EX級アーティファクト化した介護用ガイノイドと行く未来異星世界遺跡探索~君と添い遂げるために~
059 お仕事
未踏破領域で狩猟者体験をしてきた翌日。
マグ達はクリルの店を訪れていた。
ASHギルドに登録して活動を始めてはいるが、ここの従業員でもある身。
労働条件はホワイトにも程があるが、だからと何もせずにいたら給料泥棒だ。
最低限の役割は果たさなければ落ち着かない。
だから、今日は朝から出土品の復元を行っていたのだ。
そうして一通り求められた仕事を終えた後。
「他に直すものはありますか?」
「いや、今回はもう十分だ」
クリルの返答を受け、マグは一息ついた。
彼女の倉庫に眠っていた、通常の修復系超越現象では直せない出土品達。
実際に復元してみると、それらは超文明の物凄い技術で作られただけの玩具や家電製品が多く、戦闘とは無関係のものがほとんど。
稀に先史兵装が出てくるという程度だ。
その数十に一つ程度の割合で出てくる先史兵装にしても、大半は見た目がおかしなだけで実態は普通の兵器だったりする。
しかも――。
「それにしても、これは欠陥兵器だったな」
試しに使ってみて粉々になってしまった装置の残骸を見ながらクリルが呆れ気味に言った通り、明らかな失敗作がたまに紛れ込んでいたりもする。
既存の先史兵装とは全く異なっていて尚且つ有用な道具が手に入るのは、恐らく宝くじで高額配当を得るぐらいの確率に違いない。
詳細な機能はともあれ、とりあえず直せさえすれば助けになってくれそうだと外見から判断できたフィアはレアケースだった訳だ。
「一応、また直しておきますか?」
パーツや部品どころか欠片レベルだが、ものは揃っているので念のため尋ねる。
対してクリルは首を横に振って口を開いた。
「いや、やめておこう。これは危険だ。恐らくは原炎の強大なエネルギーを放出させる手榴弾のような投擲武器だったのだろうが……」
「威力が強過ぎて、間違いなく自爆しますからね」
「ああ。フィアがいなければ、辺り一帯が吹っ飛んでいた」
万が一に備えてシールドで囲っておいたから大事には至らなかったが、対策なしで試用していたら恐ろしい被害が出ていただろう。
こうなると、宝くじどころか負けたら恐ろしい罰まである博打もいいところだ。
「……フィアのシールドの内側から投げる用でしょうか」
アテラが首を傾げながら推測する。
そう考えると、用途がなくもない先史兵装のようにも思えるが……。
「そのような都合のいいシールドが存在する前提で考えると、相手も同じようにシールドで防ぐことができるだろうからな。いずれにせよ、欠陥兵器だ」
マグ達が今この時代に使用する分には、あるいは役立つ場面もあるかもしれない。
だが、これが作製された当時を基準にすると失敗作に変わりはないようだ。
たとえ現在、フィアに使わせるにしても周囲への配慮が必要になる。
効果範囲を制御しにくい武器は、素人には扱いが難しい。余り持ちたくない。
「まあ、何はともあれ、この知識は無駄ではない。迷宮遺跡から完全な状態で転がり出てくる可能性もゼロとは言えんからな」
芳しくない結果だったようにも思うが、クリルはあくまでもポジティブに捉える。
しかし、そういった面でも危険があるのが遺跡探索という訳だ。
今後もフィアのシールドには大いに頼っていくことになるだろう。
それが分かっただけマグ達にとっても得るものがあったと言えるかもしれない。
いずれにせよ、直近の従業員としての仕事はこれで完了だ。
なのでマグは、次は客として話を切り出した。
マグ達はクリルの店を訪れていた。
ASHギルドに登録して活動を始めてはいるが、ここの従業員でもある身。
労働条件はホワイトにも程があるが、だからと何もせずにいたら給料泥棒だ。
最低限の役割は果たさなければ落ち着かない。
だから、今日は朝から出土品の復元を行っていたのだ。
そうして一通り求められた仕事を終えた後。
「他に直すものはありますか?」
「いや、今回はもう十分だ」
クリルの返答を受け、マグは一息ついた。
彼女の倉庫に眠っていた、通常の修復系超越現象では直せない出土品達。
実際に復元してみると、それらは超文明の物凄い技術で作られただけの玩具や家電製品が多く、戦闘とは無関係のものがほとんど。
稀に先史兵装が出てくるという程度だ。
その数十に一つ程度の割合で出てくる先史兵装にしても、大半は見た目がおかしなだけで実態は普通の兵器だったりする。
しかも――。
「それにしても、これは欠陥兵器だったな」
試しに使ってみて粉々になってしまった装置の残骸を見ながらクリルが呆れ気味に言った通り、明らかな失敗作がたまに紛れ込んでいたりもする。
既存の先史兵装とは全く異なっていて尚且つ有用な道具が手に入るのは、恐らく宝くじで高額配当を得るぐらいの確率に違いない。
詳細な機能はともあれ、とりあえず直せさえすれば助けになってくれそうだと外見から判断できたフィアはレアケースだった訳だ。
「一応、また直しておきますか?」
パーツや部品どころか欠片レベルだが、ものは揃っているので念のため尋ねる。
対してクリルは首を横に振って口を開いた。
「いや、やめておこう。これは危険だ。恐らくは原炎の強大なエネルギーを放出させる手榴弾のような投擲武器だったのだろうが……」
「威力が強過ぎて、間違いなく自爆しますからね」
「ああ。フィアがいなければ、辺り一帯が吹っ飛んでいた」
万が一に備えてシールドで囲っておいたから大事には至らなかったが、対策なしで試用していたら恐ろしい被害が出ていただろう。
こうなると、宝くじどころか負けたら恐ろしい罰まである博打もいいところだ。
「……フィアのシールドの内側から投げる用でしょうか」
アテラが首を傾げながら推測する。
そう考えると、用途がなくもない先史兵装のようにも思えるが……。
「そのような都合のいいシールドが存在する前提で考えると、相手も同じようにシールドで防ぐことができるだろうからな。いずれにせよ、欠陥兵器だ」
マグ達が今この時代に使用する分には、あるいは役立つ場面もあるかもしれない。
だが、これが作製された当時を基準にすると失敗作に変わりはないようだ。
たとえ現在、フィアに使わせるにしても周囲への配慮が必要になる。
効果範囲を制御しにくい武器は、素人には扱いが難しい。余り持ちたくない。
「まあ、何はともあれ、この知識は無駄ではない。迷宮遺跡から完全な状態で転がり出てくる可能性もゼロとは言えんからな」
芳しくない結果だったようにも思うが、クリルはあくまでもポジティブに捉える。
しかし、そういった面でも危険があるのが遺跡探索という訳だ。
今後もフィアのシールドには大いに頼っていくことになるだろう。
それが分かっただけマグ達にとっても得るものがあったと言えるかもしれない。
いずれにせよ、直近の従業員としての仕事はこれで完了だ。
なのでマグは、次は客として話を切り出した。
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