テイマーと錬金術の職業で冒険したい!
解体スキルの力!
 アンリーさん案内の元、解体場にやって来ると作業していた人達が一斉にこっちを向くが、すぐに仕事に戻った。
 ああ、なるほど……仕事人間って人達だから、俺に関心がないのかな?
 そんな中、厳ついおじさんが俺達の元にやって来た。
 「アンリー。こんなところに嬢ちゃんなんて連れて来て、何のつもりだ?」
 「ジェレミーちゃぁん! カイリちゃぁんは、ここに倒した魔物を持って来ただけよぉ〜♡」
 この人、ジェレミーって言うんだ。
 「魔物? ……もしかして嬢ちゃん、アイテムボックスのスキルを持っているのか?」
 「はい!」
 俺がそう答えると、俺とルルとプル太郎を交互に見た後に作業台へと向かう。
 「魔物の種類と何匹いるか教えてくれ」
 「キバネズミが10匹います」
 「キバネズミ10匹かぁ……ならこの作業台に全部乗せられるなぁ。ここに全部置いてくれ」
 「はい。あ、でも1匹は売りません」
 「どうしてだ?」
 「分解ってスキルを持っていて、その実験台にしようかなぁ。って考えているんです」
 一応チュートリアルの説明では、錬成と同じように手をかざせば出来るそうだ。
 「ふ〜ん、なるほどなぁ……嬢ちゃんが狩って来た魔物だから、嬢ちゃんの好きにすればいい」
 「ありがとうございます!」
 そうお礼を言ってから、倒したキバネズミを全部テーブルの上に置いた。
 「ん? この4体の方はえらくボロボロだな?」
 「まぁ、ルル達が頑張って倒してくれたものです」
 「キャンッ!」
 プルンッ!
 ルル達は誇らしそうな顔でジェレミーさんを見つめる。
 「……そうか。これぐらいの傷なら、何とか商品になるから問題なさそうだ」
 「あ、そうですか」
 つまり、素材で売りたいのなら、身体をあんまり傷付けない方がいい。って言いたいんだろうなぁ。
 「キバネズミはね。毛皮は柔く擦れに強いから、防具の裏に貼る生地として使われるのよぉ♡」
 「そうなんですか?」
 「ああ、この毛皮を防具の裏に1枚貼ってれば服が擦れて破れ難くなるし、肌と接しているところだったら、擦り傷水膨れが出来なくなるから重宝されているんだ」
 「牙の方は錬金術で使われることが多いのよぉ♡」
 牙が錬金術で使われることが多い……それってつまり何かアイテムを作る時に必要な素材ってことだよな。
 「あらぁ〜? そんな顔をしてどうしたの、カイリちゃぁん♡」
 「あ、いえ! 何でもないです!」
 「も・し・か・し・てぇ〜……牙の方欲しいのかしらぁ♡」
 身体をウネウネさせながら言うアンリーさんの姿に、ちょっと引きそうになるが、グッと堪える。
 「9体の方はそのまま売ります。残りの1体の方は分解スキルが上手くいった時に、牙以外の素材を渡します」
 何が作れるか分からないけど、素材になるなら欲しい。
 「そうか。早速だがギリ売り物になる1番左のヤツでやってみるんだ」
 「分かりました」
 ジェレミーさんに返事をした後、そのキバネズミに近付いて手をかざす。
 上手く行きますように!
 「【分解】!」
 唱えた瞬間キバネズミの身体が光に包まれた後、何も無かったかのようにキバネズミが何処かに消えてしまった。
 「……あれ?」
 どうして? もしかして分解失敗したのか?
 「キャンッ……」
 ルルも「消えちゃったよ。どこ行ったの?」と言いたそうな鳴き声を上げた。いや、俺が何処に行ったのか聞きたいぐらいだ。
 「キバネズミが……消えた?」
 「おい、まさか分解スキル失敗したのか?」
 「そんな筈はないです! もしかしたら……あっ ︎」
 失敗とかアナウンスがないってことは成功したってことだよな。だったら何処かにある筈……もしかして!
