猫と宇宙人はゴーストバスターを始めたようです
第30話 超能力者(笑)
「「「「 おー! 」」」」
なかに入ると、猫とおっちゃんが声を上げた
「なかなかすごいだろ。アタシが稼いだ金で建てたんだゼブラーマントヒヒ」
「すごい、なんてもんじゃないですよ。実はとんでもない金持ちなんですね!」
「そんなことない。もともとアタシは普通の家の娘として産まれたからね。子供ができてから自立して、澄海を育てていくためには、普通の家ではダメだったんだ。だから実家とは縁を切って、自分の力でここまで持ってきた。自立っていっても、去年まではアタシも大学生だったんだけどね。今が社会人一年目!」
「大学生だったんだ、すごいですね………あ、そうだ。こんなデカい家なんだ。メイドさんとかって」
「いるよ。」
「いるのかよ!」
「メイドっつうより家政婦みたいな奴なんだけどね。今から紹介してやるよ。あ、豪邸だけど靴は脱いでね。中で履くスリッパは用意してあるから。」
そういうと、ママは草履を脱いで玄関に放置し、足袋で我が家を闊歩し始める。これがいつもの光景だ。
ママが私服でいる姿をあまり見たことがない。
「玄関があるのに、そんなことはしませんよ」
おっちゃんも靴を脱いで、その辺にあったスリッパを拝借。
実はこの屋敷、廊下はフローリングで、部屋は大体が畳の部屋となっている。
ママが『タタミの方が落ち着くじゃんじゃかじゃーん』とかほざいたせいである。
僕も畳は好きだ。おばあちゃんも、タタミの部屋でよくごろごろしながら漫画を読んでるし、デメリットはない。
しばらく歩くと、スリッパが脱いで置いてある部屋があった。
襖の上に目を凝らすと『スタッフルーム』とプレートに書いてある。
ママがその部屋の襖をガラッと開けて中に入る。
僕たちも後に続いた。
「あ、おか。レイひゃん。」
そこには、下着姿のままポッキーを口に咥え、ゴロゴロと転がりながら漫画を読んでいる人がいた。
スタッフルームはゴミが散乱している。
「おう、ただ。ユウ。おっぱい揉ませろ」
ママはその人に片手をあげて簡素な挨拶をする。
「やだ。んー? 後ろの子たちは?」
「アタシの一番弟子と、澄海の友達だ。」
友達じゃない、と心の中で突っ込んでおいた。友達になった記憶は僕にはない。
「あれ。スカイぼっちゃん友達できたんだー。えらいね。」
「えへへ、ぼくはティモっていいます!」
「私はー、タマですー。」
「お、岡田………クロ。」
三猫がそれぞれのあいさつをする。お前らは僕の友達でいいのか? そういう認識されてるんだぞ。
「わぁ、ねこみみだぁ。かわいいね。それで、そこの私から目をそらしている褐色のにいちゃんが、レイちゃんの一番弟子ってわけだね?」
ユウと呼ばれた女の人は、下着姿のまま堂々と立ち上がり、僕たちの方に歩いてきた。
本名は水瀬優。この人が、家の家事全般をしてくれる家政婦“みたいな”人だ。
片づけや洗濯。日曜大工まで何でもできる。どちらかというと、なんというか、ガテン系だ。
実は家出中のところをママがどこかで拾ったらしい。
ちなみに料理の腕だけは壊滅的なので、僕がコンビニ弁当を買いにいく羽目になっている。
「岡田修です。服着てください。」
おっちゃんはその人を見ようとはせずに、そっぽを向いたまま言った。
「やだ。おっぱい揉むかい?」
「ぜひ」
―――ガンッ!
