やずっと振りかぶっていた棍棒を、見え見えのモーションでたたきつけてきた。
正直離れた位置だから、冷静に見てられるが、あれを近くで見たらかなりのスピードだろう。もし俺だったらかなりの距離を取らないとよけるのが怖いところだが、そこはケビンだ。
しっかりと間合いを図っており、すれすれで躱し、躱しざまに持っていた警棒を棍棒を、持っている手にたたきつけて棍棒を離させた。そのまま目つぶしに移行しようとしたところで、おそらく何も考えていないだろう腕の振り回しを受け、そのまま離脱した。
この一連の動作をよどみなく行っていることから、ケビンの技量の高さが垣間見える。化け物が棍棒を離している間にとどめを刺したいケビンだったが、先頭が門を超えたことにより、残りの3匹も次々とやって来たため、ケビンは追撃を止めいったん後ろに下がってきた。
「坊ちゃん、こいつらお頭は弱いが、身体能力はそこそこのものだ。絶対に攻撃を食らうんじゃねえぞ。」
そうケビンが忠告してきた。そのことは想像がついていたので、同意の意味をこめて、化け物から視線を外さないままうなずくと。ケビンから指示が飛んできた。
「奴ら動きもなかなか素早い、もう少しで門を閉めて四人も参戦すると思うが、それまでの間俺一人では引き付けられねえ。ざっと見た感じ連携みたいな高度なことはできなそうだが、馬鹿でも棍棒を振り回しながら近づかれるだけで危険だ。一匹ずつ速攻で無力化する必要がある。俺がまず一匹を倒すから、そいつにとどめを刺してくれ。できるか?」
生き物を殺すとき、普通の人は躊躇する。それがないものは何度も経験し感覚がマヒしたものか、もともと頭のねじが外れている異常者か。初戦闘でいきなりの殺害の指令。覚悟はすでにしているし、職業的にも避けては通れない。
しかし驚くほど命を奪う行為に対して何とも思わない、それが当たり前のことだとすら思う。俺は異常者なのだろうか、それとも今はアドレナリンが出ているだけであとで襲ってくるのか。
しかし、そんなことを考えている暇はない。
「できる。」
そう手短に、自分の覚悟を表明すると。
「わかった、もともとは集団でたたくつもりだったが、最悪二人だけで倒しちまうくらいのつもりで行こう。そのうち一ノ瀬たちが合流する、そうしたらこっちのもんだ。行くぞ!」
そういうと素早く、ケビンは化け物めがけて突っ込んでいく。その後ろ姿のなんと心強いことか。俺も後に続こうと前傾姿勢になったところ。「パリンッ」とガラスの割れる音が聞こえてきた。方角からして西だ!
急なことに一瞬思考がフリーズしたが、ケビンの声でまた現実に戻ってきた。
「くそっ!、おそらく西で何かあった。坊ちゃん頼んだ。」
そういいながら先頭の化け物めがけて飛び蹴りをかましていく。管制塔にいる二組に目をやると視線は目の前の化け物に注がれており、音には気づいてなさそうだ。そうなると今動けるのは俺だけだということだ。
そう理解した瞬間、思考は簡略化され、ほぼ反射に近い状態で西に全速力で走る。
屋敷の西側に来てみると、塀に穴が開いており、中に侵入を許したらしい。あの化け物たちの力の強さに驚きながら屋敷の中のみんなを守らなければという思いが沸き起こる。
奴らの鳴き声が聞こえる方に目をやると、窓ガラスが割られており。部屋の中に奴らが3匹いた。しかし扉を開けるほどの知能がないのか、ドンドンと扉を殴っている。
「おい!、こっちだ。」
そう奴らに向かって声をかけると。一斉に振り向き、気味の悪い雄たけびを上げながら一目散に向かってくる。しかし奴らの通れるところは、割れた窓ガラスのところのみ、三匹一斉には通れない。
初めての戦闘ではあるが、驚くほどの集中力で奴らを観察する。一番窓の近くにいたやつが一目散に窓まで来てたが、窓の外にいる俺のもとにたどり着くまでに窓枠に引っ掛かり、転がりながら出てきた。
ゴロゴロと勢いよく転がり出てくる化け物に対して、四つん這いの状況から立ち上がろうとするところを、持っていた死神の短剣で後頭部を突き刺し殺害。その時無理やり入れたことによって頭の骨によって刃こぼれしてしまった死神の短剣だが、即位座に自己修復が完了する。
