テイマーと錬金術の職業で冒険したい!
ゼラフの謝罪
 突然頭を下げて謝ったゼラフにバルグさんは驚いた様子を見せる。
 「あの……ゼラフ。キミは一体何のことを言っているんだい?」
 「バルグくんの事業を邪魔してしまったことなんだなぁ」
 「私の?」
 「うん……ボクはダディから受け継いで商会長になった。でもね…なったのはいいけど自信がなかったんだなぁ……」
 「自信が?」
 「うん……。ボクは商会の為を思って色んな事業を始めたんだなぁ〜。
 でもそれが上手くいかなかった。しかも失敗が続いたから前から居た従業員が、ボクを見放すように離れて行ったんだなぁ」
 その人達は地球の社会で例えると、倒産が目に見えてるから別のところに行こう。って考えで離れたのだと思うな。
 「そんな中でバルグくんが事業に成功していることを聞いたから、どんなことをしているのか見てみたら、とても繁盛していたんだなぁ。
 その盛況を見たボクは……バルグくんと同じことをやれば成功するんじゃないかなぁ? って思ったから、あんなことしてしまったんだなぁ」
 「……つい魔が差しちゃった?」
 「それもあるけど…今度失敗したら、もっとたくさんの従業員が減っちゃうんじゃないかなぁ。って不安が大きかったんだなぁ」
 「……そうだったのか」
 バルグは腕を組みながらそう言った。
 「許して欲しいって都合のいいことを言わないよ。ボクは友人であるバルグくんに心から謝罪をしたかったんだなぁ。本当に申し訳なかったんだなぁ。
 だから…その……もうキミの真似ごとは……しないし…………キミとは関わらないように…するんだなぁ」
 ゼラフさんは辛いのか言葉の途中でつっかえたりしているし、何よりも涙目になっているから、こっちまで辛くなって来る。
 「……ゼラフ。顔を上げて」
 バルグにそう言われたゼラフは恐る恐るといった感じに顔をあげた瞬間、驚いた表情に変貌する。何故ならバルグは優しそうな顔でゼラフを見つめていたのだから。
 「私もね。何でゼラフ商会が私の商会の真似ごとをしていたのか気になってたんですよ。……そう言うことだったんですね」
 バルグさんはそう言い切ると、ゼラフさんに向かって頭を下げた。
 「私の方こそすまなかった」
 「ど、どうしてバルグくんが謝るんだなぁ〜? 悪いことをしたのはボクなのに……」
 「優しいキミがどうして私の事業の真似をしているんだろう? と疑問に思っていたし、怒りもしたさ」
 「それは……当たり前なんだなぁ」
 ゼラフさんがそう言うとバルグさんは首を横に振った。
 「いいや、私はね。ゼラフくんのことを調べている内に、もしかしたらゼラフくんが私の商会を乗っ取る為にこんなことをしているんじゃないか? 思い込んでしまったんです。
 だから乗っ突れることを恐れた私は商会ギルドに行き、キミの商会に対して抗議を要請したんだ。
 今思い返せば抗議するよりも先にゼラフくんに確認をするべきでしたし、優しいゼラフくんがこんなことをする筈がありませんよね」
 バルグさんはバルグさんで思い当たるところがあったのかぁ〜……。
 「だからお互いその時のことは忘れて、昔みたく仲良くしようじゃないか」
 「バルグくん……いいの?」
 「ええ……構いませんよ」
 そう言ってバルグさんが差し出した手を、ゼラフさんは泣きながら握り締めた。
 「バルグくん……ありがとうなんだなぁ」
 「……ええ」
 ……よかった。2人の友情が戻って。……本当によかった!
 「カイリ……これもカイリのおかげだよぉ〜!」
 隣に座っていたマナさんが、そう言いながら抱き付いて来た。
 「キャンッ ︎」
 プルンッ ︎
 「〜〜〜♪」
 ルル達もマナのように嬉しそうな顔でカイリに抱き付いた。
 「ルル、プル太郎……ファニーちゃん」
 俺はなんていい仲間達を持ったんだろう!