 そう思いながらアイテムボックスの中を見てみると、キバネズミの牙、キバネズミの毛皮、キバネズミの肉の3つが追加されていた。
 「アイテムボックスの中に入ってる!」
 「ええっ ︎」
 「それは本当なのか?」
 「はい。しかも解体スキルを使ったら、魔力が2も減りました」
 MPが2減ったってことは、一回の使用にMP2必要ってことになるな。便利に感じる。しかし、たくさん魔物を狩った時のことを考えたらどうだ?
  「10体を【分解】スキルで解体すればMPが20減るし、20体の場合になったらMPが40ってことだよな。使い道を考えた方がよさそうな気がする」
 「そうねぇ〜……今のカイリちゃんには気兼ねに使えないわねぇ。もう分かってるかもしれないけど、分解のスキルを使う時は街や村とか安全なところの近くで使った方がいいわよぉ♡」
 「もしくは、冒険者ギルドのこの場所とかな。それとだ……」
 ジェレミーさんは作業している人達に顔を向ける。
 「おいお前ら! もう分かっていると思うが、このことは他言無用だ! でなきゃ職を失うぞ、分かったかぁっ ︎」
 「「「「「は、はいっ!」」」」」
 他の解体場の職員は怯えた表情で返事すると、そのまま作業に戻った。
 「あの……流石に言い過ぎじゃないんですか?」
 「……お前、自分のスキルの危うさに気付いているのか?」
 スキルの……危うさ?
 「う〜ん……普通に使う分には大丈夫だと思いますよ。分解を使えば手間が省けますし、何よりも汚れませんし」
 てか、こんな単純なスキルをどうやって悪用するのか聞きたいぐらいだ。
 「そこだよ、そこ!」
 「え? ……そこ?」
 「分解にアイテムボックススキルがあれば、倒したモンスターを全部お前に任せれば済むし、何よりも戦える従魔がいるだろう? 自分達が戦っている間、その従魔達にお前の護衛任せればいい」
 まぁ確かにそうだけどさ。
 「それは、それでいいんじゃないんですか? パーティーとしての役割りはちゃんとしてますし」
 「う〜ん……そう思う子のが普通よぉ。でもね、冒険者の中には偏見を持ってる人がいてねぇ。戦えない荷物持ちって言う子もいるのよぉ♡」
 「もしかして、その偏見を持った人と組んだりしたら……」
 「大変な目に遭うのは間違いないわねぇ。でも心配しないで、そういう子は冒険者ギルドの方で把握しているから、カイリちゃぁんとは組ませないわぁ♡」
 アンリーさんが頼もしい人でよかったよ……うん。
 「それよりもぉ、アイテムボックスに入ってるキバネズミの毛皮とお肉を出してちょうだぁ〜い♡」
 「あ、はい……分かりましたぁ」
 そう返事をすると、アイテムボックスに入っているキバネズミの肉と毛皮をテーブルの上に出しら、ジェレミーさんが毛皮の方を手に持って確認し始めた。
 「う〜む……毛皮の傷がなくなっている。これなら余すことなく使えそうだな」
 「こっちのお肉の方も綺麗に皮剥きした感じに見えるわぁ。これなら通常よりも買い取れそうねぇ〜♡」
 「お肉に使い道があるんですか ︎」
 「あるわよぉ。合い挽きハンバーグとかソーセージの繋ぎとかにねぇ♡」
 ああ、なるほど。要はかさ増しに使うってことか。
 「カイリちゃぁんが持って来てくれた魔物の査定をするから、カウンターの方で待っててちょうだいねぇ♡」
 「分かりましたぁ……行こうルル」
 「キャンッ!」
 ルルを連れてカウンターへと向かうのだが、プル太郎が「僕のことも忘れないで!」と言いたそうな感じで頭の上を飛び跳ねるので、掴んで抱きかかえた。
 「別に忘れてる訳じゃないよ。プル太郎は頭の上にいるからさぁ、伝える必要ないじゃん」
 プルンッ……。
 「確かにそうだけどぉ〜……」と言いたそうに身体をクネクネさせるので、ちょっと可愛いと思ってしまった。
 ……ん? ちょっと待てよ。もしかして構って欲しかったのか?
 「よしよし……みんなで大人しく待ってようか」
 プル太郎の身体を撫でながらカウンターへと戻って来たのはいいけど、今度はルルが嫉妬してしまい、構ってあげることになってしまった。
 2匹を相手にするのは大変だけど、可愛いから頑張れるっ ︎
 ああ、なるほど……仕事人間って人達だから、俺に関心がないのかな?