続く二匹目、三匹目なのだが、先頭の一体がやられたことで警戒したのか。部屋の中からこちらの様子をうかがっている。
くそ!、一体を倒したことで奴らも落ち着きを取り戻している。棍棒を振り回されることを考え、室内の戦闘は避けたいと思った。
そのまま窓から距離を取り様子をうかがうと。ゆっくりと二匹が出てきて。雄たけびとともに襲い掛かってきた。
二対一での戦闘、かなり厳しいことが想像される。先ほどの一体は自滅してくれたところをしっかりととどめを刺すことができたが、ここからが本番だろう。何も防具を付けていない現状、一発でも棍棒の攻撃を食らうとアウトだろう。頭など当たり所が悪ければ即死もあり得る、慎重に相手の攻撃を見極めよう。
鑑定スキルの効果か、アビリティで調べることさえできないが、相手の動きから多くの情報を得ることができる。腕の筋肉のこわばりから、棍棒を振り下ろす予備動作を感じ取り、バックステップでよける。かなり大きくよけたつもりだったがまだ距離感がつかめていないのか、目の前を棍棒が通り過ぎ、風が顔に当たる。
さすがに命の危険を感じ、次からはより大きくよけることにする。右から来ていた化け物も両手で棍棒を振りかぶり、振り下ろそうとしているのを感じ取ったため、左に転がりながらよけ、そのまま回転を使って立ち上がる。そしてすぐさま化け物たちのほうを向くと、息つく暇もなく襲ってきている。
二匹の連続攻撃に、反撃のタイミングをうかがいながら、命の取り合いのダンスに興じる。棍棒の攻撃をよけながらもどこを攻撃すれば殺せるのか考えている。今の武器では切り傷を与えたところで失血死までもっていくのは難しいだろう。そうなるとやはり心臓や頭部に突き刺すという、急所を一突きするのが一番手っ取り早いだろう。
そんなことを冷静に思考しながら、二匹の攻撃をよけているとチャンスが訪れた。俺から見て右側の化け物が左から右に向けて振り切った棍棒が、化け物の右にいた仲間の化け物の、棍棒を振りかぶってがら空きになっている腹部に直撃したのだ。
これを待っていた。化け物の知能レベルから考えるに連携は取れないだろうと思い、近くで攻撃をよけ続けることで、同士討ちが起きると考えたのだ。ここまできれいに決まるとは思わなかったが今がチャンスだ。
即座に向かって右側の化け物、今棍棒を振り切った方に近づき、喉を死神の短剣で切り裂き、そのまま返す勢いで、今度は腹部を打ちぬかれて、おなかを抱えるようにうずくまっている化け物の下あごから脳天に向かって短剣を差し込み離脱する。
そうすると、脳天を貫かれた方の化け物はこと切れたように倒れ、喉を割かれた化け物は、手で喉を抑えながら苦しそうに悶えている。なのでそのまま残りの化け物に向かって突っ込んでいくと、弱弱しく棍棒を振り回したので、それを避け、心臓に向かって短剣を突き刺した。
心臓に短剣を突き刺された化け物は、だんだんと目から生気が消えていき、ゆっくりと地面に倒れた。
その場で呆然と今起こった出来事をかみしめると、初めての戦闘で冷静に化け物三体の命を奪った自分に驚きが隠せないが、ひとまず屋敷の中にみんなは無事でよかったと思う。
そうしていると正門前での戦闘を終えたであろうケビンたちが急いでやってきた。
「坊ちゃん、大丈夫か?」
来るや否や聞いてきたので。
「自分でも驚くほど大丈夫だよ」
と答えた、まだ屋敷に周りに化け物たちはいるが、ひとまず第一関門突破といったところだろう。まだまだ初日の夜は始まったばかりだ。
そして門が徐々に開いていき、あたりが緊張で張りつめていくのがわかる。門の開く無機質な音と、化け物たちが門をたたくドンドンという音、そしてギャアギャアという不気味な鳴き声がこだまし、かなりの音量の中にいるのにも関わらず、なぜか静かに感じる。
そんな中、ついに一番前にいた化け物の顔が見え、しっかりと目の前にいるケビンを視覚にとらえたのがわかった。