 そんなことを思っていたら、バルグさんの隣にいたサシャさんが俺達の下にやって来た。
 「カイリ様…カイリ様のおかげでバルグ様とゼラフ様を仲を直して頂き、ありがとうございました」
 「いいえ、ゼラフさんが謝りたいという気持ちを汲んであげただけです。それに仲直り出来たのはゼラフさん自身のおかげだと思う」
 謝る時に俺頼りになってたら、それこそ不信感を覚えると思うし。
 「そう…ですね」
 仲良く話し合ってるバルグさん達を微笑ましい顔で見つめるサシャだったが、その微笑ましい顔をそのままこっちに向けてまま怒りのオーラが身体中から出しているので、カイリは余りの怖さに身体を硬直させてしまった。
 「……マナ。私の質問を答えて貰っておりませよ」
 え? …あ? え? ……質問?
 「あの…俺の護衛で付いて来た。って言いませんでした?」
 「ええ。でもそれはカイリ様からお答えして頂いた話です。私はマナ自身からちゃんと話を聞きたかったのですよ。マナ? アナタは子供ではないのですから、ちゃんとアナタの口から話してくれますよね? ……正直に」
 マナさんの方に顔を向けて見ると、小尾が縮こまっていて……いや、全身を縮こまらせて怯えている!
 「カ……カイリがゼラフと一緒にいて、どっかに行こうとしていたから、助ける為にカイリに付いて行ったんだよ」
 「……ったんだよ?」
 「行きましたぁ ︎」
 敬語に直させた!
 「そ、それで…カイリがゼラフの邸宅でお菓子作りをするって言うから、護衛次いでにお菓子作りを手伝ってたん…いました!」
 「なるほど……本当ですかカイリ様?」
 「はい! 彼女が話していることは本当ですっ ︎」
 「そうですかぁ……カイリ様の護衛という点は評価致します」
 お? これは許して貰えるっぽいぞ。
 「ですが。休み時間が過ぎても帰って来なかった点は咎められるべきですね。なので邸に帰って説教と罰を与えます。マナ、大人しく付いて来なさい」
 「イヤァアアアアアアアアアアアアッッッ ︎ ︎ 助けてカイリぃいいいいいいいいいいいいッッッ ︎ ︎」
 泣き叫ぶマナさんを連れて行こうと襟首を掴むサシャさんに対して、カイリは慌てた様子で声を掛ける。
 「ちょっ、ちょちょちょっ ︎ ちょっと待って下さい ︎」
 「何でしょうか?」
 サシャさんにギロッ ︎ と睨まれたので一瞬怯んだが、勇気を出して話し掛ける。
 「マ…マナさんが側に居てくれたおかげで心強かったし、それに料理も手伝ってくれたので助かりました。
 あとぉ…マナさんがここにいるのは俺の責任もありますから、マナさんをそんなに責めないであげて下さい」
 俺がそう言いきるとサシャさんはマナさんの方に顔を向ける。
 「カ、カイリぃ〜……」
 そしてカイリが庇おうとしているマナは、カイリのことを救世主が現れたかように眼を潤ませて見つけていた。
 「……そうですね。カイリ様にも責任がありますよね」
 お? これはマナさんを許してくれる感じか?
 「は…はい。俺にも責任があります」
 「ではマナと一緒にお叱りするので私に付いて来て下さい」
 「ええええええええええええっ! ︎」
 何で俺が怒られなきゃいけないのっ ︎
 「何を驚いていらっしゃるのですか? マナの仕事を邪魔した自分にも責任がある。とご自身でお答えしたじゃありませんか」
 「確かにそうだけどっ! 許してくれるパターンじゃないのぉ?」
 「いいえ。私は躾け……ではなく。叱ります」
 今躾けって言ったよね? 絶対言ったよねっ?