「っ――――!! いっでぇ!」
「おっちゃーん? 私が大きくなったらー、その時は揉ませてあげるからー。ちょっとあっちでお話ししようかー。」
「それ大好きなおっちゃんにする行動!? 今めちゃくちゃ痛かったからね! 足の小指思いっきり踏んづけたよね!!」
「はいはーい。デレデレしないのー。」
ズルズルと引きずられるおっちゃんを横目に見る。
「………優。おまえいい年だろ。服くらい着ろ。」
ため息を吐きつつ、一応僕も注意する。
「やだ。わちきはまだ、ぴちぴちの13歳だもーん!」
もうダメだこいつ。
どこか遠くで『うそぉ!?』と聞こえてきた。
たぶん、引きずられるおっちゃんだろう
「年は………修さんと、同じくらいに………見えるね。」
クロが僕の隣で呟く。そう、13歳というには、体つきが大人っぽすぎる。
おもに胸あたりが。
「わちき、姉御っぽい? クロはわちきを崇めて奉ることを許してしんぜよう!」
優はクロをギューッと抱きしめた。
バタバタと苦しそうに優の胸でもがくクロ。
「お? 案外力がありおるな、お主。でもわちきも負けないわよ!!」
「う、きゅぅ~~っ………」
「あぁん! この子かわいい!」
と、ヒートアップしてクロを不思議な優ワールドへといざなう。
しかし、説明をさせず、話を進められないのを良しとしない、気の短いママが―――
「いい加減にしろユウ。この家から追い出すぞ。」
額に青筋を浮かべて睨みつけると
「はいやめますゆるしてくださいすみませんでしたはんせいはしていますだからどうかおいだすのだけはかんべんしてくださいほんとなんでもしますので。」
素早く土下座の構えになって頭を床に叩きつけた。
今、コーン! って反響する音がしたけど、脳みそ入ってないのかな。
「あーもう暑苦しい。何でもするならおっぱい揉ませろ」
「やだ。」
矛盾してるし。
「はぁ………顔あげろ、家の片づけはもう終わっているんだろうね。………この状況でこのセリフは、なんかアタシが意地悪な姉になった気分だよ。」
「もちろんだよレイちゃん! わちきにかかればレイちゃんの部屋でも一分もあれば余裕で片づけられるよ! ………わちきはシンデレラでありますか?」
「スタッフルームを散らかすシンデレラはいらナイタートルトルネード。働かないシンデレラなんて、姉にいじめられて当然だ。」
む、ママが新しい表現方法をした。
『ナイター』『タートル』『トルネード』
『トル』を二度言うことによってテンポがよくなっている………
… … … も の す ご く 、 ど う で も い い !!
ママが優に白い目を向ける。
部屋を見渡すと、スタッフルームはゴミだらけ。こいつは自分のテリトリーが散らかっているのに、家を掃除したなどとのたまっていやがるのだ。
「ややっ! 疑いの眼差し! じゃあこの部屋を一分で片づけてしんぜよう!」
そういうと優は、部屋の中央へと向かい、ゴミ袋を取り出して、正座で座り込んだ。
「一分待つ。」
人差し指を立てたママが廊下に出た。僕たちも部屋から出ると、ママが襖を閉める。
「師匠、さすがに一分は無理なんじゃないですか?」
部屋の外で、タマを肩車していたおっちゃんがママに問う。
仲直り、早いな。
「私もそう思うなー。頑張っても―、5分はかかりそうな感じで散らかってたよ~?」
タマも尻尾でおっちゃんの背中をもふもふしながら続く。
「ああ、だろうな。でも、面白いものが見られるぞ。」
ニヤリと笑うママのその言い方に、三猫とおっちゃんが首を捻る。
一分が経った。
「終わったよな。入るゾッコンクリキントン」
ママが言葉のテンポに合わせながら襖を開けると、
優がゴミ袋の口を結んでいるところだった。
「ふぃ~、ちょうど今終わったよっと。ドヤァ!」
正座の姿勢で額の汗を拭う。
「おお、地味にすごいな」
「本当だー。片付いてるー。地味にすごいねー。」
「………たしかに、すごい………です。………地味、だけど。」
「にいちゃん、ジミってなに? セミのなかま?」