その瞬間、先頭の化け物が「ギャーー」と今までで一番大きな鳴き声を発し、半ば体を門の隙間に押し付けながら無理やり入ってこようとする。
その様子は不気味で恐怖を感じるが、前にいるケビンが落ち着いているからか、安心してみてられる。
鑑定を手に入れてから観察眼が強化されたように感じる。今までより細部まで物事を注目することができ、それはこの時も十分役立っている。おそらくこの観察して、それが何かを視覚から把握するという行為が、鑑定スキルの経験値を取得することにつながっているのだろうなどということを考えるほど、冷静に物事を見ることができている。
緑色の化け物は、成人男性ほどの身体の力しか持ち合わせていないのだろう。見た目からして明らかに化け物なのに行動自体は予測の範囲内であり、スキルなど使っていないだろうと予測される。
また武器は木の棍棒、防具は腰布のみで、筋肉質の肉体以外はそこまで警戒する必要はなさそうだ、しかし成人男性の身体能力で振り回された棍棒を、まともに食らったらただでは済まないので、攻撃は受け止めるのではなくよける方がいいだろう。
そしてケビンを目にした瞬間にいきなり襲い掛かってきたり、門が開いているのに気づかずずっと棍棒をたたきつけていたことから、知能はかなり低いことが予測される。
そうやって少し離れた位置から化け物について観察していたら、一番先頭にいた化け物が門を通り抜けケビンに迫っていた。そして近づくや否やずっと振りかぶっていた棍棒を、見え見えのモーションでたたきつけてきた。
正直離れた位置だから、冷静に見てられるが、あれを近くで見たらかなりのスピードだろう。もし俺だったらかなりの距離を取らないとよけるのが怖いところだが、そこはケビンだ。
しっかりと間合いを図っており、すれすれで躱し、躱しざまに持っていた警棒を棍棒を、持っている手にたたきつけて棍棒を離させた。そのまま目つぶしに移行しようとしたところで、おそらく何も考えていないだろう腕の振り回しを受け、そのまま離脱した。
この一連の動作をよどみなく行っていることから、ケビンの技量の高さが垣間見える。化け物が棍棒を離している間にとどめを刺したいケビンだったが、先頭が門を超えたことにより、残りの3匹も次々とやって来たため、ケビンは追撃を止めいったん後ろに下がってきた。
「坊ちゃん、こいつらお頭は弱いが、身体能力はそこそこのものだ。絶対に攻撃を食らうんじゃねえぞ。」
そうケビンが忠告してきた。そのことは想像がついていたので、同意の意味をこめて、化け物から視線を外さないままうなずくと。ケビンから指示が飛んできた。
「奴ら動きもなかなか素早い、もう少しで門を閉めて四人も参戦すると思うが、それまでの間俺一人では引き付けられねえ。ざっと見た感じ連携みたいな高度なことはできなそうだが、馬鹿でも棍棒を振り回しながら近づかれるだけで危険だ。一匹ずつ速攻で無力化する必要がある。俺がまず一匹を倒すから、そいつにとどめを刺してくれ。できるか?」
生き物を殺すとき、普通の人は躊躇する。それがないものは何度も経験し感覚がマヒしたものか、もともと頭のねじが外れている異常者か。初戦闘でいきなりの殺害の指令。覚悟はすでにしているし、職業的にも避けては通れない。
しかし驚くほど命を奪う行為に対して何とも思わない、それが当たり前のことだとすら思う。俺は異常者なのだろうか、それとも今はアドレナリンが出ているだけであとで襲ってくるのか。
しかし、そんなことを考えている暇はない。
「できる。」
そう手短に、自分の覚悟を表明すると。
「わかった、もともとは集団でたたくつもりだったが、最悪二人だけで倒しちまうくらいのつもりで行こう。そのうち一ノ瀬たちが合流する、そうしたらこっちのもんだ。行くぞ!」
そういうと素早く、ケビンは化け物めがけて突っ込んでいく。その後ろ姿のなんと心強いことか。俺も後に続こうと前傾姿勢になったところ。「パリンッ」とガラスの割れる音が聞こえてきた。方角からして西だ!