 そんな中、厳ついおじさんが俺達の元にやって来た。
 「アンリー。こんなところに嬢ちゃんなんて連れて来て、何のつもりだ?」
 「ジェレミーちゃぁん! カイリちゃぁんは、ここに倒した魔物を持って来ただけよぉ〜♡」
 この人、ジェレミーって言うんだ。
 「魔物? ……もしかして嬢ちゃん、アイテムボックスのスキルを持っているのか?」
 「はい!」
 俺がそう答えると、俺とルルとプル太郎を交互に見た後に作業台へと向かう。
 「魔物の種類と何匹いるか教えてくれ」
 「キバネズミが10匹います」
 「キバネズミ10匹かぁ……ならこの作業台に全部乗せられるなぁ。ここに全部置いてくれ」
 「はい。あ、でも1匹は売りません」
 「どうしてだ?」
 「分解ってスキルを持っていて、その実験台にしようかなぁ。って考えているんです」
 一応チュートリアルの説明では、錬成と同じように手をかざせば出来るそうだ。
 「ふ〜ん、なるほどなぁ……嬢ちゃんが狩って来た魔物だから、嬢ちゃんの好きにすればいい」
 「ありがとうございます!」
 そうお礼を言ってから、倒したキバネズミを全部テーブルの上に置いた。
 「ん? この4体の方はえらくボロボロだな?」
 「まぁ、ルル達が頑張って倒してくれたものです」
 「キャンッ!」
 プルンッ!
 ルル達は誇らしそうな顔でジェレミーさんを見つめる。
 「……そうか。これぐらいの傷なら、何とか商品になるから問題なさそうだ」
 「あ、そうですか」
 つまり、素材で売りたいのなら、身体をあんまり傷付けない方がいい。って言いたいんだろうなぁ。
 「キバネズミはね。毛皮は柔く擦れに強いから、防具の裏に貼る生地として使われるのよぉ♡」
 「そうなんですか?」
 「ああ、この毛皮を防具の裏に1枚貼ってれば服が擦れて破れ難くなるし、肌と接しているところだったら、擦り傷水膨れが出来なくなるから重宝されているんだ」
 「牙の方は錬金術で使われることが多いのよぉ♡」
 牙が錬金術で使われることが多い……それってつまり何かアイテムを作る時に必要な素材ってことだよな。
 「あらぁ〜? そんな顔をしてどうしたの、カイリちゃぁん♡」
 「あ、いえ! 何でもないです!」
 「も・し・か・し・てぇ〜……牙の方欲しいのかしらぁ♡」
 身体をウネウネさせながら言うアンリーさんの姿に、ちょっと引きそうになるが、グッと堪える。
 「9体の方はそのまま売ります。残りの1体の方は分解スキルが上手くいった時に、牙以外の素材を渡します」
 何が作れるか分からないけど、素材になるなら欲しい。
 「そうか。早速だがギリ売り物になる1番左のヤツでやってみるんだ」
 「分かりました」
 ジェレミーさんに返事をした後、そのキバネズミに近付いて手をかざす。
 上手く行きますように!
 「【分解】!」
 唱えた瞬間キバネズミの身体が光に包まれた後、何も無かったかのようにキバネズミが何処かに消えてしまった。
 「……あれ?」
 どうして? もしかして分解失敗したのか?
 「キャンッ……」
 ルルも「消えちゃったよ。どこ行ったの?」と言いたそうな鳴き声を上げた。いや、俺が何処に行ったのか聞きたいぐらいだ。
 「キバネズミが……消えた?」
 「おい、まさか分解スキル失敗したのか?」
 「そんな筈はないです! もしかしたら……あっ ︎」
 失敗とかアナウンスがないってことは成功したってことだよな。だったら何処かにある筈……もしかして!
 そう思いながらアイテムボックスの中を見てみると、キバネズミの牙、キバネズミの毛皮、キバネズミの肉の3つが追加されていた。
 「アイテムボックスの中に入ってる!」
 「ええっ ︎」
 「それは本当なのか?」
 「はい。しかも解体スキルを使ったら、魔力が2も減りました」
 MPが2減ったってことは、一回の使用にMP2必要ってことになるな。便利に感じる。しかし、たくさん魔物を狩った時のことを考えたらどうだ?