 カイリがそんなことを思っていると、マナと同じように襟首を掴まれた。
 そして2人を捕まえたサシャは天井を見つめて話し始める。
 「ミュー。後は任せましたよ」
 シュタッ ︎ と何処からか分からないが、マナさんと同じようなメイド服を着た人が現れた。
 「畏まりました。サシャ様」
 何処から出て来たんだこの人っ ︎ …ってぇっ ︎ この人、バルグさんの邸宅で俺のパンツを脱がそうとして来た人じゃん ︎
 「では、先に帰ってます」
 「あ…ああ……分かりました」
 「行きましょう。ルル様、プル太郎様、ファニー様」
 「……キャンッ ︎」
 ……プルンッ ︎
 「〜〜〜♪」
 ルル達の返事を聞いたサシャさんは、俺とマナさんを引き摺り始めた。そしてルル達は怯えながらその後を追う。
 「歩く! 自分で歩きますから手を離してっ ︎」
 「カイリ! 私と一緒に地獄に行こうか ︎」
 「そんなの絶対嫌だああああああああああああっ ︎ ︎」
カイリはサシャに引き摺られながら「マナさんを庇うんじゃなかった」と後悔するのであった。
 「あの……ゼラフ。キミは一体何のことを言っているんだい?」
 「バルグくんの事業を邪魔してしまったことなんだなぁ」
 「私の?」
 「うん……ボクはダディから受け継いで商会長になった。でもね…なったのはいいけど自信がなかったんだなぁ……」
 「自信が?」
 「うん……。ボクは商会の為を思って色んな事業を始めたんだなぁ〜。
 でもそれが上手くいかなかった。しかも失敗が続いたから前から居た従業員が、ボクを見放すように離れて行ったんだなぁ」
 その人達は地球の社会で例えると、倒産が目に見えてるから別のところに行こう。って考えで離れたのだと思うな。
 「そんな中でバルグくんが事業に成功していることを聞いたから、どんなことをしているのか見てみたら、とても繁盛していたんだなぁ。
 その盛況を見たボクは……バルグくんと同じことをやれば成功するんじゃないかなぁ? って思ったから、あんなことしてしまったんだなぁ」
 「……つい魔が差しちゃった?」
 「それもあるけど…今度失敗したら、もっとたくさんの従業員が減っちゃうんじゃないかなぁ。って不安が大きかったんだなぁ」
 「……そうだったのか」
 バルグは腕を組みながらそう言った。
 「許して欲しいって都合のいいことを言わないよ。ボクは友人であるバルグくんに心から謝罪をしたかったんだなぁ。本当に申し訳なかったんだなぁ。
 だから…その……もうキミの真似ごとは……しないし…………キミとは関わらないように…するんだなぁ」
 ゼラフさんは辛いのか言葉の途中でつっかえたりしているし、何よりも涙目になっているから、こっちまで辛くなって来る。
 「……ゼラフ。顔を上げて」
 バルグにそう言われたゼラフは恐る恐るといった感じに顔をあげた瞬間、驚いた表情に変貌する。何故ならバルグは優しそうな顔でゼラフを見つめていたのだから。
 「私もね。何でゼラフ商会が私の商会の真似ごとをしていたのか気になってたんですよ。……そう言うことだったんですね」
 バルグさんはそう言い切ると、ゼラフさんに向かって頭を下げた。
 「私の方こそすまなかった」
 「ど、どうしてバルグくんが謝るんだなぁ〜? 悪いことをしたのはボクなのに……」
 「優しいキミがどうして私の事業の真似をしているんだろう? と疑問に思っていたし、怒りもしたさ」
 「それは……当たり前なんだなぁ」
 ゼラフさんがそう言うとバルグさんは首を横に振った。
 「いいや、私はね。ゼラフくんのことを調べている内に、もしかしたらゼラフくんが私の商会を乗っ取る為にこんなことをしているんじゃないか? 思い込んでしまったんです。
 だから乗っ突れることを恐れた私は商会ギルドに行き、キミの商会に対して抗議を要請したんだ。
 今思い返せば抗議するよりも先にゼラフくんに確認をするべきでしたし、優しいゼラフくんがこんなことをする筈がありませんよね」
 バルグさんはバルグさんで思い当たるところがあったのかぁ〜……。
 「だからお互いその時のことは忘れて、昔みたく仲良くしようじゃないか」
 「バルグくん……いいの?」
 「ええ……構いませんよ」
 そう言ってバルグさんが差し出した手を、ゼラフさんは泣きながら握り締めた。
 「バルグくん……ありがとうなんだなぁ」
 「……ええ」
 ……よかった。2人の友情が戻って。……本当によかった!
 「カイリ……これもカイリのおかげだよぉ〜!」
 隣に座っていたマナさんが、そう言いながら抱き付いて来た。
 「キャンッ ︎」
 プルンッ ︎
 「〜〜〜♪」
 ルル達もマナのように嬉しそうな顔でカイリに抱き付いた。
 「ルル、プル太郎……ファニーちゃん」
 俺はなんていい仲間達を持ったんだろう!
 そんなことを思っていたら、バルグさんの隣にいたサシャさんが俺達の下にやって来た。
 「カイリ様…カイリ様のおかげでバルグ様とゼラフ様を仲を直して頂き、ありがとうございました」
 「いいえ、ゼラフさんが謝りたいという気持ちを汲んであげただけです。それに仲直り出来たのはゼラフさん自身のおかげだと思う」
 謝る時に俺頼りになってたら、それこそ不信感を覚えると思うし。
 「そう…ですね」
 仲良く話し合ってるバルグさん達を微笑ましい顔で見つめるサシャだったが、その微笑ましい顔をそのままこっちに向けてまま怒りのオーラが身体中から出しているので、カイリは余りの怖さに身体を硬直させてしまった。
 「……マナ。私の質問を答えて貰っておりませよ」
 え? …あ? え? ……質問?