「………(こくり)………地味。」
「だろ? ユウは地味にすごいんだ。5分かかる片づけを1分で終わらせるくらいすごい。」
部屋の外からそれぞれの感想を漏らす。
「いやぁぁぁぁぁあああああ! ジミジミ言わないでーっ! これでもわちきはめちゃくちゃ頑張ったでやんすよ!?」
腕をブンブンと振って抗議するも、誰もそれを聞いていない。
「でも、一体どういうトリックなんです? 地味にすごいその片付けスキルを、是非ご教授していただきたいのですが。」
おっちゃんのアパートは、別に散らかっているわけではなかったけど、早く片付けることができるなら、それを覚えたいという欲があるだろうね。
無理だけど。
「うん。種明かしするとね」
「わーダメダメ言わないでレイちゃん! なんでそんなに口が軽いの!」
本気で焦る優だが、面白そうな気配を敏感に感じ取ったおっちゃんとタマが――
「――タマ、拘束しなさい!」
と、おっちゃんが肩車しているタマを、前方にブン投げた
「がってーん!」
投げられながら間延びしたタマの声だが、さすがの猫の着地。四肢を床に着けて音を立てないで着地した。
―――瞬間、タマの姿がブレた。
「はや―――むぎゅぅ!?」
一瞬で優の背後に回り込み、立ち上がりかけた優に膝かっくん。そこからの、優の口を背後から押さえて地面にたたき伏せる。
四足獣本来の構えから、一歩目に最高速度で走り出したのか。
僕が本気を出してもできそうにない芸当だな。
「もごー! ふごふー!」
タマは素早く優の腹に乗って、足で優の両腕を踏み、左手で重心を押さえる。
これじゃあ立ち上がることも出来ないな。
「師匠、どうぞ。」
「修ちゃん、グッジョブ。」
ママが親指を立てておっちゃんを褒める。僕もやかましいのは好きじゃない。
ママは、真剣な顔で、噛まないようにゆっくりと、優の正体を話す。
「実は、こいつ………『超能力者(笑)』なんだ」
「もぎゃー!」
「へー」
「ぷはっ! しかも反応薄い!?」
まぁ、ここにいる人たち、全員どこかおかしい人しかいないもん。
そのくらいじゃビビらないよ。
なかに入ると、猫とおっちゃんが声を上げた
「なかなかすごいだろ。アタシが稼いだ金で建てたんだゼブラーマントヒヒ」
「すごい、なんてもんじゃないですよ。実はとんでもない金持ちなんですね!」
「そんなことない。もともとアタシは普通の家の娘として産まれたからね。子供ができてから自立して、澄海を育てていくためには、普通の家ではダメだったんだ。だから実家とは縁を切って、自分の力でここまで持ってきた。自立っていっても、去年まではアタシも大学生だったんだけどね。今が社会人一年目!」
「大学生だったんだ、すごいですね………あ、そうだ。こんなデカい家なんだ。メイドさんとかって」
「いるよ。」
「いるのかよ!」
「メイドっつうより家政婦みたいな奴なんだけどね。今から紹介してやるよ。あ、豪邸だけど靴は脱いでね。中で履くスリッパは用意してあるから。」
そういうと、ママは草履を脱いで玄関に放置し、足袋で我が家を闊歩し始める。これがいつもの光景だ。
ママが私服でいる姿をあまり見たことがない。
「玄関があるのに、そんなことはしませんよ」
おっちゃんも靴を脱いで、その辺にあったスリッパを拝借。
実はこの屋敷、廊下はフローリングで、部屋は大体が畳の部屋となっている。
ママが『タタミの方が落ち着くじゃんじゃかじゃーん』とかほざいたせいである。
僕も畳は好きだ。おばあちゃんも、タタミの部屋でよくごろごろしながら漫画を読んでるし、デメリットはない。
しばらく歩くと、スリッパが脱いで置いてある部屋があった。
襖の上に目を凝らすと『スタッフルーム』とプレートに書いてある。
ママがその部屋の襖をガラッと開けて中に入る。
僕たちも後に続いた。
「あ、おか。レイひゃん。」
そこには、下着姿のままポッキーを口に咥え、ゴロゴロと転がりながら漫画を読んでいる人がいた。
