勇者として神からもらった武器が傘だった俺は一人追い出された。えっ?なにこの傘軽く見積もって最高じゃん

ノベルバユーザー521142

ポーション風呂は大盛況だった。

 おっさんたちがひと通り終わると、今度は女性がお風呂に入るようだった。
 まさか初日で男女で時間差をつけていれるようになるほど調整をしてくれたなんて、さすがニコバアだ。

 一度俺はお風呂場に行き、清掃するからといって水の入れ替えをする。
 さすが大量におっさんたちがはいったあとに女性が入るのは嫌かもしれないという配慮だ。

 水を抜いて入れ替えるまでには30分くらいだろうか。
 俺はまた傘をとりだし、ポーションをためていく。

 昨日いれたときよりも、ポーションのでる量が増えている感じがする。
 使えば使うほど効果があがるのかも知れない。

 それにしてもこの水飲めるんだよな。
 少し疲れていたので一度ポーションを片手にいれ傘をおく。

「うん。美味い」
「……テル……お前そういう趣味があったのか。掃除にしては時間がかかっていると思って見に来たんだが」

 そこにはニコバアが信じられないものを見たような顔をして立っている。
 いや、親父の入った後の水飲んでたわけじゃないぞ。

 そんな水に上手いとか言わないし。
「いや、大丈夫だぞ。ちょうど入れ終わったところだ」
 何が入れ終わったところで大丈夫だというのだろう。

 言い訳になっていない言い訳をしてしまった。

「そうか。……まぁ大変な仕事だからな。いろいろな趣味を持った人もいるが、イブキはいい子だからな悲しませないで欲しい」
 なにか盛大に誤解をうけたが、そのあと何とか弁解をした。
 水も入れ替わっていたので、これは自分の地域の習わしだと説明しておいた。

 水の神様への感謝を伝える儀式だと言って。
 かなり疑わしい目で見られたが、一応は納得してくれたようだった。
 こんなところで飲むんじゃなかった。

 水を入れかえ掃除をして部屋に戻ると女性客が列を作っていた。
 なぜか女性の一番最初に並んでいたのはギルド受付のキロルさんだった。

「あら、テル様お疲れ様です。昼間働いて夜も働くなんてすごいですね。もう入っても大丈夫ですか?」

「お疲れ様です。まさかこんなに繁盛してるとは俺もビックリです。綺麗に掃除しておきましたのでゆっくり入って下さい」

「ありがとうございます。お父さんたちの肌がツルツルで美肌になれるって噂なので楽しみにしてきたんです」

 キロルさんは嬉しそうにお風呂にはいっていく。
 美肌になれるなんて初めて知ったが、でもポーションって傷の回復だから荒れてる肌も回復させてくれるのか。

 ニコバアとイブキも受付を変わるからといってお風呂に入ってもらう。
 ちょっとしたハプニングもあったがお風呂からでたらみんなで果物でも食べよう。

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