  「10体を【分解】スキルで解体すればMPが20減るし、20体の場合になったらMPが40ってことだよな。使い道を考えた方がよさそうな気がする」
 「そうねぇ〜……今のカイリちゃんには気兼ねに使えないわねぇ。もう分かってるかもしれないけど、分解のスキルを使う時は街や村とか安全なところの近くで使った方がいいわよぉ♡」
 「もしくは、冒険者ギルドのこの場所とかな。それとだ……」
 ジェレミーさんは作業している人達に顔を向ける。
 「おいお前ら! もう分かっていると思うが、このことは他言無用だ! でなきゃ職を失うぞ、分かったかぁっ ︎」
 「「「「「は、はいっ!」」」」」
 他の解体場の職員は怯えた表情で返事すると、そのまま作業に戻った。
 「あの……流石に言い過ぎじゃないんですか?」
 「……お前、自分のスキルの危うさに気付いているのか?」
 スキルの……危うさ?
 「う〜ん……普通に使う分には大丈夫だと思いますよ。分解を使えば手間が省けますし、何よりも汚れませんし」
 てか、こんな単純なスキルをどうやって悪用するのか聞きたいぐらいだ。
 「そこだよ、そこ!」
 「え? ……そこ?」
 「分解にアイテムボックススキルがあれば、倒したモンスターを全部お前に任せれば済むし、何よりも戦える従魔がいるだろう? 自分達が戦っている間、その従魔達にお前の護衛任せればいい」
 まぁ確かにそうだけどさ。
 「それは、それでいいんじゃないんですか? パーティーとしての役割りはちゃんとしてますし」
 「う〜ん……そう思う子のが普通よぉ。でもね、冒険者の中には偏見を持ってる人がいてねぇ。戦えない荷物持ちって言う子もいるのよぉ♡」
 「もしかして、その偏見を持った人と組んだりしたら……」
 「大変な目に遭うのは間違いないわねぇ。でも心配しないで、そういう子は冒険者ギルドの方で把握しているから、カイリちゃぁんとは組ませないわぁ♡」
 アンリーさんが頼もしい人でよかったよ……うん。
 「それよりもぉ、アイテムボックスに入ってるキバネズミの毛皮とお肉を出してちょうだぁ〜い♡」
 「あ、はい……分かりましたぁ」
 そう返事をすると、アイテムボックスに入っているキバネズミの肉と毛皮をテーブルの上に出しら、ジェレミーさんが毛皮の方を手に持って確認し始めた。
 「う〜む……毛皮の傷がなくなっている。これなら余すことなく使えそうだな」
 「こっちのお肉の方も綺麗に皮剥きした感じに見えるわぁ。これなら通常よりも買い取れそうねぇ〜♡」
 「お肉に使い道があるんですか ︎」
 「あるわよぉ。合い挽きハンバーグとかソーセージの繋ぎとかにねぇ♡」
 ああ、なるほど。要はかさ増しに使うってことか。
 「カイリちゃぁんが持って来てくれた魔物の査定をするから、カウンターの方で待っててちょうだいねぇ♡」
 「分かりましたぁ……行こうルル」
 「キャンッ!」
 ルルを連れてカウンターへと向かうのだが、プル太郎が「僕のことも忘れないで!」と言いたそうな感じで頭の上を飛び跳ねるので、掴んで抱きかかえた。
 「別に忘れてる訳じゃないよ。プル太郎は頭の上にいるからさぁ、伝える必要ないじゃん」
 プルンッ……。
 「確かにそうだけどぉ〜……」と言いたそうに身体をクネクネさせるので、ちょっと可愛いと思ってしまった。
 ……ん? ちょっと待てよ。もしかして構って欲しかったのか?
 「よしよし……みんなで大人しく待ってようか」
 プル太郎の身体を撫でながらカウンターへと戻って来たのはいいけど、今度はルルが嫉妬してしまい、構ってあげることになってしまった。
 2匹を相手にするのは大変だけど、可愛いから頑張れるっ ︎
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