スタッフルームはゴミが散乱している。
「おう、ただ。ユウ。おっぱい揉ませろ」
ママはその人に片手をあげて簡素な挨拶をする。
「やだ。んー? 後ろの子たちは?」
「アタシの一番弟子と、澄海の友達だ。」
友達じゃない、と心の中で突っ込んでおいた。友達になった記憶は僕にはない。
「あれ。スカイぼっちゃん友達できたんだー。えらいね。」
「えへへ、ぼくはティモっていいます!」
「私はー、タマですー。」
「お、岡田………クロ。」
三猫がそれぞれのあいさつをする。お前らは僕の友達でいいのか? そういう認識されてるんだぞ。
「わぁ、ねこみみだぁ。かわいいね。それで、そこの私から目をそらしている褐色のにいちゃんが、レイちゃんの一番弟子ってわけだね?」
ユウと呼ばれた女の人は、下着姿のまま堂々と立ち上がり、僕たちの方に歩いてきた。
本名は水瀬優。この人が、家の家事全般をしてくれる家政婦“みたいな”人だ。
片づけや洗濯。日曜大工まで何でもできる。どちらかというと、なんというか、ガテン系だ。
実は家出中のところをママがどこかで拾ったらしい。
ちなみに料理の腕だけは壊滅的なので、僕がコンビニ弁当を買いにいく羽目になっている。
「岡田修です。服着てください。」
おっちゃんはその人を見ようとはせずに、そっぽを向いたまま言った。
「やだ。おっぱい揉むかい?」
「ぜひ」
―――ガンッ!
「っ――――!! いっでぇ!」
「おっちゃーん? 私が大きくなったらー、その時は揉ませてあげるからー。ちょっとあっちでお話ししようかー。」
「それ大好きなおっちゃんにする行動!? 今めちゃくちゃ痛かったからね! 足の小指思いっきり踏んづけたよね!!」
「はいはーい。デレデレしないのー。」
ズルズルと引きずられるおっちゃんを横目に見る。
「………優。おまえいい年だろ。服くらい着ろ。」
ため息を吐きつつ、一応僕も注意する。
「やだ。わちきはまだ、ぴちぴちの13歳だもーん!」
もうダメだこいつ。
どこか遠くで『うそぉ!?』と聞こえてきた。
たぶん、引きずられるおっちゃんだろう
「年は………修さんと、同じくらいに………見えるね。」
クロが僕の隣で呟く。そう、13歳というには、体つきが大人っぽすぎる。
おもに胸あたりが。
「わちき、姉御っぽい? クロはわちきを崇めて奉ることを許してしんぜよう!」
優はクロをギューッと抱きしめた。
バタバタと苦しそうに優の胸でもがくクロ。
「お? 案外力がありおるな、お主。でもわちきも負けないわよ!!」
「う、きゅぅ~~っ………」
「あぁん! この子かわいい!」
と、ヒートアップしてクロを不思議な優ワールドへといざなう。
しかし、説明をさせず、話を進められないのを良しとしない、気の短いママが―――
「いい加減にしろユウ。この家から追い出すぞ。」
額に青筋を浮かべて睨みつけると
「はいやめますゆるしてくださいすみませんでしたはんせいはしていますだからどうかおいだすのだけはかんべんしてくださいほんとなんでもしますので。」
素早く土下座の構えになって頭を床に叩きつけた。
今、コーン! って反響する音がしたけど、脳みそ入ってないのかな。
「あーもう暑苦しい。何でもするならおっぱい揉ませろ」
「やだ。」
矛盾してるし。
「はぁ………顔あげろ、家の片づけはもう終わっているんだろうね。………この状況でこのセリフは、なんかアタシが意地悪な姉になった気分だよ。」
「もちろんだよレイちゃん! わちきにかかればレイちゃんの部屋でも一分もあれば余裕で片づけられるよ! ………わちきはシンデレラでありますか?」
「スタッフルームを散らかすシンデレラはいらナイタートルトルネード。働かないシンデレラなんて、姉にいじめられて当然だ。」
む、ママが新しい表現方法をした。
『ナイター』『タートル』『トルネード』
『トル』を二度言うことによってテンポがよくなっている………
… … … も の す ご く 、 ど う で も い い !!