 「あの…俺の護衛で付いて来た。って言いませんでした?」
 「ええ。でもそれはカイリ様からお答えして頂いた話です。私はマナ自身からちゃんと話を聞きたかったのですよ。マナ? アナタは子供ではないのですから、ちゃんとアナタの口から話してくれますよね? ……正直に」
 マナさんの方に顔を向けて見ると、小尾が縮こまっていて……いや、全身を縮こまらせて怯えている!
 「カ……カイリがゼラフと一緒にいて、どっかに行こうとしていたから、助ける為にカイリに付いて行ったんだよ」
 「……ったんだよ?」
 「行きましたぁ ︎」
 敬語に直させた!
 「そ、それで…カイリがゼラフの邸宅でお菓子作りをするって言うから、護衛次いでにお菓子作りを手伝ってたん…いました!」
 「なるほど……本当ですかカイリ様?」
 「はい! 彼女が話していることは本当ですっ ︎」
 「そうですかぁ……カイリ様の護衛という点は評価致します」
 お? これは許して貰えるっぽいぞ。
 「ですが。休み時間が過ぎても帰って来なかった点は咎められるべきですね。なので邸に帰って説教と罰を与えます。マナ、大人しく付いて来なさい」
 「イヤァアアアアアアアアアアアアッッッ ︎ ︎ 助けてカイリぃいいいいいいいいいいいいッッッ ︎ ︎」
 泣き叫ぶマナさんを連れて行こうと襟首を掴むサシャさんに対して、カイリは慌てた様子で声を掛ける。
 「ちょっ、ちょちょちょっ ︎ ちょっと待って下さい ︎」
 「何でしょうか?」
 サシャさんにギロッ ︎ と睨まれたので一瞬怯んだが、勇気を出して話し掛ける。
 「マ…マナさんが側に居てくれたおかげで心強かったし、それに料理も手伝ってくれたので助かりました。
 あとぉ…マナさんがここにいるのは俺の責任もありますから、マナさんをそんなに責めないであげて下さい」
 俺がそう言いきるとサシャさんはマナさんの方に顔を向ける。
 「カ、カイリぃ〜……」
 そしてカイリが庇おうとしているマナは、カイリのことを救世主が現れたかように眼を潤ませて見つけていた。
 「……そうですね。カイリ様にも責任がありますよね」
 お? これはマナさんを許してくれる感じか?
 「は…はい。俺にも責任があります」
 「ではマナと一緒にお叱りするので私に付いて来て下さい」
 「ええええええええええええっ! ︎」
 何で俺が怒られなきゃいけないのっ ︎
 「何を驚いていらっしゃるのですか? マナの仕事を邪魔した自分にも責任がある。とご自身でお答えしたじゃありませんか」
 「確かにそうだけどっ! 許してくれるパターンじゃないのぉ?」
 「いいえ。私は躾け……ではなく。叱ります」
 今躾けって言ったよね? 絶対言ったよねっ?
 カイリがそんなことを思っていると、マナと同じように襟首を掴まれた。
 そして2人を捕まえたサシャは天井を見つめて話し始める。
 「ミュー。後は任せましたよ」
 シュタッ ︎ と何処からか分からないが、マナさんと同じようなメイド服を着た人が現れた。
 「畏まりました。サシャ様」
 何処から出て来たんだこの人っ ︎ …ってぇっ ︎ この人、バルグさんの邸宅で俺のパンツを脱がそうとして来た人じゃん ︎
 「では、先に帰ってます」
 「あ…ああ……分かりました」
 「行きましょう。ルル様、プル太郎様、ファニー様」
 「……キャンッ ︎」
 ……プルンッ ︎
 「〜〜〜♪」
 ルル達の返事を聞いたサシャさんは、俺とマナさんを引き摺り始めた。そしてルル達は怯えながらその後を追う。
 「歩く! 自分で歩きますから手を離してっ ︎」
 「カイリ! 私と一緒に地獄に行こうか ︎」
 「そんなの絶対嫌だああああああああああああっ ︎ ︎」
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