急なことに一瞬思考がフリーズしたが、ケビンの声でまた現実に戻ってきた。
「くそっ!、おそらく西で何かあった。坊ちゃん頼んだ。」
そういいながら先頭の化け物めがけて飛び蹴りをかましていく。管制塔にいる二組に目をやると視線は目の前の化け物に注がれており、音には気づいてなさそうだ。そうなると今動けるのは俺だけだということだ。
そう理解した瞬間、思考は簡略化され、ほぼ反射に近い状態で西に全速力で走る。
屋敷の西側に来てみると、塀に穴が開いており、中に侵入を許したらしい。あの化け物たちの力の強さに驚きながら屋敷の中のみんなを守らなければという思いが沸き起こる。
奴らの鳴き声が聞こえる方に目をやると、窓ガラスが割られており。部屋の中に奴らが3匹いた。しかし扉を開けるほどの知能がないのか、ドンドンと扉を殴っている。
「おい!、こっちだ。」
そう奴らに向かって声をかけると。一斉に振り向き、気味の悪い雄たけびを上げながら一目散に向かってくる。しかし奴らの通れるところは、割れた窓ガラスのところのみ、三匹一斉には通れない。
初めての戦闘ではあるが、驚くほどの集中力で奴らを観察する。一番窓の近くにいたやつが一目散に窓まで来てたが、窓の外にいる俺のもとにたどり着くまでに窓枠に引っ掛かり、転がりながら出てきた。
ゴロゴロと勢いよく転がり出てくる化け物に対して、四つん這いの状況から立ち上がろうとするところを、持っていた死神の短剣で後頭部を突き刺し殺害。その時無理やり入れたことによって頭の骨によって刃こぼれしてしまった死神の短剣だが、即位座に自己修復が完了する。
続く二匹目、三匹目なのだが、先頭の一体がやられたことで警戒したのか。部屋の中からこちらの様子をうかがっている。
くそ!、一体を倒したことで奴らも落ち着きを取り戻している。棍棒を振り回されることを考え、室内の戦闘は避けたいと思った。
そのまま窓から距離を取り様子をうかがうと。ゆっくりと二匹が出てきて。雄たけびとともに襲い掛かってきた。
二対一での戦闘、かなり厳しいことが想像される。先ほどの一体は自滅してくれたところをしっかりととどめを刺すことができたが、ここからが本番だろう。何も防具を付けていない現状、一発でも棍棒の攻撃を食らうとアウトだろう。頭など当たり所が悪ければ即死もあり得る、慎重に相手の攻撃を見極めよう。
鑑定スキルの効果か、アビリティで調べることさえできないが、相手の動きから多くの情報を得ることができる。腕の筋肉のこわばりから、棍棒を振り下ろす予備動作を感じ取り、バックステップでよける。かなり大きくよけたつもりだったがまだ距離感がつかめていないのか、目の前を棍棒が通り過ぎ、風が顔に当たる。
さすがに命の危険を感じ、次からはより大きくよけることにする。右から来ていた化け物も両手で棍棒を振りかぶり、振り下ろそうとしているのを感じ取ったため、左に転がりながらよけ、そのまま回転を使って立ち上がる。そしてすぐさま化け物たちのほうを向くと、息つく暇もなく襲ってきている。
二匹の連続攻撃に、反撃のタイミングをうかがいながら、命の取り合いのダンスに興じる。棍棒の攻撃をよけながらもどこを攻撃すれば殺せるのか考えている。今の武器では切り傷を与えたところで失血死までもっていくのは難しいだろう。そうなるとやはり心臓や頭部に突き刺すという、急所を一突きするのが一番手っ取り早いだろう。
そんなことを冷静に思考しながら、二匹の攻撃をよけているとチャンスが訪れた。俺から見て右側の化け物が左から右に向けて振り切った棍棒が、化け物の右にいた仲間の化け物の、棍棒を振りかぶってがら空きになっている腹部に直撃したのだ。
これを待っていた。化け物の知能レベルから考えるに連携は取れないだろうと思い、近くで攻撃をよけ続けることで、同士討ちが起きると考えたのだ。ここまできれいに決まるとは思わなかったが今がチャンスだ。
即座に向かって右側の化け物、今棍棒を振り切った方に近づき、喉を死神の短剣で切り裂き、そのまま返す勢いで、今度は腹部を打ちぬかれて、おなかを抱えるようにうずくまっている化け物の下あごから脳天に向かって短剣を差し込み離脱する。
そうすると、脳天を貫かれた方の化け物はこと切れたように倒れ、喉を割かれた化け物は、手で喉を抑えながら苦しそうに悶えている。なのでそのまま残りの化け物に向かって突っ込んでいくと、弱弱しく棍棒を振り回したので、それを避け、心臓に向かって短剣を突き刺した。
心臓に短剣を突き刺された化け物は、だんだんと目から生気が消えていき、ゆっくりと地面に倒れた。
その場で呆然と今起こった出来事をかみしめると、初めての戦闘で冷静に化け物三体の命を奪った自分に驚きが隠せないが、ひとまず屋敷の中にみんなは無事でよかったと思う。
そうしていると正門前での戦闘を終えたであろうケビンたちが急いでやってきた。
「坊ちゃん、大丈夫か?」
来るや否や聞いてきたので。
「自分でも驚くほど大丈夫だよ」
と答えた、まだ屋敷に周りに化け物たちはいるが、ひとまず第一関門突破といったところだろう。まだまだ初日の夜は始まったばかりだ。
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