ママが優に白い目を向ける。
部屋を見渡すと、スタッフルームはゴミだらけ。こいつは自分のテリトリーが散らかっているのに、家を掃除したなどとのたまっていやがるのだ。
「ややっ! 疑いの眼差し! じゃあこの部屋を一分で片づけてしんぜよう!」
そういうと優は、部屋の中央へと向かい、ゴミ袋を取り出して、正座で座り込んだ。
「一分待つ。」
人差し指を立てたママが廊下に出た。僕たちも部屋から出ると、ママが襖を閉める。
「師匠、さすがに一分は無理なんじゃないですか?」
部屋の外で、タマを肩車していたおっちゃんがママに問う。
仲直り、早いな。
「私もそう思うなー。頑張っても―、5分はかかりそうな感じで散らかってたよ~?」
タマも尻尾でおっちゃんの背中をもふもふしながら続く。
「ああ、だろうな。でも、面白いものが見られるぞ。」
ニヤリと笑うママのその言い方に、三猫とおっちゃんが首を捻る。
一分が経った。
「終わったよな。入るゾッコンクリキントン」
ママが言葉のテンポに合わせながら襖を開けると、
優がゴミ袋の口を結んでいるところだった。
「ふぃ~、ちょうど今終わったよっと。ドヤァ!」
正座の姿勢で額の汗を拭う。
「おお、地味にすごいな」
「本当だー。片付いてるー。地味にすごいねー。」
「………たしかに、すごい………です。………地味、だけど。」
「にいちゃん、ジミってなに? セミのなかま?」
「………(こくり)………地味。」
「だろ? ユウは地味にすごいんだ。5分かかる片づけを1分で終わらせるくらいすごい。」
部屋の外からそれぞれの感想を漏らす。
「いやぁぁぁぁぁあああああ! ジミジミ言わないでーっ! これでもわちきはめちゃくちゃ頑張ったでやんすよ!?」
腕をブンブンと振って抗議するも、誰もそれを聞いていない。
「でも、一体どういうトリックなんです? 地味にすごいその片付けスキルを、是非ご教授していただきたいのですが。」
おっちゃんのアパートは、別に散らかっているわけではなかったけど、早く片付けることができるなら、それを覚えたいという欲があるだろうね。
無理だけど。
「うん。種明かしするとね」
「わーダメダメ言わないでレイちゃん! なんでそんなに口が軽いの!」
本気で焦る優だが、面白そうな気配を敏感に感じ取ったおっちゃんとタマが――
「――タマ、拘束しなさい!」
と、おっちゃんが肩車しているタマを、前方にブン投げた
「がってーん!」
投げられながら間延びしたタマの声だが、さすがの猫の着地。四肢を床に着けて音を立てないで着地した。
―――瞬間、タマの姿がブレた。
「はや―――むぎゅぅ!?」
一瞬で優の背後に回り込み、立ち上がりかけた優に膝かっくん。そこからの、優の口を背後から押さえて地面にたたき伏せる。
四足獣本来の構えから、一歩目に最高速度で走り出したのか。
僕が本気を出してもできそうにない芸当だな。
「もごー! ふごふー!」
タマは素早く優の腹に乗って、足で優の両腕を踏み、左手で重心を押さえる。
これじゃあ立ち上がることも出来ないな。
「師匠、どうぞ。」
「修ちゃん、グッジョブ。」
ママが親指を立てておっちゃんを褒める。僕もやかましいのは好きじゃない。
ママは、真剣な顔で、噛まないようにゆっくりと、優の正体を話す。
「実は、こいつ………『超能力者(笑)』なんだ」
「もぎゃー!」
「へー」
「ぷはっ! しかも反応薄い!?」
まぁ、ここにいる人たち、全員どこかおかしい人しかいないもん。
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